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▼哲学:自我を超えて:
Pバー(*P=Personal)

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◆「 自分を知るための哲学入門 」 竹田青嗣著 (ちくま学芸文庫)を読んで
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この本の前書きに哲学とは何かという問いに対して、3つのことが上げられています。
第一に『ものごとを自分で考える技術である』
と書かれています。それは、『習慣的な自分の考え方に逆らって考えること』とあります。普段私達が考えていることが、ほんとうに自分で考えているのではないと述べています。私も同感です。なぜなら、私達人間は動物と違って考えることができると古くから言われていますが、決して考えているのではなく、他人や、流行、有名人の物まね、この世の風潮等ををそのまま、鵜呑みにしているだけなことが多いように見受けられます。テレビやラジオ、雑誌等のマスメディアを通して様々な流行が氾濫して、それに一般大衆が煽動されているにしか見れないことが多いようです。やれ、アウトドアーブームとなれば、自然環境の残っているところへ、多くの家族が自家用車、それも同じカタチをした車で出かけ、自然を満喫しようとするが、あくまで都会の快適さを抱えたまま、多くのゴミや廃棄ガスを尊い自然の中に撒き散らし、自然環境を破壊して行く、そんな姿があまりにも多いのではないでしょうか。自分の頭で考えた人間なら、みんなと同じ真似をすることもなく、自然環境を壊さず、自然に触れる行動になるはずですし、空缶や、食べ物の包装や、煙草の吸い殻を道路や空き地に無意識に捨てるような行動はできないと思います。

第二に『困ったとき、苦しいときに役立つ』
とあります。この本にも書かれていますが音楽や文学、宗教などと比べ哲学が無味乾燥なものであり、あまり、話題とならない傾向があると思います。また、実生活に役立たないと思っている人は多いようです。私が参加したことのある討論会でも、「哲学は抽象的で、実生活に役立たない、役立つもっと価値のある話題は取り上げてほしい。」と述べた方がありました。しかし、それは間違いといわざるを得ません。それは、宇宙であれ、人間社会であれ、世の中のすべてを極めて微量なエッセンスのようなものに凝縮してしまったものが哲学と私は考えています。ほんとうに苦しい時に役立つのが哲学です。例えば、
ソクラテスの有名な「汝自身を知れ」という言葉があります。このたった一言には人間の陥りやすい過ちや人間にとって重要な教訓が含まれています。哲学に限らず、人間について、自分自身に、人生について深く熟考し、彼のように自分の信条や信念に命を賭けた者、そこまでいかなくとも、自分の頭で考えたことのある人には、この言葉に深遠な内容が含まれていることが理解できるのではないでしょうか。

第三に書かれているのが『世界の何であるかを理解する方法ではなく自分が何であるかを了解する技術である』
ということです。これについて、私自身はショックですが、【世界認識は不可能】とあることです。確かに人間の認識できることはこの宇宙のほんの一部分でしょうが、哲学することでこの世界について認識できると信じてきたからです。私流の考えでは、私の認識が誤る時は必ず、私自身の自我の色眼鏡が掛かった時であるということです。自我の色眼鏡とは、自分の利益や自己保身、自己の名声、地位、信用を守ろうとすることです。この
自我という色眼鏡に惑わされない限り判断を誤らないのですが、これは大変、難しいことです。判断するのが自分であり、自分のある面、つまり、自我を抹殺しなければ、正しい判断ができないのですから、いつもうまくできるわけではありません。また、その時は自分を滅した状態での判断ですから、その時には正しい、正しくないは存在しないという状態になってしまうはずなのです。
このような自分に関する考察は前述したソクラテスの「汝自身を知れ」でありますし、「自分が何であるか了解する技術」に通じるところがあり、これからも自分自身をよく観察していくことが哲学することではないかと考えています。





 








懐かしさを追い越して行く
Written by Aki Nishimura
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