小特集・RACOBはロータリアンになれるかどうか

 

ローターアクト経験者のロータリー入会に関する調査
Research about Rotarian who was member of Rotaract Club

RAC総研 ロータリー動向調査班
( Project Team of the Rotary Trend, RRI )


  I. はじめに
 現在日本国内には119,236人1)のロータリアンがいるが、このなかでRACの経験者は少数である。1968年、日本に初めてRACが誕生して以来33年経ち、20代だったアクターも60代に突入し始める。これはロータリアンの平均的な年代である。しかしRAC卒業生ロータリアンの勢いはJC卒業生に圧倒的に圧されているのが現状である。
 RACの設立趣意には、将来のロータリアン候補を養成する目的も込められている。しかし多くのRCは会員増強にあたり、JC卒業生の名簿には関心を示してもRAC卒業生名簿には食指を動かされない。ロータリーの友誌では時折「RAC出身者をRCに入れよう」という一文を、新世代月間や会員増強月間で思い出したように掲載することがある2)。この上滑りの掛け声にはどれほどの影響があるのか。本調査ではアクターからロータリアンになった事例を調査し、その現状を探る。

 
II. 統計的手法
 RAC出身ロータリアンを探す方法としてはその統計をまとめる機関が存在しないため、口コミに頼ることになる。つまりRACML3)やJRIC4)などInternetによる情報と、RC/RACの行事で偶然知り得た場合である。それらの情報を元にまとめたものが
表-1である。当然不十分な状態であり、引き続きの調査が必要である。

表-1 RAC出身ロータリアンの現況

地区 クラブ 人数 地区計
2510 札幌東 1 4
札幌西 1
赤平 1
千歳 1
2840 沼田 1 1
2550 宇都宮東 1 2
足利東 1
2790 館山 2 7
成田 1
銚子 1
千葉 2
新千葉 1
2580 東京足立 1 2
東京リバーサイド 1
2750 東京銀座 2 19
東京銀座新 1
東京原宿 1
東京西 15
2590 川崎 1 1
2780 鎌倉 1 1
2600 飯田 1 1
2610 小松シティ 1 1
2620 御殿場 5 16
静岡 1
島田 1
浜松 3
浜松ハーモニー 2
浜松中 1
パワー浜松 1
熱海南 2
2760 江南 2 2
2630 伊勢南 6 6
2650 鯖江 1 3
京都南 1
福知山 1
2660 大阪 2 9
大阪東 1
大阪西南 1
大阪御堂筋 4
大阪東淀 1
2640 泉大津 1 2
和泉 1
2680 洲本 1 1
2690 鳥取北 2 2
2740 佐賀 2 4
  佐世保 2

84 84

(2005.11.28確認)

 

 III. 傾向と諸問題

 1.  規定
 RCは元アクターをアディショナル正会員として推薦することを勧められている5)。これにはRAC在籍4年以上で退会理由が定年又は引越という条件が付されている。しかしアディショナル正会員の制度が廃止された現在、この条件付推薦の文言は変更が予想される。

 

 2. 増えない背景
 将来はRCに入りたいと望むアクターは少なくない。それでもRAC出身の入会者が少数なのは、会費や例会時間の関係などで地元に入会可能なRCが無いということが考えられる。必ずしも青年実業家ばかりとは限らないRAC会員構成を考慮し、入会の敷居を低める環境整備こそが会員増強に求められる。例えば札幌大通公園RCのような格安な年会費、サイバーRCのような新しい例会方法の開発など各方面での試行成果が期待される。

 3. 世代ギャップの穴埋め
 JCからRC入会者が多い要因は、職業人として有為な人物が多いことはもちろんだが、卒業年齢もそのひとつと推測される。40歳の卒業直後に入会してもRC内では若手と位置付けられる年代である。ところがRAC卒業直後の30歳となると若過ぎるというイメージがある。そのためJCで時間をつぶしてからの入会が一般化される6)。また、JC卒業生のロータリアンらによる後輩卒業生の引き合いが強いことも要因である。
 RACでは定年と同時にRCとの関係が切れてしまいがちである。ハイパーアクトやOB会が充実している地区なら活躍の場も得られるが、大半の地区は受け皿的機能を持たない。ROTEXや財団学友の組織化が進んでいる昨今、RAC卒業生においても同様の基盤整備が必要と考えられる。また、後輩卒業生をどんどん引き上げる元アクターの団結力とRAC卒業生のその後の行方を把握する機能も今後求められる。

 
IV. 結論
 近年、RCのなかにはRACを金食い虫だの役立たずだのと称して疎む傾向が強い。RACの側に問題点がある場合は論外だが、単にRC側の都合で休会に追い込むことは子供の間引きみたいなものである。しかし、一方的に休会を宣言されてもRACには抗う術がない7)。この事態を救えるのは、RC内部にいるロータリアンである。設立まだ間もないRACの提唱RCなら、設立時の情熱を覚えていて力になってくれる方も多いが、古いRACになればそうした当時を知るひとも少なく、歴代RAC委員長らRACの実情を知るひとが頼みとなる。RACにとって貴重なひとたちであるが、少数派であろう。RACを潰させず、活性化に熱を入れられるロータリアンは、やはり自ら奮闘してきたRAC卒業生ではなかろうか。
 RACは定款から例会形態まですべてRCの影響を受けており、RCと密接な関係を保ちつつ活動している。これは元アクターにはRC入会前の情報委員長インフォメーションが殆ど不要なほど、RCに精通していることを意味する。無理な会員増強によって「RCは仕方なく入った」と公言し、サインのみのMUを求めて市内を走り回る会員よりは、よほど適格なロータリアンとなりえる。
 そのためには、RAC卒業生名簿の地区を超えての取りまとめと、RAC出身ロータリアンが団結しての更なる引き合いが必要となろう。

参考文献
1) 地区別クラブ数・会員・出席率一覧表(5月末現在) : ロータリーの友8月号,pp.61(2001)
2) ローターアクト週間 : エバンストン便り,ロータリーの友3月号,pp.58(2001)
3) 全国ローターアクトメーリングリスト
  全国ローターアクトメーリングリスト
4) 全日本ロータリアンインターネット協議会
  Japan Rotarian Internet Conference
5) 会員増強 それはあなたの義務です : 会員増強および拡大月間,ロータリーの友8月号,pp.23(1999)
6) 第1回ガバナー座談会 : ロータリーの友12月号,pp.7(1999)
7) 標準ローターアクト・クラブ定款

[ 2001.8.6 受稿 ]


 Key Words : ローターアクトOB・OG,ロータリー会員増強,ハイパーアクト