真空管ラジオの小部屋(2) 
  (ver.2009.06.27 →2015.10.30)


 

電気は素人ですので、ラジオの修理も自己流ですが、
原型の保存を心がけています。
(→修復・超入門) 


そんなわけで、ほとんど全部鳴るには鳴りますが、
100%まともに動くラジオはないかもしれません(^^;


生まれて初めて聞いたラジオ??
必ずしも定かではありませんが・・・
いかにもチープな造りのST管5球スーパーですが、
ネズミにかじられていたのを親からもらい下げて
最近修理しました。


これは自作の3球ラジオです
中学生のときに組み立てたキットを、
またまた実家から持ち出してきて、mT管からST管に変更しました。
こんな簡単な回路でもラジオは聞こえるんだ、
と改めて感心します。

 

  


Contents


1
.ミニミニ展示
exhibition

電気時計と小型ラジオ  
Electric clocks and compact radios

 

2.雑記帳 notes

修復・超入門
An introduction of repairing for beginners


キャビネットの変遷

Law of gravity action upon tube radios !?


 

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→ ラジオ日々  


 

 

 

 

 

 


ミニミニ展示:小型ラジオと電気時計

修理が一番楽しいですが、眺めながら色々思いを馳せるのもまた、です。
同時代の組み合わせで飾っています。



昭和11年ころの松下製R-10と同時代のマツダ電気時計(”セレクトスイッチ時計 モデルS-850”)

 


同じく松下製R-11とマツダ電気時計(ベークライト(”テコライト”)製)
(
”テコライト側置時計 モデルS-1 \12.00”(S9.11)

木製も味がありますが、古いベークライトは趣があります。
この時代の日本のベークライト製品は数が少ないです。


松下R-10とマツダ電気時計(”モデルS-301”)
ラジオは昭和12年ごろで小型ですがなかなか凝ったデザインです。


しばらく探していたR10(丸型)をやっと入手ましたので、
未修理ですが早速掃除をして2ショット撮影しました。
木製とスチール製のミスマッチですが、そういえばスチール製のラジオは
ほとんどみかけませんね・・・・
(040808追加)


 


カタリン製Fada652とGE電気時計

戦中の(?)カタリンラジオです。一番美しいラジオですが、お相手探しは難航・・・

やっと念願のカタリン・クロック(GE製)と2shotです。透明な質感は類似していますが、
ラジオとはちょっと色合いが違います。
60H
z用の電気時計なので関東では実用にはなりません・・・その点ラジオは
電源周波数には無関係、アメリカ製でもちゃんと聞こえます(115V仕様ですが)
(040116追加)



Crosley 428 "Vanity Deluxe" (1938)
と GE 6B52

小型のラジオですが、ST管です。ケースはペイントではなく
Plaskon
(尿素樹脂+セルロース)と思われます。
ベークライトの時計の方はもう少し時代がふるいかもしれません。
(090319
追加)

 

030814
040116
040808
050109(モデル名追記)
090228(写真差し替えFADA,R10r
120101(一部削除)


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雑記帳:Notes       


1. ラジオ修復超入門

自分も2年半の経験で、初心者の域をでませんが、この時期に入門のためのメモを残すのももしかしたら、誰かの参考になるかも知れないな・・・
などと思ったわけです。技術も知識もほとんどゼロから出発でしたので、新規チャレンジャーの方にはお役に立つかもしれません。

真空管ラジオの修復には最低限何が必要なの?

1.真空管ラジオ

 これは当然,,必要ですが、どこで手に入れるかという問題があります。

 やっぱり、ネットオークション、それも今のところはYAHOOオークションが、圧倒的です。他に、骨董屋さん、骨董市、今風にリサイクルショップ、フリーマーケットなどがあると思いますが、地域差も大きいと思います。僕の場合はご近所ではあまり期待できないと思っています。

2.根気

 自分には足らないと思っていますが、これが肝心かもしれません。

 部品の入手が困難な場合があるかもしれませんが、基本的には真空管ラジオはすべて修理可能ですので、あせらなくてもいつかは鳴るようになりますから。

 

 修理、修復といってもいろいろなレベルがありますが、原型保存が基本でしょう。短気に過ぎるのは後で後悔することになるかもしれません。また、どんどん故障が拡大する場合も考えられます。

 

とはいっても、めんどうくさくなることも、しばしば・・・・そんな時は次の一文を思い起こすようにしています。

  Keep notes and draw pictures of anything you change. Don't trust your memory! If you find yourself getting frustrated or tired, quit for a time. That radio has been waiting many years for you to come along, and it can wait a few more days.

       (D.JohnsonAntique Radio Restoration Guide"

 何十年も自分の登場を待っていてくれたラジオですので、その気持ちを汲んで?修理の記録をメモしながらのんびりやるように心がけています。疲れたとか、行き詰ったと思ったら、「また、明日!!」ぐらいが丁度いいかもしれません

3.道具

 最低限必要なものは、限られていると思います。

 

@   半田ごて

100W程度が必要。

20W/130W切替タイプを便利に愛用しています。20Wで使うことはありませんが、長時間点けっぱなしのことも多いので、省エネには良いと思います。

 

Aマイナスドライバー

 古いラジオは−ネジなのでいくつあっても便利です。大、中、小3種は必要。

 ”小”はツマミがはずせるサイズのものが必須ですね。100円ショップのドライバーセットも良いですが、対象のネジが傷んでいることも多いので、サイズのあった上質のものを使いたいです。

 

Bニッパー

 使用頻度が高いので、良い物を購入する価値ありと思いますが、

自分は100円ショップのものをずっと愛用しています。

 

Cワイヤー・ストリッパー

 ないと困ります。ニッパーでもなんとかなりますが・・僕はだめです。

 

Dテスター

 アナログ式が一台あれば、okと思いますが、デジタルでコンデンサーの容量も測れるものも便利で、愛用しています。

 

E小さめのはけ+小型掃除機

 ホコリ払い用の必須アイテム。

圧縮ガスの小型ボンべが、効果抜群でいいのですが、ホコリまみれのラジオに使うとかなり割高になります。

 

Fラジオペンチ、プライヤー、ペンチ

 これらは使いやすいもの大小、2,3個は必須ですけど、どんなのを選ぶかは悩ましいかも??

どんどん数が増えてきますので、ご用心。

 

4.AC電源

 これはどこにでも普通にあると思いますが(^^、動作確認のために通電をする時は注意が必要です。

 僕はスイッチ付のテーブルタップを使っています、異常な時はすぐにスイッチが切れるようにです。

”異常時には本体のスイッチを切ろうとせず、コンセントをすぐ抜くように”という注意書きをどこかで読みましたが、とても間に合いそうもありませんので、スイッチで切れるようにしています。

 

 修理完了後のラジオも基本的には、使用後はタップのスイッチを必ず切るようにして使っています。

(コンセントが傷んでいる場合、抜き差しにも危険があります。)

 

  感電、漏電は何度も経験済みなので、かなり用心深くなっています。それで、テーブルタップに0.5Aのヒューズを入れていますが、これには何度も救われています。

我が家の配電盤には漏電ブレーカーが設置されていますが、これにも何度も救われています。ただし、しょっちゅうお世話になると家族の評判が悪くなりますので、手元にあれば便利かもしれません。

 

 感電防止用には、絶縁トランスの使用が推奨されています。自分の場合は計画倒れで未だ実現していませんが、特にトランスレスタイプの修理には必要と思います。いずれにしても、金属製の二箇所に同時に両手を触れないくらいの用心深さ(習慣)が必要です。

 

5.アンテナ

 地域差、建物の構造による差が大きいと思いますが、、基本的に必要、というか重要。

自分の場合は鉄筋の建物なので、ベランダの外側にビニール線を4mほど張ってますが、効果は抜群です。

はじめのころはループアンテナを自作したり、市販品を試したりもしましたが、、どうも今一つの結果でした。

 

6.情報源

 これも必須です。とはいっても、ネット上にはラジオ修復の情報が思ったよりも

たくさんありますし、掲示板、メールで相談もできますので、ネット接続環境があれば、ラジオ修復にはとりあえず十分の状況かもしれません。自分の場合は内尾様の「ラジオ工房」が、なんといっても修理に関する最大の情報源です。

 

  とはいっても、ネットがいつも万能ではないです。ラジオ修復のノウハウ本があるといいんですが、そのような本は日本にはないように思います。自分の場合は、

 D.JohnsonAntique Radio Restoration Guide"が、やさしいところから書いてあり、とても気に入ってます。ただ、英語ですのでいざと言う時は、すぐにはなかなか役に立ちませんし、アメリカとの違いも感じます。

  そんなときは古いラジオ関係の書籍が一冊あるといいかもしれません。

自分の場合はNHKの”ラジオ技術教科書”(戦前から戦後にかけて何度か改訂あり)をよく参考にします。

(古い無線、ラジオ関係の記事も役立つ思いますが、地方で図書館に恵まれないと難しいです。)

 

7.交換部品

 ある程度必要ですが、はじめに買い込みすぎないことが肝心と思います。

@真空管 

 いくつかストックしておくと差し替えテストができて便利ですが、どのくらいストックするかは一番悩ましいかもしれません。修復用に一本購入するときに”一緒にもう一本”くらいが基本かもしれませんが、これだとかかなり無駄なストックを抱え込むことになるような気がします。

 大抵のものはオークションで入手可能ですし、価格が高めですが、ネット通販でも入手可能です。

  中古でもよい場合は、ジャンクラジオを手に入れるというのが、一番安上がりだろうと思います。中古の単品で買うより割安感があると思います。しかし、戦前のものは中古でも入手は極めて困難ですので、戦後の代替球などで乗り切ることを考えないといけません。

ACR部品

 これは入手に問題はありませんし、ある程度ストックは必要。

僕の場合はゼロからの出発でしたので、始めにまとめ買いしましたが、余計に買いすぎて多少後悔しています。必要なものは限られますので、それがわかるまでは、あまりストックしないほうが無難と思います。

Bトランス類

 これも悩ましいですが、ストックはいらない気がします。

結局はジャンクから手に入れるのが、かなり割安と思います。ない場合は、僕の場合は次の出張を待っての秋葉原頼みですが、通販でも入手は可能のようです。

 

030817
030823
字句修正


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2.ラジオのキャビネットの変遷について



「ラジオに対する重力作用の法則」??

 

形の変遷

セパレート型から一体型へ
 電池を電源としたラジオの時代には、ラジオはセパレートタイプでした。スピーカーは別の立派なケースに入れられて、本体は(喩えはよくありませんが)棺おけのような木製の箱入り。箱は上ブタ付きで、前面のパネルにダイヤルがたくさん付いていて、いかにも高級品の趣でした。

 昭和の4,5年頃に交流電源(エリミネーター付き)のラジオが登場しますが、丁度そのころ(少し遅れて?)スピーカーを一緒にケースに入れた一体型が一般的になります。交流ラジオでもセパレートタイプのものはそれほど珍しくありませんが、この時代には木製だけでなく、金属製の箱も見られます。それは大型の電源トランスを余裕を持って保持するには木製は頼りなかったためかもしれませんが、一時的なものでした。

カセドラル、トムストーン、ミゼットから横長へ
 一体型ラジオの形の変遷は、面白いことにワンウェイで、古い形がまた主流に戻るというようなことがなかったようです。 したがって、ラジオの形を見れば製造された時代がわかることになります。

 ケースの形は、面白いことに縦長から横長へと、徐々に上からつぶされるように変わっていったように見えます。これを「ラジオに対する重力作用の法則」と勝手に呼んでいます。

 はじめは「カセドラル」タイプ、四角の上にスピーカーの入った丸い部分が乗っている形で、デザイン的にはいろいろなものがありました。次に登場するのが「トムストーン(墓石)」タイプです。上部の丸っこい部分が取れて平らになりました。とんがり頭は上に何も乗せられないので、部屋に置くと今でも結構スペースをとりじゃまになります。上が平らだとその上にちょっとした物も置けるので、何かと便利。別の言い方をすれば、庶民の手狭な部屋にラジオが普及し、デザインより機能性重視になったと言うことかもしれません。

 必ずしも呼び名はきちんとしてないようですが、次に現れるのが、正面から見ると真四角に近い「ミゼット」タイプです。これは、スピーカーがシャーシの前方に降りてきて小型化した結果です。多分シャーシのそばにスピーカーを置いても大丈夫になったという技術的な進歩も原因かもしれません(技術なことは、よくわかりません(^^;)。

 次に、昭和12,3年頃にスピーカーをシャーシ本体の横に置く「横長」タイプに変わっていきます。この形がその後、戦中の物不足の時代、戦後のラジオ黄金期を経て真空管ラジオが歴史を閉じる最後まで主流となりました。
 大きさ的にはスピーカーを正面に置くミゼットタイプがコンパクトのはずですが、性能、あるいは音響的な理由があるのかもしれません。小型プラスチックラジオや電池管ラジオなどスペースに余裕のないものを除いてはスピーカーを横に置くタイプが最終的な形となりました。小型のものでも形は横長の四角形が一般的です。

材質の変遷

木製からプラスチックへ
 金属製のものも少しありますが、木製からプラスチック(合成樹脂)製へというのが大きな流れです。
 
 
工業先進国のアメリカと日本を比較すると、木製からプラスチック製への移行時期に大きな差がありました。アメリカではすでに戦前からベークライトなどの合成樹脂のものが主流となっていましたが、日本でプラスチックが中心となるのは、mT管トランスレスの時代、1950年代中ごろ以降の極短い時期だけに限られています。日本人の木への愛着が強いということもあるかもしれませんが、工業力の差によるものと思われます。
 
 
日米のラジオを比べると、日本の物がデザイン的に単調なのも、木製という自由度のない素材に原因があるように思われます。テレビ以前の時代、ラジオがまだ”偉かった”時代に日本ではプラスチック化されませんでしたので、日本のラジオはデザイン的な面白みに欠けています。古いラジオのコレクションがアメリカほど広く流行しない原因の一つがこの辺にあるように思われます。

プラスチック素材について
 古い合成素材としてはエボナイトやベークライトがあります。エボナイトは生ゴムに硫黄を混ぜて加硫硬化させたものですが、これでラジオのキャビネット全体が作られたことはなく、ビンテージラジオ時代のダイヤルパネルや部品に利用されたくらいのように思われます。強度的な問題や細かい成型が難しいためと思われます。

 キャビネット全体がつくられた合成樹脂としてはベークライトが最初です。時代としては32,3年ごろからベークライト製のラジオが登場します。成型技術の制約から大きな物の製造は困難だったようで、ラジオのキャビネットはベークライト成型品としては最も大きいものです。また、ベークライトの場合は茶から黒の暗色系に限定されますので、カラフルな色は出せないという特徴があります。

 古い(古めの?)合成樹脂(プラスチックも含む)素材を”ベークライト”と誤って呼んでいる場合があるようですが、それは、ベークライトが最初の合成樹脂だったことによると思われます。また、いわゆる”ベークライト製”ラジオには、白やカラフルな色のものが見られますが、これは樹脂(ベークライトとは限らない)の上に後からペイントされたものが多いようです。カタリンもベークライトの一種(フェノール樹脂)ですが、これは旧来のベークライトよりも美しい色が特徴です。カタリンのラジオは希少で現在たいへん高価です。

 古い合成樹脂には、ベークライト(フェノール樹脂)以外に、尿素樹脂があります。プラスコンは尿素樹脂にセルロースを組み合わせたもので、ベークライトと並んで戦前(アメリカなど)のラジオの素材として広く用いられています。尿素樹脂の特徴としては白色などの淡色系であることですが、着色されたものも多少あるようです。尿素樹脂系では他に美しいマーブル模様の素材ビートルがあります。 
 (古いプラスチックラジオについて、より詳しくはこちら→Prewar Plastics by Steve T. Davis)

 フェノール樹脂、尿素樹脂はいずれも熱硬化性樹脂で、いわゆるプラスチック(熱可塑性樹脂)とは異なっています。これらの樹脂はプラスチックよりも成形が困難であるため、その後は徐々にポリスチレンなどの熱可塑性樹脂に置き換わっていくことになります。

 古いこれらの樹脂の特徴としては、熱に強いこと以外にも、硬度がかなり大きい、したがって傷つきにくいことがあげられます。そのため、時代が古いものでも美しいまま保存されているものが多く、現在ベークライト製のラジオに人気がある一因と思われます。逆に、初期のポリスチレンなどのプラスチックはかなり傷、熱に弱く、50年代のものでも薄汚れた印象のものが多く見られます。

030915
030920,21
追記、修正

 



 

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