bear はじめに

(1)このレポートの構成

本レポートの本文は、第1章から第8章で構成されている。各章にはいくつかの節があり、大きな節はさらにいくつかの項に分割されている。第1章は概要で、第2章から第5章は時系列的に事件の背景や経緯、事件の内容、事件後のことなどを記述し、第6章で否定論とその反論、第7章で論争史を記載、最後の第8章は筆者のまとめにしている。

(2)お役立ち情報

本レポートを理解していただく手助けとして、用語の定義、登場人物、日本軍の編成、参考文献(寸評付き)、などの情報を巻末に掲載したので参考にされたい。

(3)諸説を形成するグループ

南京事件を研究する日本側研究者の説は、次の3つのグループに分類される。なお、中国側は30万人以上が犠牲になった、と主張している。

a)否定派 

南京事件の存在について否定的な見方をする研究者などのグループで、不法殺害はなかったか、あってもごくわずか、と主張する。以前は「まぼろし派」と呼ばれ、犠牲者数については明確にしていなかった。このレポートでは「否定派」と呼ぶ。

b)中間派 

1~4万人規模の不法殺害があった、と主張する研究者のグループ。最も学術的な方法でアプローチしている、という外国人研究者もいる。 (※ 8.1節(2)参照)

a)史実派 

10数万から20万人規模の不法殺害があった、と主張する研究者などのグループ。以前は、「まぼろし派」などから「大虐殺派」と呼ばれていたが、最近は自らを「史実派」と名乗っている。このレポートでも「史実派」と呼ぶことにする。

本レポートでは、中間派と史実派を総称して「肯定派」と呼ぶこともある。

なお、南京事件に関する日本政府の見解は、「犠牲者数には諸説あるが、非戦闘員の殺害や掠奪行為等があったことは否定できない」であり、本レポートはこれを通説として、作成している。

(4)基軸とした文献

本レポートの作成にあたっては、上記3つのグループの主張をそれぞれ次の文書を軸にして解説している。

否定派

東中野修道:「南京虐殺の徹底検証」、展転社、1998年

東中野修道:「再現 南京戦」、草思社、2007年

②中間派;

秦郁彦:「南京事件 増補版」、中公新書、1986年/2007年

偕行社編:「南京戦史」、偕行社、1988年、非売品

偕行社編:「証言による南京戦史」、雑誌『偕行』、1984年4月~1985年3月

③史実派;

笠原十九司:「南京事件」、岩波新書、1997年

(注)東中野氏の著書は、見解が途中で変わっていたり、「・・・徹底検証」には書かれていないことが「再現 南京戦」には書かれていたりするので、この2書を軸とした。

(5)引用について


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