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腸

 

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(Contents)

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その他の作家について

  <エリアス・カネッティー>

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  <ドストエフスキー>

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  <ガルシア・マルケス>

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 <ヘンリー・ミラー>

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  <その他の作家>

莫言/豊乳肥臀
モノリ リオタール/震える物語
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 突然、彼は、腸を捕まれる。胃の近く。いくら呼吸しても、たりない。汗が一斉に流れ出す。喉が詰まる。全身が、支配される。

 突然ではないのかもしれない。徐々に、水面下から、そして。

 犯人を捜そうと努力する。どこかに過ちを見いだそうとする。過ちだらけであることだけが判明する。いや、違う、過ちである可能性が含まれることばかりであることが。

 依然として、彼は、捕まれたまま、ふりほどくことが出来ない。もう限界かもしれない。それとも、もっと以前から。あれほど求めていた呼吸さえも、最早、必要ないとさえ感じ始める。

 しかし、全てが消えて無くなってもくれる。最早、この痛みだけ。

 いつ終わったのだろうか。未来が消えてしまう。ずっと前から。そして、小さな円の中だけでうろうろとしている。もしくは、時間に追われて、自分の周りを必死に掘り続けている。

 漸く解放されて、彼は。地面にはいつくばったまま。それとも、死んでしまったのだろうか。また立ち上がる。躊躇したのちに立ち上がる。

 終わろうと思えば、終わりかもしれない。何故、終わろうとしないのか、もしくは、終わることが出来ないのか。

 少し、横になればいい。まだまだ時間がある。ゆっくりと治療すればいい。それほどのこともないかもしれない。時間が許してくれるだろうか。しかし、その時間を信用することが出来ない。遠くの遠くにある時間など、どうやって信じればいいのか。痛みも現在でなければ、それほどのことでもない。

 彼は、また、元に戻る。捕まれた腸も、今は不都合のない活動をしている。時に、眩暈を感じるが、それが、これのためのなのかどうかは定かではない。

 また、終わりに近づく。水面下で、もしくは、頭を出して堂々と。

 少し、遠くまで、痛みから解放されたおかげで、腸以外のものにも、神経が回るようになって。あちこちが、ぎすぎすといっているようで、違う痛みが押し寄せてくる。気にしている場合ではない。限界が、まだまだ遠くにありすぎるような気もする。

 大平原。混み合った街。机を囲む人々。未来。過去。彼は、おなかを押さえている。そして、見渡す。ここは、何処なのだろうか。もしくは、今求めているものに対する適切な回答はどれなのだろうかと。あのときの腸がまた、痛み始めたのか。それとも、もっと別な理由なのか。うろうろと彷徨っている。何処を。最初の選択肢のどれかを。彼には、どれなのかさえもわからなくなっている。字面のちがい以外にそれらの差異は何かあるのだろうか。おなかを押さえたまま、彼は、歩いている。とりあえず、歩いている。止まってしまっても良いのかもしれないけれども、とても止まっていられる心境ではない。だから、歩いている。前へ、ではないかもしれないが、どうやら、後ろに向かってということになることはないようだ。だから、安心して、いや、追い立てられるように、そこにないものに、進む、不案内のまま、向かって、まっしぐらに、振ったさいころが示した数字に従うかのように、いや、高速に処理された情報のうち、選別されたものだけ、それに従って、だけれども、結局それは、過去、そして、未来。何処なのか。それは、もう、関係は無くなっていて。

 

(Contents)

 

創作作品について
   <中編>

多重性

切り身

   <短編>

夕立過ぎ
目の取り替え
始まりの時

   <短文>

移転しました
崩壊しそうなそれ
可能性
眺める人
放り込む、穴
箱を運ぶ

堂々巡り
薄板
鼓動
扉と四次元目
終わり、続き
二つの家
いくつもの丘
極限値
再び、再び
窓と椅子
遅刻
小さな壺
モデル
軌跡と膨らみ
穴の前後
機能
ねじり込み
手探り
共犯者
水平
循環参照
時間
伸びる
転回の場
暗い穴
平面考
風吹く丘
状態変化
環境と乱れ
追跡
四角
敷き詰められて
脈拍の乱れ

転がり
劇場
靡く風
躓き
薄氷に対して
その間
固まり
樹形図の杜

石の固まり
待ち合わせ
主語
インサイドアウト・・・
湖畔に辿り着くこと
平地
炎天下
ペンとノートを
風景画
耳元のささやき
掴みかかる意志
生活
部屋の中の椅子
握手した人
木陰
余白における
棒の先端
積み重なり
集まる
ボールペンを握って
抵抗する感覚
逃げようとする感・・・
寒空の下
二日酔いのように
四次元の二次元の・・・
電車にて
倒れた枯れ木
扉とひもについて
あちらとこちら
隊長の物語
空についての対話
植物学者の新たな発見
接続面の考察
標的巡り
痕跡
解読
表現手法の崩壊と・・・
映像の乱れ
拡散性と水玉と針
防寒着を着た人形
壁の中へ
鞄の完成
礼拝堂

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