坊ガツルから大船山

 4月初旬、今年はもう春のはずなのに列島を寒気団が覆い、中央の山岳では災害も発生したとのニュースを聞いた。九州も連日悪天候が続いて、グループ登山の計画が流れたり、なかなか思うようにいかない。ところがほぼあきらめていた週末に、九州だけ天候が回復した。そこで大船山に行こうと考える。
 行ってみると山上では強い風が吹いていて軽装では寒い。早朝の坊ガツルには歩道に大きな霜柱ができており、シャリシャリと踏み音を立てながら登山口に向かう。いつものくじゅうと違い今回は登山客が少なくて良い。坊ガツルには既に昨夜から何組かのキャンプ者がいて、テントの色が朝日に映えて鮮やかだ。冷たく澄み通った早朝の空気を味わいつつ登りにかかる。


霜柱

キャンプ場

 平治(ひいじ)山との分岐を右手にとり、大船山の登山道に入る。背の低い樹木に頭をぶつけないよう注意しながら、少し暗い林の中を歩く。先行する登山者はほとんどいないので、踏み跡は少ないが迷う恐れもない。早朝の登山道はそろそろ霜柱が溶け始める時間帯である。前進するにつれ徐々に足下が柔らかくなってくるのが感じられる。


早朝の登山道

霜柱も溶け始め

 登り始めからおよそ45分歩き、5合目付近にくると急に後方の景色が開ける。早朝登山のおかげでまだ空気が澄んでおり、くじゅうの山々がくっきりと見えてなかなかの壮観である。パノラマ写真だ。3枚撮影して、あとでパソコンで合成する。継ぎ目が分かるだろうか?

 ここから少し傾斜が急になり、北大船山の裾を登っていく。高度が上がるにつれて樹木の高さが低くなり、大船山の山頂が望めるようになる。朝の逆光がひどく眩しい。


北大船山の裾を登る

大船山の頂上が見える

 そうこうするうちに段原に着いた。ここまでのんびり歩いて1時間20分ほどだ。ここはミヤマキリシマの咲く時期には渋谷並み(雰囲気としては巣鴨のように思うが?)に混み合うそうだが、まだ春の景色は全く見られない。


段原に到着

北大船山方面

 小休止ののち大船山の山頂に向かう。

 もう山頂は目の前だ。振り返ると登山路、段原、北大船山、坊ガツル、三俣山が一望できる。三俣山の右後方には涌蓋山が見える。

 大船山山頂からくじゅうを眺める。見飽きることはない。天気予報通り空が霞んできた。午後は曇りに向かうそうだ。まだ時間があるので平治岳をまわろう。


大船山頂とくじゅうの山々


平治岳登山路から黒岳を望む


長者原の野焼き風景

坊がつる讃歌
  人みな花に酔うときも  残雪恋し山に入り
  涙をながす山男     雪解の水に春を知る

  出湯の窓に夜霧来て   せせらぎに寝る山宿に
  一夜を想う山男     星を仰ぎて明日を待つ


 2007年4月