大阪市立総合医療センター 腎臓・高血圧内科プレゼンツ 腎臓よもやま話

皆さんは紅茶を良く飲みますか?

アールグレイ、ダージリンティー、セイロンティー・・・ 色んな種類があって香りも様々で、選ぶのが楽しくなりますよね。
さらに、紅茶は健康に良いと言われています。カテキンやポリフェノールといった抗酸化物質は特に有名で、生活習慣病の予防や老化の抑制に繋がるとされています。
美味しくて、健康に良いと向かうところ敵なし・・・に見える紅茶ですが、実は飲みすぎると、腎臓がどんどん悪くなって、腎不全や透析になってしまうことがあるのです。
これは、どうしてなのでしょうか?

原因はシュウ酸

それは紅茶に含まれるシュウ酸という物質が原因です。シュウ酸の多くは、腎臓を通って、おしっこの中へ捨てられます。このため、紅茶を飲みすぎてシュウ酸をたくさん摂ってしまうと、人によっては、腎臓にどんどんシュウ酸の結晶が貯まってしまう腎臓病、シュウ酸腎症(別名:アイスティー腎症)になることがあるのです。さらに、もともと腎臓が悪いと、よりいっそう腎臓から十分にシュウ酸を捨てることが出来ません。このような状態でたくさん紅茶を飲み続けると、どんどん腎臓が悪くなって、腎不全や透析になってしまう危険があるのです。

このシュウ酸ですが、紅茶以外にも、ホウレン草、サツマイモ、タケノコ、チョコレート、ナッツ類、スターフルーツ等にもたくさん含まれているため、食べる時に注意が必要です。こうなってくると、『あぁ、紅茶もホウレン草もタケノコも良くないんだ・・・もう食べたら駄目なんだ・・・。』と悲観的に思われるかもしれません。
しかし、決してそうではありません。紅茶には、初めに述べたような良いところだって沢山あります。他の食べ物にも良いところも、悪いところもあるんです。

つまり、紅茶を飲み過ぎて、チョコレートを食べ過ぎて・・・、これではシュウ酸がどんどん体の中にたくさん貯まって、病気が起こりやすくなってしまうわけです。お酒も飲み過ぎると体に悪いですが、ほどほどに摂れば、むしろ健康に良いとされています。どんなものでも“適度な量”で、味わい、楽しむことが大切になってくるのです。

胃腸に持病、胃腸の手術を受けられた人は要注意

補足ですが、もともと胃腸の持病がある人や、胃腸の手術を受けられた人は要注意です。
摂取したシュウ酸の一部は腸の中でカルシウムとくっついて、便中に捨てられます。だから、シュウ酸を含む食品をたくさん食べても、腸の中にカルシウムがしっかりあれば、シュウ酸が腸からたくさん吸収されることにはなりません。しかし、胃腸の持病がある人や、手術で胃腸の切除をした人は、脂肪の吸収が悪くなっていて、この脂肪がカルシウムとくっついてしまいます。このため、シュウ酸がカルシウムとくっつけなくなって、便中に捨てられなくなり、腸から吸収される量が増えてしまうのです。このような理由で、胃腸に持病がある人や、胃腸の手術を受けられた人は、特に、シュウ酸を多く含む食品を摂りすぎないようにする必要があります。

全てほどほどに、バランス良く

以上、紅茶を飲みすぎると、腎不全になってしまうかもしれない訳をざっと解説しました。最後に繰り返しになりますが、「あぁ怖いな、もう紅茶なんて飲みたくない。」なんてことは思わないでください。食べ物は良い点、悪い点があります。全てほどほどに、バランス良くが、大切なのです。

では皆さん、今日も紅茶をほどほどに楽しんでくださいね!

( 山崎 大輔 著 )


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