+ルネッサンスと下着

 15,6世紀になると西洋でルネッサンス運動が起こりました。この間に下着は上着の下から流行のシルエットを出すべく、奇抜な形のものが次々生まれました。ちなみに下着を含む当時のファッション・モードは、政治的な影響力をもつ国が入れ替わり立ち替わりリーダーとなっていきました。

 黄金時代を迎えたスペインから生まれたものはヴェルチュガドvertugado、英語ではファーチンゲールfartingaleと呼ばれる大きなツリ型の骨組み式下着でした。骨には若木や鯨骨が材料となっていて、それを腰にとりつけて上にスカートをまとえば流行スタイルの完成でした。これを機に、婦人のスカートはディズニーのヒロイン並みにどんどん膨らみを持たされるようになりました。蛇足ですがこの頃はまだ子供服という概念はありませんでした。それぞれの身分や経済状態に合わせて、大人とあまり変わらないデザインの衣服を子供達は着せられていたようです。

 西洋各国にこのヴェルチュガドが広まった後、政治的力もファッション・モードも移り変わって様々な形と名前の骨組み式下着が登場しました。その1つが、イギリスで生まれたファン・ファーチンゲールというエリザベスT世の円柱型のドレス姿を作ったものでした。ファッション・モードは荘厳でやや堅い感じのあるスペイン・モードから時を経て、やがてフランスへと辿り着くこととなります。

 このヴェルチュガドを装着するにあたって役立ったのはコルセットでした。前にも述べた通り、胴衣は12,3世紀にはすでに愛用されていましたが、さらに下着らしく肌の近くに着けられ、形も奇抜化します。バスキーヌbasquineというウエストから肩を覆う漏斗状の堅い布でできた下着は女性体の体の丸みを消し、幾何学的なシルエットにしたそうです。

+下着が生んだモノ

 中世の絵画に描かれているドレス姿の女性が小さな袋をぶら下げているのを見たことはありませんか?その頃はポケットがなかったのでこうして身の回り品やお金を持っていたようです。しかしヴェルチュガドのようにスカート部分の形を整えるパニエという鳥かご型の下着が出、上に何枚ものペチコートを重ねるようになると、そこにポケットがつけられるようになりました。充分に膨らんだスカートの下なら何を入れても目立ちにくく、かつ便利であるとして、そこに化粧セットや旅行の際には食べ物、またはへそくりを入れたりしたそうです。

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