プロジェクトX 〜技術士官達〜 かぜのなかのす〜ばる〜♪ 常識を遥かに超える巨大な船体と最大搭載数182機を誇るジオンの超大型空母ドロス 巨大な船体故に続発するトラブル、更に度重なる工期短縮命令 軍部の理不尽なな建造スケジュールに技術者達はどのように立ち向かって行ったのか 宇宙移民の真の自由を願った男達の夢と願いが巨大空母に命を吹き込んだ 次週 プロジェクトX 〜技術士官達〜 ジオンの偉大なる盾 空母ドロス誕生 お楽しみに ・・・始まりは余りにも理不尽な要望だった 【機動兵器用の大型母艦の開発  尚、開発は極秘扱いとする】 しかも機動兵器の詳細は不明、唯一届けられた資料には搭載予定の機動兵器の サイズが辛うじて書かれているだけだった 「これでは設計なんて出来ません、せめて搭載機のサイズだけでもわからないんですか?」 プロジェクトのリーダーを任される事になるMは社を訪れた軍関係者に詰め寄った 「軍規によりお話できません、次回の会議では此方からの要望書を提出します」 Mはそれまでに幾つかの案を用意する事になった (取り合えず幾つかの案を考えてなくては、戦略・戦術的な運用方法も忘れるなよ) 自分に言い聞かせては見たものの不安で心が潰れそうだった 開発は極秘扱いの為にスタッフも選抜された、その中にMの学生時代の後輩のJがいた Jは一度は軍人の道を選んだがどうしても天才技術者と言われたMの元で仕事がしたい一心で 今はMの設計局で働いていた 「失礼します」 翌日Mのオフィスを訪れたのはJだった 「この本を読んでいただけませんか、新型艦の開発のヒントになると思うのですが」 Jの差し出した本にはこう書かれていた 【 拠点防衛における機動部隊の重要性   サロス・ザビ 】 「10年以上前に書かれた物ですが今の我々を導いてくれるかもしれません」 Mは時の経つのも忘れて読みふけった、とても10年前に書かれたとは思えない内容だった・・・ T・・・広大な宇宙空間全てを守備する事は資源に乏しい我が国には不可能である 更に戦略要塞を構築するには莫大な国家予算を投入しなければならず現実的ではない 我が国を守備する為には移動拠点とも呼べる空母機動艦隊の設立がもっとも現実的である 戦う為の艦隊ではなく、戦いを未然に抑える艦隊が最も望ましい。U 本を持つ手が震えた、魂を揺り動かされた Mはその場でスタッフを集めると指示を出した 「これから俺達が作ろうとしているのは全ての宇宙移民を守る巨大な盾になるだろう 皆の持てる全ての力を貸してくれ、建造するのは大型の宇宙空母だ」 「次回の会議までに幾つかの案を持って行く事になっているんだ それぞれに案を出してくれ」Mもチームに加わると皆で早速幾つかのアイデアを出し合った しかしチームの意見はは大型母艦を作るより小型、中型の母艦を多数製作した方が戦略、戦術両面から見ても 有利であるとの意見が多数だった、そんな中でJの意見は全く正反対だった 「資源の少ない我が国に必要なのはT数UではなくT質Uである、いたずらに艦数を増やすのは 管理維持の手間や艦数のみに頼った作戦を軍部が断行してしまう危険性がある そして何より戦いを未然に防ぐ事が必要なのです、まともに戦うのは得策ではない 敵を威圧し戦闘意欲を無くさせる、それこそが大型空母の存在意義なのです」 Mも同意見だった、少数精鋭の戦力を集中運用する事で軍事費を抑える事も今のジオンには必要だと訴えた 2人の意見に聞き入るうちに大型母艦の必要性を皆が理解してくれた 「これで軍部のエライさんにもカッコがつけられるな」笑いながらMが言った しかし2度目の会議で軍部から明かされた事実はMを驚愕させた Mは機動兵器とは新型の戦闘機だろうと考えていたが手渡された資料には見た事も無い 人型のロボットが書かれていた、「このロボットが新型機動兵器・・・」 「ロボットではなくモビルスーツです、我々はザクと呼称しています」 「このMsの母艦があなた方に製作していただく物です、軍部からの要望は【搭載Ms200機以上、 最前線で戦闘に耐えられる攻撃力と防御力、巡洋艦クラスの艦と戦闘陣形が組める速力】 さらに【工期は15ヶ月、2隻の艦を同時建造、工期厳守する事】 「馬鹿な!、15ヶ月でこんな化け物を2隻も作れとおっしゃるのか!?」 「既に国家総動員令も発令されています、是非ともジオンの未来の為に協力して頂きたい」 なおも食い下がろうとするMをさえぎるように秘書官らしい女性が口をはさんできた 「ギレン閣下もこの艦にはご関心がおありのようです」 冷たく言い放つ秘書官にMは何も言えなかった・・・ 通常、新造艦の設計には最低でも1年以上の時間を必要とする、しかし今回は設計はおろか 艦の完成まで15ヶ月しかないと言う異常事態だった 「こうなったら基本設計と艦の基礎工事を同時に進めるしかない」 幸いにもグワジン級を製造したドックの使用が可能だった 起工式が秘密裏に行われその日から第673ドックの明かりが消えることは無かった 艦の製造には通常 線図を原寸大で書き、これに基ずいた作図から助材、外版等の実形を取る事から始まる しかし肝心の設計図が無くてはその方法を取る事が出来なかった 工期を短縮する意味からも今までの工法を取る事が出来きず苦肉の策として Mは基本フレームを分割設計する事を決意した、艦の防御力は低下するがそれしか方法は無かった 設計期間の短縮並びに部品の製造期間短縮は狙いどうりだったが 予期せぬ出来事が起こった Tジオン公国は本日地球連邦政府に宣戦を布告U 宇宙世紀0079.01月03日、後に一年戦争と言われる戦いの幕が切って落された 部品の調達に奔走していたJはこの知らせをサイド6で知る事になる (戦いが長引けばジオンは確実に不利になる、艦の建造を急がなければ) 部下に後を任せるとその日のうちにJはサイド3へと向った その頃サイド3第673ドックの中ではジオンの快挙に誰もが興奮していた 「これで俺達は自由だ!」「連邦軍なんか蹴散らしてしまえ!」「ジーク・ジオン、ジーク・ジオン!」 高揚する人々の中でMは1人自分のオフィスに戻るとため息混じりにそっとつぶやいた 「・・・戦争が始まってしまった以上この艦の役割も大きく変わっていくな」 Mはあらゆる人脈を使って戦況の詳しい資料を集め始めた Msザクがどの程度の戦闘能力を有しているかが一番の気がかりだった Msの能力次第では予定搭載機をMsから戦闘・攻撃機に変更しなくてはならないと思った・・・ がサイド3に戻ったのは開戦から既に3週間経っていた 帰国の途中Jは元軍人の経歴を生かしてルウム戦役の戦闘記録を入手していた それはJの想像を遥かに越える戦闘だった Msは連邦艦隊に壊滅的な打撃を与えていた、しかもMs部隊には損害がほとんど出ていなかったのだ それは旧世紀に大艦巨砲主義が航空戦力に取って換わられた歴史の繰り返しだった 一方Mは軍部の新たな要望に頭を抱えていた 【新型艦の軍への引渡しを2ヶ月短縮する】【対Ms戦を想定した兵装の充実】 「工期短縮だけでも受け入れがたい要望なのに、兵装の追加まで・・・」 しかし同時に届けられたルウム戦役の戦闘記録がMの技術者魂を揺さぶった Msの戦果はMの想像を遥かに越えていた、Msを恐れる軍関係者の気持ちも十分理解できる結果だった Mは自分でも不思議なほどMsに興味をもっていった、そして興味は新たな欲求を生む事になる (俺の手で最強の母艦を作ってみたい、Msが帰る場所を心配しなくてもいい最強の艦を・・・) Mは艦の設計に専念するためにJに現場の指揮と兵装配置をまかせる事にした 「兎に角1日も無駄に出来ないんだ、人員の配置や作業効率を十分に考えて作業に当たってくれ」 自分を信頼してくれるMの為にも 戦場にいる多くの仲間の為にもJは全力を尽くすつもりだった Jは現場指揮をしながらルウム戦役の戦闘記録を自分なりに分析していった T敵を知り己を知るU 対Msの防御については現役Msパイロットの意見を十分に取り入れる事にした 多くのパイロットの意見の中で最も有効かつ工期が短と思われる物は実弾連装砲による弾幕だった Jは砲の配置設計に取り掛かったが思わぬ難題に突き当たった 「・・・艦が巨大すぎる」 艦全体を防御するには新型Ms母艦は余りにも巨大だった 現状では人員・物資両面から見ても艦全体をカバーする事は不可能だった・・・ が苦悩する毎日を送っている間にも艦の製造は驚異的なペースで進んでいた 兵装の配置場所を決めかねていたJをMが久しぶりに訪ねてきた 「俺の設計の方はなんとか一段落ついたよ、しかしお前は随分悩んでるみたいだな」 Jは今までのいきさつを説明するとMに向き直ってこう言った 「対Ms兵装はMsの射出口に集中させてそれ以外は艦の装甲を厚くする事でカバーしたいのですが」 Jの考えは、発進直後のMsは敵の格好の的になってしまう、味方Msが安全に発艦さえ出来れば 艦の護衛に当たらせる事も可能だ、それ以外の部分は艦の装甲と新しく開発された Tビームかく乱幕Uを散布する事で防御させようと言うものだった しかしMは否定的な意見だった 「味方Msに護衛させる案はいいが問題は艦の装甲を厚くして防御すると言う所だ 巨大な艦と言っても私が目指しているのはむしろT性能、搭載量の割には小さな艦Uだ 資源・予算とも無限に出てくるわけではない、軍からの性能要求を充たした上で 出来るだけコンパクトに作る事が大事なんだ」 Jは納得はしたが、これで又1から考えなくてはならないと思うと気が重かった ため息を付くJに笑いながらMが言った 「射出口の方を分散させればいいんだよ、現状で9ヶ所予定している射出口をバランスよく配置すれば ある程度の範囲はカバーできるはずだ、敵も兵力を分散させなければならないから一石二鳥だな」 (この人にはかなわないな)Jは苦笑いすると「では今から配置設計をやり直してきます 射出口と格納庫の配置案は明日までに持っていきます」 久しぶりにJとMの顔に笑顔が戻っていた・・・ (クニイ)本日は1年戦争最大級の空母、ドロスの模型をスタジオに展示しています (クボジュン)しかし模型でこの迫力ですからね、実際にみたらどうなっちゃうんでしょう (クニイ)艦の全長は492mですから、大きなビルが動いていると思うと凄いというより恐いですね (クボジュン)それにしてもこんな大きな空母をわずか1年余りで作ってしまうなんて  まさに奇跡ですね (クニイ)本日はこの奇跡をなし得たMさんとJさんにスタジオへおこし頂いております (M・J) 宜しくお願いします (クボジュン)早速ですがこのプロジェクトで1番苦労した点はどのような所でしょうか? (J)私はMさんの後をついていっただけですから、苦労らしい苦労はなかったですよ (M)私はいつもJ君に後ろから突かれてたのが苦労ですかね(笑) (クニイ)それにしても脅威的なスケジュールでしたね、設計と造船工事を同時に進めるなんて  ジオンのMs開発技術の高さは皆さんご存知だと思うんですが、造船技術も素晴らしいですね (M)元々資源の少ない国ですから、どうしても技術立国を目指すしかなかったんでしょうね (クボジュン)それにしても大きな船ですね、これだけ大きいと良い乗り心地でしょうね (J)良いと思いますが、一応軍艦ですから安心して航海出来ない分落ち着かないと思いますよ (クニイ)お二人は乗船なさったんですか? (M)私は試験航海の時に一緒に乗船させてもらいました、仕事が忙しくて乗り心地は覚えてないですが (J)でも乗れただけ羨ましいですよ、私は結局見るだけで1度も乗れませんでしたからね (クニイ)さて、その後のプロジェクトですがT人こそが資源Uと言われたジオンですが  そのT人Uそのものが逆にプロジェクトを苦境に追い込んで行きます  しかし苦境を打破するのもやはりT人Uでした  苦しい状況の中からどのように光を見出していったのか、また戦況はどのようにプロジェクトに  影響したのか、それでは続きをご覧下さい・・・