木質材



木質材の洗浄・漂白

 さまざまな素材に対するメンテナンス技法の中で、木質のメンテナンスほど歴史が古く、しかも大きく変
化したものはありません。シックハウス問題が注目され、塗料、接着剤、合成洗剤などに対する拒否反
応がおこり、それによって古来の技法である『あく洗い』が視直されています。

あく洗いの種類と特徴

■ 儀式的洗い
 昔より現代の地鎮祭の様な、神事の祭りごとに際して「お清め」「厄払い」の意味合いで行われ
ていたようであり、この時期は「儀式的洗い」のようです。

■ 灰汁洗い
 新築時の木に付いた汚れ等は、水やお湯を使い束子やササラ、「御護箒(みごぼう)」で擦り落と
した様である。古い木の洗い、いわゆる「あく洗い 」

 まず、木や藁、葦、を燃やして出来た灰を木桶に入れて、その上から水を入れて、よくかき混ぜ
る。

 灰を沈殿させた後、その上澄みの液「灰汁 」を釜に移し、火にかけて温める。
 温めた「 灰汁」を手桶に移し、稲穂を束めた水箒で汚れた木に塗り、ササラや束子、御護箒で
擦った後、温水で洗い流す。

 その後、お酢を希釈した液で仕上げの洗いをする。
■ 苛性ソーダー洗い
 明治時代の中頃より、「灰汁洗い」より苛性ソーダーを使っての洗いに代わっていった。
灰汁は植物から得られるアルカリ性の液体であるが、苛性ソーダーは工業的な化学薬品から得られ
るアルカリ性の液体である。簡単に、又、いくらでも容易に必要なだけ作られるのと、準備に手間がか
からず作業効率が良いので、急速に普及した様である。





着色薬品と木材発色表

材種








着色剤
過酸化水素
漂白される(あく洗い)
材種と状況により
効果は異なる
アンモニアなどのアルカリと組み合わせて主に
針葉樹の漂白に使用する
次亜塩素酸ソーダ
漂白作用はマイルド
シュウ酸
シュウ酸は漂白剤として単独で使われるが、
シュウ酸の代わりに、過マンガン酸カリと硫酸
ソーダを組み合わせ、広葉樹の漂白に用いら
れることもある
重クロム酸カリ
発色する








石灰

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阿仙・硫酸鉄











ログウッド










阿仙・石灰








注1 阿仙、ログウッドは天然染料の名称。
注2 発色の色は目安である。
注3 石灰はアルカリであり、苛性ソーダ、アルカリ剥離剤、アルカリビルダーで変色が起きるのは、アルカリが発色させるからである。
注4 あく洗い薬品は、危険物、劇物が多いが、取り扱い表示が十分でないため、内容物を調べ、取り扱いに注意する事が大事である。
注5 表には記載されていないが、あく洗いに多用される薬品類を列記する。苛性ソーダ、フッ酸、硝酸、ハイドロサルファイト、炭酸ソーダ、硫酸。