レビュー目次
The Flower Kings Back in the World of Adventure Retropolis Star Dust We Are Flower Power Space Revolver The Rainmaker Unfold the Future Adam & Eve Paradox
Hotel
(Circus Brimstone)
Brimstoned In Europe
(Tomas Bodin Solo)
IAM

・The Flower Kings (1994)
本作は、Roine Stolt のソロアルバムとして作成されたものではあるが、これをきっかけに Flower Kings としてパーマネントなバンド形態での活動が始まることから、Flower Kings のデビューアルバムととれる作品。ポップで軽快な楽曲に、非常に印象的なさびと時に挟まれるとても爽やかなコーラス。どちらかというと、90年代以前ではプログレッシブロックのイメージとしては否定されていたような要素ではあるが、そういった要素を取り入れながらしかも、それがたんに売れることを意識したものではなく、楽曲としては非常に練り上げられて、変拍子なども取り入れながら聴き応えのあるものに仕上げているところが、ある意味では衝撃的であり、その衝撃が、90年代 spock's beard と共に再びプログレッシブロックの扉を開いたという意味では、 spock's beard の ”Light” と共に記念碑的な作品である。それは一曲目からいきなり花開いている。Roine のソロ名義であったこともあり、インストパートのギタープレイのその奔放な楽しさと明るさは、聴いていて本当に楽しい。まだ、ここでは、荒削りにも感じられるところもあるが、その後の活躍を予見させる以上の意味を持つ作品である。
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・Back in the World of Adventure (1995)
バンド形態となってから初の作品。タイトル曲でもある一曲目から彼ららしいノリの良くポップでありながら、面白く複雑な演奏を聴かせる。非常に聴き心地の良いポジティブな楽曲を中心に、彼らの代名詞ともいえるファンタジックワールドを見事に作り上げており、スタイルを確立したアルバムといえるであろう。また、それらの明るい楽曲の合間に挟まれる憂いを込めたバラッド”Train to Nowhere”も非常に美しい。インスト曲である6曲目もテンポ良く曲がどんどん展開していく辺りは実に爽快で、モザイクのように並べられていくメロディーの展開は彼らのらしいインストの扱い方である。「プログレッシブロック復活宣言」と共に動き出した彼らの勢いも感じられる充実の作品である。
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・Retropolis (1996)
三枚目の作品。前作から、更に膨張していく彼らの世界が詰め込まれた作品。1〜2曲目のインスト曲はその充実を存分に現す傑作。ピンポンに導かれて、緊張感みなぎるオープニングが始まる、そして、Roineのハイト−ンギターをフィーチャーしながら、一気に加速して本編に突入、そこから、Roineのギターを中心に、緩急を使い分けながら、曲を展開させていく。しっかりとしたリズムに強靱に支えられての奔放なギターワークとそして、パーカッションワーク。そこから、中盤の静かな”ため”の空間を漂わせてから再加速。多少エキゾティシズムを漂わせながら、非常にイメージを刺激して広がり行く世界を感じさせる。傑作注の傑作。しかし、これだけではまだ終わらない。圧巻の美しさを誇る4曲目"There is more to this world"特に後半インストから、一瞬の緊張を置いて、さびにはいるところ、この緊張と弛緩はとてつもない開放感と共にそこに訪れる実に美しいメロディーとボーカルの掛け合い。涙ものである。
この2曲の以外の曲も、とても良い。
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・Star Dust We Are (1997)
彼らの4枚目のアルバム。2枚組の大作になっている。アルバム構成は面白い。1枚目の前半は、彼らのイメージでもあるファンタジックでポジティブな曲が並び、そこから、少々イメージの違う曲が1枚目後半を彩る。2枚目にはいると、7分程度の曲がぱらぱらと収められているのであるが、その合間に、タイトルトラック Star Dust We Are の楽曲の抜粋をアレンジしたような物が1〜2分程度で挟み込まれている。これによって、Star Dust We Are のあの美しいさびの部分が既に耳に付いている身からすると、じらされているようなそんな印象さえする。(そのおかげで他の曲へ印象が薄くなると言うのもあるが。)そして、最後に待ちに待ったとばかりに 組曲Star Dust We Are が始まる。このアルバム構成は、なかなか面白い。ただし、時間がないときだと、なかなかアルバム全体を通しでは聴ききれないという面もあるが。
このアルバムでは、なんと言っても、組曲Star Dust We Are につきるだろう。ベスト版 Scanning the Greenhouse では、この組曲の編集版として、3部構成のこの曲の3部目だけのものが収められており、こちらもコンパクトで良いのだが、やはり、聞き込むと、この完全版の方が圧倒的によい。彼らの思想が詰まりに詰まった名作である。
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・Flower Power (1999)
前作に続く2枚組。前作までで、とりあえずの所は最早やり尽くした完のある程までの作品を創り上げた彼らであるが、ここでもまた、2枚組の大作を創り上げてきた。しかも、1枚目は、今井を使いきった約60分の大作で、その中にハードロック、バラッド、シンフォニックロックなど様々な音楽的要素を詰め込んだ展開を見せる。この辺りは、前作までのファンタジックな印象を強烈に感じさせていたアルバムとは少し趣を変えている感じがする。前作までも、確かに、ファンタジックな要素のインパクトが強く陰に隠れた完はあったが、様々なタイプの曲をアルバムに収めていた彼らだけに、ここでは、それらの部分についてもより強くアピールしているといえるだろう。また、前作までは、どちらかというと、Roine を頂点としたバンドという趣が強かったが、ここではキーボディスト Tomas Bodin が作曲面でも前に出てきており、その辺りもまた印象の変化を現しているだろう。更なる飛躍のための転換点ともとれる作品である。
また、2枚目では、ボーカリスト Hasse Froberg による美しいバラッド ”Mgic Pie” も収められており、アルバムにまた別の風味を加えている。より、バンドという意識を強くした作品である。
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・Space Revolver (2000)
非常にまとまりのある作品となっている。前2作が2枚組でかつ大作思考であったこともあるが、それが時に逆効果で、アルバムとしてのまとまりという意味では大味にも思えたところもあったが、このアルバムでは、よりシェイプアップして、アルバムのまとまりが感じられる物となっている。以前から、様々な曲調の物がアルバムに収められていたものの、若干まとまりに書くような印象もあったが、本作では、そう言った様々な曲調の物も、うまくアルバムの中にまとめ上げられている。また、曲調としても、前々作まで辺りでは、組曲 Star Dust We Are に代表されるような、非常に美しく夢心地なファンタジックな印象のある曲イメージが、そのまま彼らのイメージとなっていたが、前作辺りから、多少分岐が見られ、本作では、少し路線をずらした感がある。それは、ベーシストが Jonas Reingold に変わりリズムイメージに変化が訪れたことにも寄るのかもしれないが、それに合わせたかのようにそれぞれの曲、歌詞のイメージも、今までよりもより地面に近いというか、具体的な物となっている印象がある。
エンディングの A Kings Prayer 〜 I am the Sun(Part2) への流れは、圧巻の美しさである。
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・The Rainmaker (2001)
前作からの雰囲気をさらに凝縮させた雰囲気を持つ作品に仕上がっている。初期の何処までも上り詰めるような鋭い明るさを持つ作風ではなく、相対的にではあるが、随分と落ち着き払っているような印象もある。複雑なインタープレイと、そこに絡むRoineのギターのトーンは勿論健在ではある。それらが、より引き締まった、凝縮された、そんな印象を与えるのが今回の作品である。曲も、10分を超える曲から、5分程度の曲と、いろいろと織り交ぜ、また、曲風も幅広い。夢見心地の心地よさというこのバンドの一つの特徴は、この作品では、後ろにひいて、熟成した雰囲気と、引き締まったインタープレイという形に昇華されている。また、前作から加入のベーシストが Jonas Reingold のプレイは、更に自由奔放さを増していて、ギターとベースのからみという面白さを付け足している。
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・Unfold the Future (2002)
常に、高い質の作品をしかも、驚くべきハイペースで供給し続けている彼らが、前作からたった1年のインターバルでリリースした作品、しかも2枚組。一発目から、いきなり約30分の大作から入りますが、この曲中曲のタイトルが、”Lonely Load”から始まり、”The Stars, The Sun, The Moon”で終わるあたりが、正に彼らのというか、Roine Stolt の思想をもろに表していて、それをそのまま美しく曲として仕上げているところはさすが。まさにTFKという傑作であり、”Star Dust We Are”級の代表曲と言っていいだろう。そこから、しばらくは短い作品が続き、最後に約25分の大作で閉めるという構成。短い作品もバラッドから、King Crimson のインプロを思い起こさせるようなインスツルメンタル、スピードで押す曲、などなど、盛りだくさん、兎に角この多様性は聞いていて楽しすぎるし、それから、何よりRione の描く理想郷は、例え理想郷に過ぎなくてもやはり美しいし、そしてそれを強く信じて肯定的にあろうとする感情があふれ出てくる曲と歌詞には単純に感動せずにはいられない。
ライナーノーツの最後のイラストが少し意味深。
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・Adam & Eve (2004)
久々に日本版が発売された作品。通常版は1枚ものだが、日本版はボーナスディスク付きで2枚組。今作も、いきなり約20分の大作で掴む。なんとなく、コンセプト的な展開も感じられる作品であり、タイトルに示される誕生から、その後の人間社会における善行と悪行の闘争、そして開かれた未来へと。このようなコンセプトの最初がこの大作であり、正に誕生の青々しさというのだろうか、輝きというのだろうか、それが見事に描かれており、かつてから肯定的で明るい曲を提供し続けている彼らではあるが、その彼らの歴史の中にあっても群の抜いた明るさ、輝きをもつ曲である。その他、お得意の宇宙的な歌詞を持つ曲をはめ込んだりしながら、展開していく。つまり、時間的にも空間的にも広がる世界を描いている作品であり、そういった意味でも今まで以上に立体的な作品である。
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・Paradox Hotel (2006)
原点回帰。まさにそのような印象をまず受けるのが本作品の特徴。またまた、2枚組という相変わらずの生産力を誇るRoine Stoltであるが、それが粗製濫造にはならず、しっかりとしたというか、それ以上のクオリティをアウトプットし続けるというのは驚異的。で、今回はドラマーが変更になって、さらに、Pain
of Salvationから参加していたDaniel Gildenlow は不参加。また、パーカッションのHasse Bruniussonの参加も限定的。その影響もあって、全体的な音は、シンプルになってきていて、以前の作品までで出ていたジャズ色が急激に後退している。ドラマーZoltan
Csörszが、Marcus Liliequistに変わったことで、ギター、キーボードつまり、Roine StoltとTomas Bodinだけが目立つと言うより、
ベースとドラムつまり、Jonas ReingoldとZoltan Csörszも同時に目立つという構成から、リズム隊の占める割合が減少して、初期にあったファンタジックロック路線というのか、甘いボーカルラインと突き抜けるギターとラフルなキーボードという要素が際だっているのが今回のアルバム。また、曲によっては、Roine
Stoltの弾き語り調の非常にゆったりとした楽曲もあったりなど、前作までが緊張感を追求していった結果だとすると、今回のものは、ゆったりとした心地よさを追求した結果という感じ。
ここ数作のTFKの路線を否定する気は全くないが、
改めて、このファンタジック路線の音を聴くとやっぱりこれがまさにTFKかもと
思ってしまうぐらい曲が柔らかくてきれいでそして多彩で聴いていてとても心地がよい。
ジャケットも凝りに凝ったCGが多かった今までとはちがいアニメ調のジャケットに変化。
いや、これ、かなりいいです。 伝説の名曲 ”Star Dust We
Are”好きは結構好きだと思う。
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(Circus
Brimstone)
Flower Kingsからの派生バンドで主にFlower Kings の曲からボーカルを抜いて、インストパートのみを演奏するインスト限定バンド。
Dr. ; Marcus Liliequist, Bass ; lJonas Reingold, Key. ; Tomas Bodin, Guitar
; Roine Stolt
・Brimstoned In Europe (2005)
まるっきり弾きまくりの1枚なので、どちらかというとコアなTFKファン向き。インストはロック感よりもジャズ感が強い曲が多いという印象。ただし、もちろんそれだけではなく、浮遊感ある楽曲もあるし、当然Roine
Stolt天まで突き抜けていくギターも楽しめる。意表をついたアレンジだとか、壊れそうなほどのバトルというのはあまりないので、そういった破綻の面白さには欠けるかもしれない。どちらかというと少しのりの良い落ち着いたインストというところか。
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(Tomas
Bodin)
Flower Kingsを初期から支えるキーボーディストのソロ。
・IAM (2005)
これ以前のTomas Bodinのソロアルバムというとキーボードぎらぎらで演奏面に重心が置かれていて、それはそれで聴いていて面白いが、アルバムとしての面白さという点ではもう一つ何かが足りないという感じがあった。ところが、この”I
AM”は、そのあたりの足りなさを感じさせない完成度の高い作品となっている。シンフォニックなFlower Kingsの方法論に近く、それのRoine
Stolt ではなく、Tomas Bodinによる解釈と実践という形。バンドによる演奏という要素が強くなり、アルバムもコンセプトアルバムとしての統一感を持った作品。曲自体もエッジの効いたロックチューンからしっとりとしたピアノを聴かせるパートを織り込んで多岐にわたる雰囲気を作り上げる。感じとしてはTransatlanticに近いものもある。アルバムコンセプトはそのタイトル”I
AM”どおり個人の存在、内面へとアプローチである。駆け抜けるように過ぎ去る現代社会に流され、個人を確認する作業がこんなになるこの現代において、個人の存在を個人の個としての存在価値を確認するそんな作品に仕上がっていて、コンセプト的にもすばらしい作品。おそらく、興味はあるが聴いていないFlower
Kings ファンは多いはずなので、聴いてみることをお勧めします。
なお、この後、”YOU ARE””HE SHE IT IS”がよていされいるとのこと。
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