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窓と椅子

 

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(Contents)

新作紹介

安部公房について

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その他の作家について

  <エリアス・カネッティー>

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  <ドストエフスキー>

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  <ガルシア・マルケス>

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  <サミュエル・ベケット>

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 <ヘンリー・ミラー>

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  <ロブ=グリエ>

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  <その他の作家>

莫言/豊乳肥臀
モノリ リオタール/震える物語
B.H.レヴィ/サルトルの世紀
ヘッセ/ガラス玉演戯
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山下清/山下清放浪記
ザキ/脳は美をいかに・・・
シミック/コーネルの箱
ハイデッガー/芸術作品・・・
ガモフ/不思議宇宙・・・
サイフェ/異端の数ゼロ
サルツブルグ/統計学を・・・
その他

 どこかに、そう言って。何もかもが、周りにはないように。何一つとして、引き込もうとはしない。漂っているかのように。それとも、求めているにもかかわらず。

 窓の外に見える景色。椅子に座って。ここはどこなのだろうか。

 だけれども、むしろ、景色など見ない方がいいのではと。特に近くにあるそれは。遠く遠くにあるものばかりの方が。閉じこめられていない気がする。

 彼の座る椅子は、一体何の上に据えられているのだろうか。

 彼の見る景色は、変化する。どのようなスピードで。

 窓の外を見ながら、沈み込んでいく、内側へ。その中に堆積した多くのものを見つけて。だけれども、それをかき混ぜてはいけない。また、視界が曇ってしまうかもしれないから。

 だから彼は、きっと水の中よりも、空中の方を好む。

 どこにも何もない。そのように定義したのだから。そのように求めたのだから。今更。窓の外を眺める。それとも、かきむしりたくなる何かが。

 走れ。そこには。どこにも、向かってはいない。どこにもいない。

 彼の机の下にため込まれたものたち。まるで、がらくたのようで。すべては、風化していっている。棚の中に納められて、そして、もう二度と外に出てくることのない過去。だけれども、依然としてそこに在る。その空虚ながらくたにしがみついて、そして崩れ落ちる。もう、何も、体にしみこんではこない。いや、しみこんできても中にはとどまらない。行き来する。いや、素通りするだけ。だから、考えないようにと、そう、彼は彼に対して言い聞かせる。すべてをシャットアウトしろと。

 向こうへ向かうとき。そして、こちらにいるとき。それが耐えきれなくて。引き裂かれるごとに叫び声を上げていた時。しかし、もし、分裂することができるのなら。それぞれをそれぞれが、ばらばらに。不可能ではない。きっと。そして失われていく。現実の表面を空回りしながら滑り去っていく。

 装飾にばかり。機敏に。感情との戦いを放棄して。もう、彼は窓の外を眺めることはないのだろうか。それよりも、走れとばかり。

 戦いに敗れて。しかし、帰るべき国もなく。彼は。潜む。とけ込んでいるようで、分離したままに、この街で。それとも、この街であれば。何かがあったとしても、潜入は許さぬように。いずれ、この街であるのだから。悪くない。

 試しに彼は、また、窓のそばの椅子に腰かかけてみた。また、何かが、頭をよぎるかもしれないから。また、何かが、彼を駆動するかもしれないから。じっとこらえる。脳が、自由に動いてくれない。ただそこにじっとしていることだけが耐え難く感じて。あれほどまでに好んだ行為であったのに。

 戦う力を失ったのだろうか。感情が逃亡したまま。すべては、ただ崩壊に向かうだけだからなのか。何が信用に足るのだろうか。何に、何を託すことができるというのだ。振り返るよりも、前を見て、走れと、向いた方が前なのだから。遠くの景色をみれば、この半球がいかに広いかがわかるだろう。その一点でしかないのだ。だから、時間がないことがわかるだろう。向かう方向はそっちなのだ。本当にそうなのか。感情は、カプセルの中に閉じこめて。私は一体。しかし、半球の中での存在なのだから。彼はつぶやく。一人でのつぶやきがなぜか複数に重なる。互いが互いの意見を打ち消し始める。打ち消しあった結果として、何が残るのか。そこに、残された、言葉。それとも、残らない、言葉。残ることのできない、言葉。

 あまりにも空虚だから、だから、歩いていけるのだと、彼は最後につぶやく、そのようにつぶやく、彼。

 

(Contents)

 

創作作品について
   <中編>

多重性

切り身

   <短編>

夕立過ぎ
目の取り替え
始まりの時

   <短文>

移転しました
崩壊しそうなそれ
可能性
眺める人
放り込む、穴
箱を運ぶ

堂々巡り
薄板
鼓動
扉と四次元目
終わり、続き
二つの家
いくつもの丘
極限値
再び、再び
窓と椅子
遅刻
小さな壺
モデル
軌跡と膨らみ
穴の前後
機能
ねじり込み
手探り
共犯者
水平
循環参照
時間
伸びる
転回の場
暗い穴
平面考
風吹く丘
状態変化
環境と乱れ
追跡
四角
敷き詰められて
脈拍の乱れ

転がり
劇場
靡く風
躓き
薄氷に対して
その間
固まり
樹形図の杜

石の固まり
待ち合わせ
主語
インサイドアウト・・・
湖畔に辿り着くこと
平地
炎天下
ペンとノートを
風景画
耳元のささやき
掴みかかる意志
生活
部屋の中の椅子
握手した人
木陰
余白における
棒の先端
積み重なり
集まる
ボールペンを握って
抵抗する感覚
逃げようとする感・・・
寒空の下
二日酔いのように
四次元の二次元の・・・
電車にて
倒れた枯れ木
扉とひもについて
あちらとこちら
隊長の物語
空についての対話
植物学者の新たな発見
接続面の考察
標的巡り
痕跡
解読
表現手法の崩壊と・・・
映像の乱れ
拡散性と水玉と針
防寒着を着た人形
壁の中へ
鞄の完成
礼拝堂

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