始めに

とにかく香港好きで今まで40数回行っているが、
長くて1週間、短い時は中2日なんて時もあったので、
回数の割にはたいした知識もないけれど、
とにかく香港は、私の心の故郷、心のオアシス、心の天国。
ばかじゃないのと笑わば笑え、わたしはしこしこと
気のむくままに香港のことを書いていくのだ。

香港つれづれ

朝弱いのでいつも昼過ぎてから家を出て成田を夕方発つ便を
つかうので香港につくのは夜も遅い時間になっている。

真っ暗な海にちらほら船の明かりが見えはじめるとともに
光の砂をちりばめたような香港の街がせりあがってくる。
降下していた機体は香港島の山なみにそって空港に近づくと
一気に90度機首を右にまげて滑走路に滑り込んでいく。

昼間、あたりの様子がわかるよりも、ずっとわくわくして
これからの滞在がよりいっそう盛り上がるような気がする。
でも島の埋め立て地にできた新空港は今までのように
住宅街の真ん中に突っ込んでいくスリル満点の所では
ないのでなんだかものたりない。

もっとも、返還後は以前と比べるとこれでもか、という程の
光とネオンも何割りか少なくなってしまったから、
どちらにしてもちょっぴりさびしい気持ちになるのは
しかたないことかもしれない。

香港的朝食

香港の古いマンションというか、アパートは台所の
ないとこが多い。
3食外食というのが当たり前になっている。

私はほとんどホテルで朝食をとっているが、たまに町中で
食堂に入るとランニングシャツのおじさんとスーツ姿の
出勤前のおねえさんが相席で食事していたりする。
中華風のセットは粥に炒めものと漬物、洋風は
スープパスタにトーストと飲物というのが一般的で
断然中華風の方が美味しいのだがこちらをたのむと
じろじろみられたりする。
でも香港の粥は美味しいから香港人の目線は
気にしないでたべる。
具がはいっているのもあるし、ないのもあるが、どちらも
油条という20cmぐらいの麸を揚げたようなものが
ついてくるのでそれをちぎって粥の中に入れて食べる。
これだけは入れないで食べた方が美味しいと思うんだけど…。

で、半分ぐらいの人は店に入る前に買った新聞を見ながら
食事をしている。
前の日の競馬の結果、株の状況、映画のロケの案内、
事故のニュース等々。
特に事故のニュースは現場及び被害者の様子を色つきで
載せているので、食事中に読むにはちとせつない。
あの新聞を読みながら粥をすするようになれば、
私も香港に馴染んだという気持ちになれるだろうか…。

香港的冬

香港は亜熱帯なので冬でも気温が10度以下に下がることは
ほとんどない。
暖房器具も基本的には必要ないので数年前5度ぐらいの
寒さが何日か続いた時老人が何人か凍死したと新聞に
出ていたぐらいだ。

黄大仙というお寺の参道には100軒あまりの占い屋が
軒を連ねているが、ある時半分ほどシャッターが
下りているので、景気が悪いと占い屋まで店閉めなくては
いけなくなるのかと思ったら、寒いのでお休みだって。
12月とはいえ、その日の気温16度、私はコートさえ
着ていないというのに‥‥。
それならなぜ真冬でもホテル、レストラン等々クーラー
きかせてるの?

ナンバー・プレート

香港では車本体ではなく、ナンバー・プレートだけの
オークションが開かれるそうだ。
日本でも数年前から希望のNo.手にいれることが
できるようになったけど、日本よりもっと縁起をかつぐ
香港人は大枚はたいてでもよい数字のものを、 と思うらしい。

値段の高いものはというと、昔車の少なかった頃は
4桁の数字のみだったので、同じ数字でも前に
ローマ字がついたものよりもうんと高い。
1、2、3あたりも手に入りにくいのは当然だが
中でも1番人気は末広がりで縁起のいい8である。
1つより2つ、2つより3つ、3つより4つということで
ローマ字のつかない8888は日本円で数千万とかきいた。

中国に返還された1997年には1997のプレートに
日本円で約1億という値段がついたそうだ。
数字にも旬の数字があるらしい。

因みに1番というのはイギリス統治時代は総督の専用車に
2番は日本でいう警視総監専用車につかわれていると
いうことだった。

龍の通り道

ナンバープレートのところでも云ったように
香港の人はずいぶん縁起を担ぐ。
香港には九匹の龍が住んでいてその龍が時折山から
海に降りてくるという。
その通り道をふさぐと良いことがないというので、
あちらこちらに工夫がこらされている。

上海銀行の近代的な偉容を誇るビルも龍様が
通りやすい<ようにと1階部分はいわゆる下駄をはいた
状態で床も龍様が滑りにくいようにと気をつかって
波打たせてある。
そこから上に行くエスカレーターも風水の加減とかで
少し斜めに付けてある。
それも並んだ2本が微妙に位置がずれているという
念の入りよう。



海岸近くの高級マンションも真ん中あたりに龍様の
通り道用に10フロアー5フラット分ぐらい
穴が開けてある。
そんな狭いところわざわざ通らなくてもビルの横に
まわればいいものを、というような安直な考えは
龍様には通用しないらしい。

龍の通り道補足

わざわざ狭いところ通らなくても…。
と書いたけど、龍様より人間の方が通って欲しいと
云うことらしい。
写真のマンションも龍様が通るというので
その分家賃も割高なのに超人気とか。
広めの3LDKで月に約180万円位だそうな。
ピンクの部分が通り道ね。





香港的飲み物

数年前までイギリス領だっただけあって、
香港は紅茶中心のところである。
私のように紅茶派にはありがたいけど
コーヒー派のひとはちゃんとしたコーヒーを
飲めるところが少なくて気の毒かも…。

気温が高く、湿度が年間通じて80%も
あるので冷たいドリンクのスタンドは
町中至る所にあるが喫茶店がない。
じゃあどこでコーヒー飲めばいいのかというと
ちゃんとしたホテルのティールーム以外には
心当たり無いなぁ。

それ以外でコーヒーをと思っても、香港の人は
多分コーヒーを飲み物と認識していないのかも
知れないような気がする。
というのは「どうしてもコーヒー飲みたいの?
それなら仕方がないからこれで我慢」的な
鴛鴦(おしどり)茶という飲み物が存在するからだ。
それはコーヒーと紅茶をブレンドした
摩訶不思議な飲み物だけど、香港では
普遍的な物となっている。
みんな美味しいと思って飲んでいるのかと
あきれるけど、たいがいの店のメニューに
あるとこを見ると香港の人には結構いける飲み物
なんだろうね。

エスカレーター(電梯)

香港の地下鉄は路線によっては海の下をくぐるので、
相当深いところを走っている。
いきおいエスカレーターも相当長い。
で、速度が異常に速い!
とにかく日本の倍ぐらいの速さって感じがする。
普通エスカレーターのアプローチ部分というか
初めに足を乗せる平らに移動している部分
あそこが日本だと板3枚分程度だけど、
香港じゃ6〜7枚
とにかく速いから一瞬の躊躇も許されず
気合いで足を踏み出さなければならない。
初めてであったときはただただ驚きだったけど
しばらくいると身体がこの速さに慣れてくるのね。
日本に帰ってくるとおなじみの速さの
エスカレーターに乗るのに思わずたたらを
踏んでしまうってこともある。
「せまい日本そんなに急いでどこに行く」
ってコピーが昔有ったけど、香港はもっと狭い。
たった1度の人生限られた時間しかないのに
急いでどこが悪いって居直られてるような気がする。

東京の地下鉄も新しいところはだんだん
深くなって相当長いエスカレーターに乗らなくては
いけなくなっている。
ボーとエスカレーターで移動しながら香港の
速いエスカレーターを懐かしむ今日この頃である。