| 【報 文】
叱られるRAC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| I. はじめに 子を叱る親が近年求められている。子供の自立を促す上で、叱る行為を控えることによって逆に甘やかしの効果に至っている実態が表面化してきた為である。しかし幼児・児童虐待が増えているのも看過できない。 叱られる子の側も、叱られ慣れないことや、その要因に納得がいかないなどで反発する場合が多い。逆ギレが最たるもので、それはいい年をした青年でも起こり得る。 そうした親子関係は、RC-RACの間にも当てはめられる。本編では、「叱るRC」と「叱られるRAC」との位置関係を、ベテランロータリアンの弁を通じて検討する。 II. 背 景 1. 目標と目的 ロータリー(RC)がローターアクト(RAC)を提唱する目的は「青年男女が個々の能力の開発に当たって役立つ知識や技能を高め、それぞれの地域社会における物質的、あるいは社会的なニーズと取り組み、親睦と奉仕活動を通じて全世界の人々のあいだによりよい信頼関係を推進するための機会を提供すること」1)である。この中に「能力開発=専門知識開発」「社会的なニーズ=社会奉仕」「親睦と奉仕活動=クラブ奉仕」「全世界の人々=国際奉仕」というRACなら必ず持つべき四委員会の指針が盛り込まれている。 ここでは明文化されていないが、RCとして意識して臨む姿勢が目標のひとつに掲げられている。すなわち「指導者としての資質という面でも、職業上の責務を遂行するという面でも、道徳的基準が大切であることを認識し、実践、推進すること」の部分である。基本的なことではあるが、人としての基盤があってこその奉仕活動という本質を追確認する文言である。 2. 金と口の因果関係 日本のRCは一般的に、RACに対し経済的支援を行っている。しかしこれはRIが求めているものではない。従って経済的な結び付きについて指し示す指針は、地区におけるそれを除いて、一切謳われていない。RCは、資金を供するのだからその使い道の報告を受けるのを当然とし、加えてその活動自体やそれに臨む姿勢についての助言を与えようと努める。所謂「金を出すのだから、口も出す」付き合い方である。一方RAC側は、資金提供が当たり前の環境に浸かりながらも、活動に自信をつけるようになると「金は出しても口は出さない」ことを求めるようになる。若者を信用してこそのRCではないのか、と。 RCは単年度で役職を回す為、RAC担当委員長は毎年変わる。しかしRAC自体は変わらない。提唱RCには新世代に積極的に取り組み、RACに精通しているロータリアンがいる一方で、無関心な方も存在する。RAC担当委員長には前者が就くとは限らない。後者の場合、楽をしようと予算を丸投げする場合がある。RACにしてみれば、予算管理を縛られないのは楽。これがRACにとって既得権益になり、以後、「前年度もそうしたのだから」と丸投げを要求するようになる。真摯に奉仕活動に打ち込むRACにとって、予算組みを任せてもらえるのはその準備において助かる面がある。しかし例会運営すらおぼつかない杜撰なRACにとっては、単なるお小遣に消える。 RCにとってまず目に付くのがそうした資金面である。与えた予算が有意義なものとして活用されているか否かは大きな関心事となる。特に予算取りが厳しいこの時世、活動費削減の標的になりやすいのが新世代予算である。将来性への投資とも言える分野で、その効果が目に見えない為、「金食い虫」と揶揄されがちである。 3. 近ごろの若いヤツときたら それと同時に目に付くのは、「最近の若者気質」である。世代間格差は何もRC-RACに限ったことではないが、「RCの青年版」像として真面目な青少年をRACに求めるロータリアンにとって、だらしなく見える若者程気に食わないものはない。「最近の若い奴らは!」と激昂するに至る。これは表面的なもの、つまり見た目でチャラチャラしているように映るが故のものと、実際に挨拶はできない、無作法、TPOをわきまえない企画・言動、礼を失した態度といった本質的な面とのどちらを捉えてのものかによって、評価が分かれる。 4. 言うだけ損 一般にロータリアンたる者、好々爺然としており、滅多なことでは怒らないのを常とする。RACに対しても同様で、「若者の志向はわからないが、楽しくやっている様子を見せてくれるだけで嬉しい」といった談話や講評はよく聞かれる。酷評・批判は滅多なことでは表面化しない。それは行事・活動等運営上の失敗を論うのは大人気ないという意識と、今はやんちゃな若者も、年を追うごとに立派に成長するという人権派的な性善説に則っている。 そんな雰囲気が多勢を占める環境下では、批判の声はあげづらい。無理にあげる必要性は勿論無いが、叱るべき場面では叱らなければ、当人の為にもならない上、RACという団体としてその失敗・誤った活動方針が延々と継承されてしまう。 III. 誌面で展開される評価 以下に1999年4月以降、紙媒体で批判、又は叱咤激励の声をあげた僅かな事例を紹介する。その発言者が所属するRCが、RAC・IACに対してどのように取り組んでいるか。行き着くところ提唱している上での発言かも、参考までに引き合いに出しておく。 1. IAC・RAC・交換学生も、なっていない! 中野2630地区ガバナー(当時)2)はロータリアンが規律や時間に正しい姿勢であるのと対照的な事例として、IACのオリエンテーションで見かけた生徒達の「人が話をしている間にもひざを組み、約6〜7分の間に大きなあくびを2〜3回する者もいるなど実に退屈そうな態度」を紹介している。 また、「アメリカの学生」の「おおらかさを通り越した態度」にも触れている。恐らく交換学生であろう。「帰る途中年配のロータリアンが、そのアメリカの学生の大きな荷物を引っ張りながら切符を買い改札を出て行くのを、自分は荷物に手も触れようともしないでただ見て歩いているだけで、私は何か見てはならないものを見たような気持ちになった」と行間から吐息が漏れ聞こえるように嘆いている。 RACについては、「会場から隣の会場までほんの数メートルの移動にもかかわらず12〜13分の時間を要するようで、われわれ年配者はイライラするのみ」。最後に「近ごろの若者は規律がなく時間の観念もない。その上最低のエチケットも持ち合わせていないようだ。奉仕の理想を述べる前に、人間としてのエチケットを教えなければならない。それが大人の務めでもあるように思う次第である」と締めている。 尚、中野ガバナーの所属する名張中央RCは、IAC・RAC共に提唱していない。 2. マンネリRAC 01-02年度のガバナー座談会3)では次のようなやりとりもあった。登場するのは掛水俊彦2670地区ガバナーと西村栄時2710地区ガバナー。
3. RACに対しもっと指導を その3ヶ月後のガバナー座談会4)で佐原元2530地区 ガバナー、野沢謹五2560地区 ガバナー、ア博次2620地区ガバナーそして司会で友誌顧問の関口隆2840地区パストガバナーは、RACについて次のように語っている。
4. システムにも言及 先に掛水・西村両ガバナーの座談会を紹介したが、ちょうどそれから1年経った02-03年度ガバナー座談会5)で改めて新世代が語られている。出席者は以下の通り。
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5. TPOをわきまえろ! 吉本勲ガバナー補佐は「これでよいのか ローターアクト大会」6)と題し、2510地区RA年次大会を次のように評している。同地区の本質を見事に見抜いているので、少し長いが全文引用する。 「本年度のローターアクト大会は5月31日、札幌のキング・ムーという若者向けの会場で行われた。地区30回大会であるから、2510地区の多くのアクトたちが参加し、もちろんロータリークラブからは、地元のガバナー補佐、クラブ会長、各ローターアクト委員長などが来賓として出席した。 国歌及びアクトソング斎唱、ガバナー 補佐他来賓の方々の祝辞等々、式典は短 く15分とかからなかった。式典が終って すぐ交歓会である。たちまちの中に来賓 も何も放ったらかしにして、自分たちだけのどんちゃん騒ぎ、例によって例のごときハダカ踊り、セックスゲームすれすれのばかばかしい素人芸、SMプレイに 類したもののオンパレードである。 来賓の大人たちはあきれはて、渋面を作ってしばし眺めていたが、やがて一人去り二人帰りついには誰もいなくなる。 中座するということに多少の抗議の意志もこめられていたのかもしれないが、その程度のことに頓着する連中ではない。 数年前、県主催の成人式で祝辞の最中に騒ぎ立てていた若者たちを、壇上から「静かにしろ」と一喝した橋本高知県知事のような人もいるにはいるが、ロータ リーの紳士諸氏にそれだけの度胸のある方がおありだろうか。 そして若者たちのこれらのバカ騒ぎこそ、日本の戦後民主主義とやらに洗脳され切った昭和20年代前半生まれ、すなわち、おおむね団塊の世代を両親に持つオ ボッチャマ、オジョーサマ方のありのままのお姿である。 自由に個性豊かに子供たちの自主性を 尊重して、のびのびと決して叱らず育て上げた結果がこれである。要するに敗戦後、徳育の名に値いするものは何一つ行 われては来なかった。 私見によれば、教育とは自由でも放任でも個性の伸長のみでもない。紙幅がな いので長々と論じているわけにはいかないが、教育は必ずその一部に強制的要素を含むであろう(アメリカは1980年代に 自由放任教育を実施しで惨憺たる失敗をなめ、すでに軌道修正して今日に及んで いる)。 さて、今年度最終のガバナー補佐会議 は去る6月15日に終った。事前にもし私がローターアクト大会の実態を知っていれば、当然補佐会議において問題提起を 行ったであろう。 しかし、私の所属する深川クラブの熱意に充ちたローターアクト委員長が失望と落胆の色を浮かべて、ようやくアクト大会の惨状を私に打ち明けられたのは17 日のことであった。いささか実情を知っていると思われる各クラブ(あるいは地区の)ローターアクト委員長はともかく として、クラブ会長、ガバナー補佐、ガバナー、いや2510地区のすべてのロータリアンはこれらの若者たちの無軌道ぶりを知らなくてよいのであろうか。 それとも、式典さえ終れば、あとは彼等の自主性に任せるべきであり、大人たちにはこれらのバカ騒ぎを事前であれ事後であり、制止したり注意したりする権利はないのであろうか。これらの乱痴気騒ぎを支えるために各クラブは多額の費用を負担し、多大の労力を提供しているわけであるが、そのような必要性があるのかどうか。これらの問題はすでに地区及び各クラブのローターアクト委員会の手に余る事態になっているものと、私には思われる。 来年は赤平市でローターアクト年次大会がある。そのテーマはすでに決まっていて『見たい、聞きたい、騒ぎたい。』 というのだそうである(騒ぎたければクラブを離れて自分たちの金で勝手に騒げばよい)。 私はすべてのロータリアンに問いかけたい。われわれは彼等に対していったい 何をなすべきであろうか。それとも何もしなくてよいのか。きれいな事、事なかれ主義、見て見ぬふり、これでよいのか。 古代ギリシャのオリンポスの神々は若い男女の美しい裸体を賞でたもうた。日 本の神々もまたそうである。その故に神事においては、たとえば御輿渡御の場合 に若者たちが裸体になって御輿をかつぐのである。いうまでもなくこれらの裸体には聖性が宿り、共同体のすべての成員がこれを良しとみなすのである。これに反して、ローターアクトの若者たちの裸体に宿るのはただのセックス願望だけで ある。 私は重ねて第2510地区のすべてのロータリアンに問いかけたい。これでよいのかと。」 深川RCは拓殖短大RACを提唱している。 IV. 考 察 中野ガバナーの「アメリカの学生」の一節は、青少年交換事業の行き詰まりを指摘している。2510地区でも2001年2月、スキーマラソンにおいて、交換学生が片付けるべき道具一式を地区YE委員らが代わりに運び出し、時の実行委員会事務局を務めていた矢橋地区RA委員をして「爺さん婆さんが労働している傍らで、外国の若者はジンギスカンに興じている」と皮肉の投稿をJRICに流さしめた。ROTEXの立場からも「自分が豪州へ派遣された15年前は、自分の物の運搬はホストファミリーといえど手伝ってくれなかった。その豪州人の物を何故日本の地区委員が率先して手伝うのか。自分の物は自分で片付けるのは世界共通の当たり前事項であろう」と大いに批判した。 RACへの指導が足りないと述べる佐原ガバナーの弁は、本編の着地点となろう。野沢ガバナーのもっとロータリーを勉強してほしいとの言葉と併せ、ロータリアンのRACへの積極的な介入の必要性が、RAC強化への布石になると考えられる。 さもなくば、前川ガバナーの「本音のところは、RACもIACも、あんまり関心がない」「IAC、RAC、RYLA、青少年交換などのプライオリティは下が」るというロータリアンの意識は、益々確実なものとなろう。とはいえ、厳しい発言をされている方のホームクラブがRAC・IACを提唱しているとは限らない。下表に見られるように今回登場いただいた14人(RC)中、IACは8、RACは6RCしか提唱していない。RACの提唱率はここでは半分以下である。つまり、ガバナーなどの役職に就いて大局的に組織全体を眺めた結果、RACの恥部が目に付いたということであろう。そうした実力者が在籍する限り、そのRCでは今後、RACを提唱する可能性は低いと考えられる。或いは、他RCが甘やかしている現状を憂慮し、自分達で理想のRACを設立しようという方向にベクトルが向けば、これほど嬉しいことはないが。
V.
むすび 参 考 文 献
[ 2003.8.8 受稿 ] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| Key Words : 金食い虫,甘やかし,マンネリ,若気の至り,逆ギレ,無作法,「こんばんは」くらい言えよ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||