プロジェクトX 「制海権を取り戻せ!アクアジム開発史」 UC0079後半 ベルファスト基地にジオン軍が侵攻した しかし、連邦の試作MS隊の活躍によってそれは防がれた その戦いを、間近で見る男がいた 彼の名はV 連邦海軍の対MS戦艦開発の技術士官だった 彼はその時上陸したジオンの水陸両用MSに釘付けになった 「MSが水中から来るなんて・・・」 Vには考えられなかった しかし同時にVは考えた 「水陸両用のMSも連邦が作れば、海軍にとって大きな戦力になる」 Vは早速転属願いを出してジャブローへ行った ジャブローに着いたとき、Vに衝撃が走った すでに連邦軍は量産型MSを完成させていたのだった Vはすぐに本部に掛け合った しかし、当時の戦況は陸上戦に重点を置いていたため認められなかった それでもVは諦めなかった 「何としても制海権を取り戻したい」 毎日のように言い放ち、ついにRX−79の設計図を手に入れた それと同時に、Vの熱意に動かされ上層部も開発チームを発足した もちろんVをチーフにした Vはその時こう言った 「ポセイドンが味方した」と こうして、Vの戦いが始まった 開発チームが最初にぶつかった壁は、機密性だった ジムは宇宙地上万能型だったが、間接部は丸裸だった そこで、間接部を伸縮できるゴムで覆ってみた だが、関節が殆ど動かなかった すると、開発チームの一人が言った 「足の代わりに大型スクリューをつければいいじゃないですか」 Vは言った 「だめだ、それでは水陸両用にならない」 皆黙りこんだ 出だしからの挫折に、Vは苛立った ある日、いつもの通り出勤しようとした時Vはテレビの上のある物に気づいた 『両さんフィギュア』 そう書かれてあった 「そうだ、この手があった」 Vは足早に会議室に行った Vは皆に言った 「足にヒンジを取りつけろ」 ヒンジとは、膝の可動角度を上げるために取り付けたものだった Vはホワイトボードに書いて説明した チームは、湧き上がった 膝の部分に小型のヒンジを取りつけ、そこを蛇腹にしたゴムで覆った 足は、50度まで開く事が出来た 今度はそれを腕にも使おうとした しかし、腕につけたところ、曲げた時の拡張でゴムが切れた そこでVは、特殊な加工をした防錆素材を間接部に使った 皆の目が、希望に溢れた いよいよ、ボディーの開発が始まった Vが目をつけたのは、連邦軍試作MSガンダムだった ガンダムはすでに水中戦をしていた Vは考えた 「ガンダムの装甲なら10気圧下でも耐えれる、しかしジムの装甲では無理だ」 コストの低下を図るため、もっと安価な素材でなければならなかった これがチームのぶつかった第2の壁だった 悩むチームに、吉報が舞い降りた ジオンの水陸両用MSが捕獲されたのだった 皆急いで倉庫へ向った 捕獲されたのは、水中用ザクだった すでにズゴックやアッガイが主流となっている状況では珍しかった チームは総出で調査をした そして、ボディーの部分で驚くべきものを発見した それはガラスだった 装甲と装甲の間の小スペースにガラスタイルが入っていた 「そうだったのか」 Vは早速同じことを施した 「装甲の間にガラスタイルを貼れば同じ装甲でも水中6気圧まで耐えられる」 それはチームにとって画期的な事だった そしてついに、ボディーが完成した 最後に残された問題は酸素だった 宇宙とは違い、水中は長時間いなければならなかった そうすれば、酸素の量もかなりの量を有することになった これが、チームがぶつかった第3の壁だった バックパックは推進剤が入るため、酸素を入れる場所が無かった 次ぎにボディーに入れようとしたが、ぎりぎりまでスペースを無くしたために場所が無かった 考えた挙げ句、バックパックの横にアクアラングをつけることになった しかし、チームの一人が言った 「それでは敵に弱点を教えているようなものです」と 皆、何も言えなかった 沈黙を破るようにVは言った 「腕に入れよう」 チームのみんなは首を傾げて言った 「どうやって?」 Vは言った 「肩の上に魚雷発射装置と見せ掛けた場所を作りそこに圧縮酸素を入れればいい」 皆、目を見開いてうなずいた こうして、水陸両用MS試作1号が完成した いくらかの試験出撃をした後、Vは改良しようと考えた そのときの軍上層部はオデッサ作戦成功により、今度は海に目を置いていた Vの上司が言った 「試作機を今後汎用機として量産化させる」 Vは反論した 「この機体はまだまだ改良しなくてはなりません、無理です」 しかし、上司は無理やりチームを解散させ、設計図を奪った だが、上司の奪った設計図は偽物だった Vはコンピュータのデータを基に新たな改良を加えた設計図を作った 数日後、設計図が偽物と判明し、Vは懲戒免職された そして、Vの部屋にあった設計図を基に汎用水陸両用MSは完成した その設計図にはMSの名が書かれてあった 「アクアジム」と 数日して、Vはジャブローを去った Vはキャリフォルニアベース陥落のニュースをテレビで見ていた その戦闘の映像の中で、海岸から浮かんできたMSがいた 「アクアジム」だった Vはほくそえんだ UC0080 事実上ジオンは敗北し連邦との間に休戦協定が結ばれた その連邦の勝利に、Vの開発した「アクアジム」が大いに貢献した事は言うまでも無かった 以後 水陸両用MS開発は、さしたる進展が無いまま何年も続いた その間、水中用MSの主力は「シャアの反乱」までずっとアクアジムだった Vの成した事は、後世水中用MS開発の「基準」として語られている 終