バグダッド燃ゆ  
イラク女性リバーベンドの日記   

…いつかあなたと会いましょう、チグリス川の流れる街で。そこは心を癒し、魂が甦る場所…

2004年3月20日土曜日
対テロ戦争…

今日私はとてもイライライしている。イラクに対する戦争が始まってから、ちょうど1年。誰にとっても戦争の重圧が重くのしかかっている。

去年、3月20日の早朝、戦争は始まった。私は眠っていなかった…2、3日前のブッシュの最後通告以来ずっと眠っていなかった。恐かったのではない。最初の爆弾投下のときに眠っていたくなかったからだ。涙が、最初のわずかな地響きとともに流れ出した。私は泣き虫ではないけれど、1年前の今日、爆弾の音を聞いたその瞬間、たまらなく悲しくなった。それは経験ずみのことだった。アメリカが私たちを爆撃したのはこれが初めてではなかったから。が、そんな経験がフェアだとは思えない。

バグダッドが瓦礫になりつつあることが恐ろしかった。爆発のたびに、街の大切な場所がめらめらと燃え上がっていくのがわかった。恐かった。私は最大の敵にさえそんなことをしようなんて思わない。 それは'解放'の始まりだった…主権からの解放、平和からの解放、人間としての尊厳からの解放。私たちは仕事、治安、守られるべき家庭からも解放された…あるものは家族と友人からさえ解放された。

1年たって、電気はとぎれとぎれ(よく言っても)。燃料不足は相変わらず。街の治安も回復しない。 街を歩くと(ごくまれに)、不安と心配でやつれきった人々に出会う。拘留中の親族への心配、米軍による突然の家宅捜索、家族を養えるか、誘拐・レイプ・死から家族を守れるか…。

戦争から1年たって、私たちは今どこにいるの? そう。私たちは衛星放送受信アンテナを持ったし、羽振りの良い人は携帯電話も持った… けれど、私たちは*本当*はどうなっているの?大多数の人々はどうなったの?私たちは黒い波のように私たちに向かってくる急進主義と戦おうとしている。

1時間ごとに考えている。普通の生活が戻ってきたと少しでも思うようになるまでどれだけの時間がかかるのだろうか。 内戦が起きないようにと願い祈っている…

アメリカ軍が町を歩き回り、乱暴に家宅捜索するのを、私たちは不信の目で見ている…
まったく役に立たない操り人形たちが、うまみのある契約を外国人とかわし、日ごとに私腹を肥やす姿を、私たちは怒りをもって見ている。この国のことを少しも気にかけていなかったこの人たちが、何千人もの命、何千人もの犠牲者が出ることがわかっていたにもかかわらず、この戦争を行うようにブッシュと彼の仲間に請い願ったのだ。

南部のイラン人聖職者が、かつて宗教と無関係であったこの国をアメリカの最大の悪夢ーイランとそっくりの国ーに変えようとしているのを私たちは冷ややかに見ている。 世界中の人々の前でウソがばれることを、私たちは待っている。大量破壊兵器という茶番、アル・カイダというウソ。

私たちは今どうなっているの? イラクの政府機能は'解放者'と'自由イラク戦士'によってすべて失われてしまった。労働人口の50%は失業中、そして餓えている。夏がやってくるというのに、電力状況のおそまつさと言ったらウソのよう。道路は汚く、下水があふれている。刑務所は何千人もの罪もない人々であふれている。この1年、イランとの10年間にわたる戦争より、さらに多くの爆発、戦車、戦闘機、軍隊を私たちは見た。家は襲われ、車は検問のために通りのあちこちで止められる…ジャーナリストは'誤射'され、内戦の種はそれを望むものたちによってばらまかれている。病院は患者であふれているが、あるべきものー医療品、医薬品、医師ーが何もない。そして、原油はずっと流れ続けている。

私たちはたくさんのことを学んだ。テロリズムという言葉の本当の意味を。罪もない人々を殺したり、第三者を恐怖に陥れたりする行為…それがテロ?いいえ、それは「解放」。何を破壊するか、誰を殺すかなんて関係ない。カーキ色の服を着て、戦車、アパッチ、戦闘機に乗って、ミサイルと爆弾を落としたら、テロリストではなく、'解放者'。

対テロ戦争なんて冗談でしょ…先週、マドリッドが証明している…イラクは毎日それを証明している。

より安全になったと思う人がいたらいいわね。私たちにはそう思えないから。

リバー@午後11時2分