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(Contents)

新作紹介

安部公房について

燃えつきた地図
砂の女
箱男
密会

 

その他の作家について

  <エリアス・カネッティー>

眩暈

  <ドストエフスキー>

白痴

 

  <ガルシア・マルケス>

予告された殺人・・・

  <フランツ・カフカ>


変身
カフカ全集

  <サミュエル・ベケット>

ベケット伝
消尽したもの

 <ヘンリー・ミラー>

クリシーの静かな・・・

  <ロブ=グリエ>

覗く人

 

  <その他の作家>

莫言/豊乳肥臀
モノリ リオタール/震える物語
B.H.レヴィ/サルトルの世紀
ヘッセ/ガラス玉演戯
キニャール/舌の先・・・
山下清/山下清放浪記
ザキ/脳は美をいかに・・・
シミック/コーネルの箱
ハイデッガー/芸術作品・・・
ガモフ/不思議宇宙・・・
サイフェ/異端の数ゼロ
サルツブルグ/統計学を・・・
その他

 雨が降り出したので、傘を差す。雨に濡れないように。何のために。当たり前だから。ではなくて、例えば、風邪をひかないように。雨に濡れて。傘を差すことを拒む。土砂降りになって、右手に未だに傘を握ったまま、開かれずに、まるで、杖のように。窓から眺めると、彼は、そのように歩いていて。窓を開けてみた。雨が少しだけ、振り込んでくる。生暖かさと重苦しさが、空気と空を埋め込んでいて。暖かく包まれているようでもある。ずぶ濡れになってから、傘を差した。何の意味があるのだろうか。体は冷え切っている。そんなこともない。意外に暖かい。そうしたい訳でもない、どうしたい訳でもない。歩いていること自体の目的なんて。そのような習慣だから、いや、そのような習慣さえもなくて。きっと、守られている。何から。何によって。逃れようとする。前に進み続ける方が。もっと、もっと。傘を差している暇なんて無いのだから。ましてや雨宿りなんて。窓から、外を眺めているだけで。体は動かなくても、頭の中は動いているかもしれない。前に進み続けるということなんて、その前というものが理解できないでいるというのに。しかし、それは、つまり、未知なものであるのであって。既知であることから遠くに行こうとして。もっと、遠くへ。そうすれば、もう、所持しないものであるのか、所持していたものであるのかも問われることなど無い。それに、そんなことに気を回す時間もなければ、そんなことに感情を乱されている暇もない。そう、暇もない。雨に濡れるままで、それとも、風邪をひいている暇の方が無いのかもしれない。であれば、両方とも避ければいい。いくら図々しいと言われても。走り抜ける。走り続ける。休むことはしないように。焦点が絞られてくる。単一であることが、肯定され始める。なんと未来的なことなのだろうか。彼は、つぶやく。それとも、それは破滅へと向かっているだけなのだろうか。迷い無く、街の中を抜けていく。この窓からは、実際の道筋など見えてはいないのだが、彼が歩き抜けていく様子が手に取るようにわかる、迷うこともなく、迷いを感じることもなく、迷いという存在そのもを否定しきってしまって、いや、むしろ、肯定しきってしまっていて。要するに、そこは、迷宮であるからこそ、もはや、迷宮でないんだよ。窓を閉じる。そのまま、窓にもたれかかる。背中を外に向けて、部屋の中を見つめる。この空間の狭さを嘆いた時が、それはどれほど前のことだったろうか。今は、そのようには思えない。その部屋そのものが、どの程度であっても、もはや、過不足無い。当たり前だが、十分なほどに。当たり前とは、何故。いや、つい口に出してしまった。当たり前ではない、ただ、当たり前という表現が必要であっただけのこと。街の中を進み続ける人が、進み続け始めると、それは、今は、注目に値するものではなくなってしまっていて、迷っている人のその行動は、注目に値するし、描写するに値するかもしれないが、迷うこともなく、彷徨うだけのようで、しかし、彷徨っているだけではなくて、進み続けているのであれば、描写するに値しないのではなくて、描写しきることがあまりにも困難なのであって、あまりにも、過不足が無いというか、もしくは、描写の側に過不足がありすぎて。設定値が足下からぶれていて、しかし、そんなことも、今は関係ないほどに、常にモニターして常に合わせ込まれていて、順調に、そうだ、まさに順調に進み続ける。だから、部屋はこのようなままでも、また、十分であって。何という自由なのだろうか。何という混乱なのだろうか。それとも、これは寂獏に過ぎないのだろうか。彼が保持する全てのスタイルとして、むしろそれは、空白として。

 

(Contents)

 

創作作品について
   <中編>

多重性

切り身

   <短編>

夕立過ぎ
目の取り替え
始まりの時

   <短文>

移転しました
崩壊しそうなそれ
可能性
眺める人
放り込む、穴
箱を運ぶ

堂々巡り
薄板
鼓動
扉と四次元目
終わり、続き
二つの家
いくつもの丘
極限値
再び、再び
窓と椅子
遅刻
小さな壺
モデル
軌跡と膨らみ
穴の前後
機能
ねじり込み
手探り
共犯者
水平
循環参照
時間
伸びる
転回の場
暗い穴
平面考
風吹く丘
状態変化
環境と乱れ
追跡
四角
敷き詰められて
脈拍の乱れ

転がり
劇場
靡く風
躓き
薄氷に対して
その間
固まり
樹形図の杜

石の固まり
待ち合わせ
主語
インサイドアウト・・・
湖畔に辿り着くこと
平地
炎天下
ペンとノートを
風景画
耳元のささやき
掴みかかる意志
生活
部屋の中の椅子
握手した人
木陰
余白における
棒の先端
積み重なり
集まる
ボールペンを握って
抵抗する感覚
逃げようとする感・・・
寒空の下
二日酔いのように
四次元の二次元の・・・
電車にて
倒れた枯れ木
扉とひもについて
あちらとこちら
隊長の物語
空についての対話
植物学者の新たな発見
接続面の考察
標的巡り
痕跡
解読
表現手法の崩壊と・・・
映像の乱れ
拡散性と水玉と針
防寒着を着た人形
壁の中へ
鞄の完成
礼拝堂

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