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写真撮影 2006年10月1日,10月9日
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釈迦内鉱山選鉱場跡地を探索

右は昭和50年航空写真「国土画像情報 (カラー空中写真) 国土交通省」より

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釈迦内二ツ森のA団地の北東にある杉林の中にはかつて選鉱場に向かう道が存在し た。すでに無くなっていると思いきや,何故かしっかりと残っていた。杉林の雰囲気が殆ど変化していないので,むしろ昔のまま状態だといってよいほど。 秋の澄んだ陽光が斑に光を落とす杉林の中を北に進む。杉林自体は100m程度で終わる。かつてはこの付近からすでに硫化鉱臭を感じていたように思 う
杉林を抜けると十字路がある。左折すると長 面方面に向かう。十字路の先の左手にはかつては大きな調整池のような施設があり灰色の水が低く溜まっていた。その池は上の航空写真でも確認でき,相当大きいことが分かる,長辺は80m程度はあったのではないだろうか。埋め立てられた跡は叢生し低木の林となり,年月の経過を感じさせる。
右の写真は釈迦内小学校同期生の篠村忠義氏より頂いたもの。氏はかつて釈迦内鉱山に勤務し,山の火が消えるのを当事者として見届けた。原則的に鉱区は部外者立ち入り禁止であるから,このような写真はとても貴重である。写真の白縁に『FUJICOLOR 87』と刻印され,1987年,つまり閉山した昭和62年の写真であることがわかる。篠村氏の写真はすべてこの時期の物である。

選鉱場のかなり高い場所から撮影した写真,2台の大きなシックナーの向こうに3つの沈殿池が並んでいる。右手奥にかつての調整池が見える。調整池と林の間 に見える道を歩いて私は選鉱場跡に向かっている。
調整池の横の道を抜けるとかつての選鉱場跡地の全貌が見えてくる。あの白亜の一大建造物の偉容を知るものは今後減る一方である。左手前の草叢が調整池跡,向こうにプレハブ建ての社屋がある。あとで確認すると社屋の一つには「釈迦内鉱山」という表札があった。鉱山は閉山後も鉱水などの管理が必要で,廃墟にしてほったらかしというわけにいかない,最後の最後まで手間がかかる。

稼 働時代の坑道に入ってみる

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かつての選鉱場を最も美しく映し出し ている写真。しかし私が知っている時代の選鉱場とは少し違う。第1立坑部分の外装が刷新されていて,色がグレーになり,最も高い部分に職場の安全を象徴す る緑十字がペイントされている。(写真提供:篠村忠義氏)

第1立坑部分に 近づ いてみる
重量級ダンプ でもびくともしないような舗装の厚みを持った道は表面こそ荒れてはいるがしっかりと残っている。当時の建築物の一部を発見。スレート外壁のこの建物,間違いなくかつての建物である。この近辺,かつては強烈な硫化鉱臭がした。


撮影点が上の写真よりも萩長森寄りになるが,かなり近い場所である。もう涙が出そうなほど懐かしい。(写真提供:篠村忠義氏)

この建物の道を跨いだ側溝にも遺構と思しきものを見つけた。鉄製の側溝蓋である。まるで梵鐘のよう分厚い鉄製の蓋である。これも法定積載量をオーバーしたよう な ダンプでもびくともしないように計らわれたものであろう。鉱石を運ぶ現場では全てが重量級である。
上の側溝蓋を横から撮影してみると, 鉄の厚 みが分かる。5cmはあるだろう。
かつての鉱業所の綜合事務所がおかれていた旧グラウンド前に移動する。グラウンド跡はゴルフ練習場になっている。途中に道を横断 する水 路があり蓋で覆われてい る。この蓋も鉄製で二重構造になっていてすこぶる頑丈そう,これもかつてのものであろう。

とにかくかつての物が殆ど残っていない。こんな蓋程度のものしかレポートできないとは情けない限りである,後日さらに探索を試みようと思う。
鉱業所本部があった付近から萩長森を振り返る。左手の草地にはかつてピ ンク(?)の本部社屋があり,社屋前のロータリーには箱形の噴水を持った池があり鯉が泳いでいた。今思い出して不思議に思うのは,小学生の頃あれほどこの周辺をうろついていたのに注意されたことが一度もなかったこと。自由に探検でしたし,中和施設(シックナー)に上ったこともありました。よき時代で した。
上の写真付近の閉山時の風景,多くの ダンプが往来した道。月産2万トンとか2万5千トンというから,20トン積めるダンプでも1000台/月以上,延べ何十万台というダンプが鉱石を積んで往復した道。(写真提供:篠村忠義氏)
第1立坑に近い位置から本部社屋を俯瞰した写真。社屋正面玄関前のロータリーには私の記憶にある池が写っている。(写真提供:篠村忠義氏)
グランド脇の空き地,かつては鉱石の母床となるグリーンタフ(緑色凝灰岩) の岩塊がごろごろし,その中に黄鉄鉱のやや緑かかった金色の結晶がきらきらと見えたものだが,今では 鉱石の破片を探すことすら容易ではない。目を皿のようにして探し回ってようやく数個の黄鉄鉱片を見つけ出した。
探すには風化したグリーンタフが転がってい る辺りを目印にするとよい。但し,発見できるか否かは相当に運に左右される。