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昨秋に引き続き、今年も屋久島宮之浦岳にチャレンジした。前回はあいにくの雨天で景色も見えず、しかも不充分な装備のため横殴りの雨に打たれ続けてとても寒い思いをした。リーダーの主義で島に着いたその日に山頂を往復する強行軍。それを聞いた民宿の御主人の評は「とても無謀なグループ」とのことで、私も妙に納得した覚えがある。そこで今回はカッパ・スパッツ等の雨対策や、薄暮の下山を想定してライトも完備し、体力増強、携帯食・栄養剤持参と充分な準備をした。そのおかげか、YS11が屋久島に近づくにつれ、厚い雲の中から山々の姿が見え始めた。「もしや」と充分に期待を持たせる瞬間である。

屋久島空港から予約したジャンボタクシーに乗り、一言も二言も多い運転手さんのお話をありがたく賜りながら、標高1365mの淀川(よどごう)登山口へ向かう。運転手さんによれば、下で晴れていても上は保証できないとの話。「太忠岳もいいですよ、梅雨前の花の咲く時期が一番良い」などと話しながら力のある車でぐんぐん距離をかせぎ、登山口にあっという間に到着。・・・晴れている。昨年より1時間近く早い出発となった。まずは運転手さんのおかげと感謝。さっとトイレを済ませ、10:15勇躍山道に入る。全員軽い足取りで、10:40淀川小屋を休みなく通過する。
![]() 登山口 |
![]() 淀川小屋を過ぎる |
メンバーのうち健脚組はどんどん先へ進んで行く。私はムリをせずマイペース。それにしても好天で、暑いくらいだ。11:20、高盤岳(こうばんだけ)展望台で休憩。高盤岳山頂にのっかっているトーフ岩は、まさに絹ごし豆腐を切ったように見える。
![]() 登山道を行く |
![]() 高盤岳展望台で |
ここから小花之江河(こはなのえごう)に下る。11:40、たいへん美しい湿原である。昨年はこの時点で既にびしょぬれで、これ以降は風雨が強くなり、写真を撮る機会はなく、右の写真が最後となった。今年はどこを撮ってもよろしい。明るい日差しのもと、安いデジタルカメラでもそれなりには写る。
![]() 今年の小花之江河 |
![]() 昨年の有様(風情あり?) |
小花之江河から花之江河まではほんの少しの距離である。正面の黒味岳(くろみだけ)の山頂から歓声が聞こえてくる。どうもたくさんの登山者が登っている様子だ。右手に進み黒味岳分岐をまっすぐ進み、投石(なげし)湿原に下る。

花之江河から黒味岳
投石湿原を抜け、少しの登りで投石平(なげしだいら)に出る。12:20、昼飯時でたくさんの登山者が休んでいるが、私達は更に先へ進む。ここで初めて遠くに宮之浦岳が望めるようになる。頂上の向こうは永田岳であろうか、雲で見え隠れしている。

ほどなく投石岩屋を過ぎる。昨年はこの岩陰で雨宿りした。軽く腹ごしらえしただけだが、その短い休憩で体が冷えて辛かった記憶がある。今回はすこぶる快調で、全く疲労を感じない。やはり山登りはお天気に限ると思う。ふと振り返ると黒味岳山頂にたくさんの人影が見える。
![]() 投石岩屋 |
![]() 黒味岳に人影が |
投石岳中腹を左手に進み、安房岳西斜面へと続く。徐々に宮之浦岳が大きくなってくるのが嬉しい。永田岳も見えてきた。雄大である。

宮之浦岳の後方には永田岳
翁岳に向かう。これからの行き先が見えてくる。自然と歩く速度が上がってくる。

宮之浦岳へ
翁岳と栗生岳(くりおだけ)の鞍部まで下る。様々な形の岩があり、目を楽しませてくれる。13:00、栗生岳への登りにとりかかる。
![]() 栗生岳と翁岳の鞍部へ |
![]() モアイ像? |
![]() 栗生岳への登り |
![]() 翁岳鞍部から |
栗生岳への登りで息が切れ、ふと振り返ると翁岳の眺めがすばらしい。今回の登山のベストショットになった。岩が人の顔に見えるのはなぜ?

翁岳を振り返る
13:20、栗生岳を越える。昨年は栗生岳手前の稜線で北側斜面の下から吹き上げる強い風雨で震え、ここの岩陰で30分ほど後続を待った。今年は汗をかくくらいの暑さだ。気分がよい。健脚組はとうに頂上に着いたらしく、姿は見えない。
![]() 栗生岳から宮之浦岳へ |
![]() 中央が宮之浦岳頂上 |

手前が栗生岳、後方左から翁岳・安房岳・投石岳
頂上に出るととたんに寒くなる。13:40、予定通り3時間30分の登り。先行した健脚組の歓迎を受ける。みんな晴れやかな笑顔だ。じきにさいごの一人も合流し、記念写真の撮影。
![]() さいごの一人 |
![]() 記念撮影 |
![]() 永田岳 |
![]() 新高塚小屋方面 |
さて、今回の登山の最終目的は山頂から360度のパノラマ写真撮影だ。しかし永田岳方面からどんどん雲が流れてくる。新高塚小屋方面の登山道にはテントも見えていたが、ほどなく見えなくなった。さすがに1935mの高度では、ガスに包まれると寒い。大変寒い。乾杯もそこそこに昼食を済ませ。しばらくシャッターチャンスを狙っていたが、見る間に天候が変わり空模様が怪しくなってきた。
やはり寒さには勝てず、14:15、下山を決意。後ろ髪を引かれる思いで元来た道を急ぐ。途中ぽつりぽつりと小さな雨粒が落ちてきたが、下るにしたがって天候も回復。間違っても木の根に躓かないよう、ゆっくり注意して歩き、約3時間かけてまだ日のあるうちに登山口まで戻った。このあとの尾之間温泉、夕食ともに素晴らしく、一同幸せな気分に浸った。
2005年10月