文楽鑑賞

 

文楽とは何なのか。ゴールデンウィーク2日目の日曜日。教養を広げるために鑑賞してみよう。発見があるかも。若手の披露公演だそうな。文楽に魅せられて日々訓練を積んでいるのだろう。午後3時開演なので、1時半には家を出てバスで会場にいこう。近くなので、直前に行くことになりがちだ。 注意注意。人気の程が分からないので要注意。いったら、満員で入ることが出来ないこともありえる。  

行ってみると2時半開場の案内があった。何がこれから起こるのか。なにが目の前でおこるのか。

文楽は人形劇だった。菅原道真の丞相時代にその子供と、時の御門の弟が駆け落ちをした。それが原因で丞相は流罪になった。「菅原伝授手習鑑」から「車曳の段」「茶筅酒の段」「喧嘩の段」「桜丸切腹の段」が本日の題目。  

中心人物は限られた4つの題目の内では、白太夫とその息子の桜丸、梅王丸、松王丸。三つ子である。桜丸は自分がとった行動が原因で丞相配流になったとおもい、切腹を考えている。ついには白太夫の70の祝賀の席で切腹をする。実際は祝賀の席の後であるが。  

三つ子はそれぞれ白太夫に願い事を書面でだす。梅王丸は菅丞相を警護するため筑紫の地に赴きたいという。白太夫は激怒し、許さんといい、自分が代わりに行くという。実際、最後には仕度をして出て行こうとするが、そこには切腹した桜丸がいて亡骸に崩れかかる。桜丸の妻八重、梅王丸の妻春とともに寄り添うようにして、舞台の幕が下りる。  

松王丸は勘当してもらい家をでたいという。兄弟との縁を切りたいとのこと。白太夫は快く受け入れる。許されると直ちに妻千代とともに松王丸は家を出て行く。千代は父親に止めてもらいたい素振りを見せながらも、夫の後に続く。  

3人の子供達はそれぞれ自分の置かれた立場から、喧嘩をしていた。丞相流罪が原因。細かい背景は舞台からは分からないが、パンフを見れば分かる。白太夫は、「車曳の段」で演じられた桜丸、梅王丸と松王丸の喧嘩を知りたくて、祝賀の席で八重と春に尋ねるが直接本人に聞いてもらいたいとしか答えない。実は、桜丸は先に家に帰ってきていて、切腹をする決意を白太夫は聞いていた。許したものか止めさせるべきか、いろんな情報を取り入れて判断しようというつもりでいた。そこで、桜丸には押入れか蔵か人目につかないところに隠れさせ、梅王丸、松王丸と話をしたりした。祝いを氏神に報告に行くと八重をともに詣でにでかけたが、それは桜丸の願い、切腹を許すかどうかを呪術にゆだねてみようとおもってのこと。結果はよくないものだった。梅桜松の絵のはいった扇子(春からのお祝いの品)で占ったが、桜の扇子が引けない。神社から戻ると、梅松の喧嘩で庭に植えてある桜の木が折れているではないか。これはもう切腹を許すしかないという結論に達せざるを得ない。

泣く泣く許す。八重と白太夫の泣き声が交錯する。先ほど追い出した梅王丸夫婦が戻ってきて、家の中の様子を伺っている。とうとう切腹。泣き崩れる白太夫、八重、それと梅王丸夫妻。

 舞台の幕は静かに下りてくる。何時の間にか人形劇だということを忘れていた。