【Vision】

 

新世代のための月間におけるローターアクトの位置付け

2510地区ローターアクト委員会  矢橋 潤一郎
(YAHASHI Junichiro)


  I. はじめに
 30歳までの若者の育成を支援するすべてのロータリー活動に焦点を当てるため、毎年9月は新世代のための月間に指定されている。従来の「青少年活動月間」の名称が1996-97年度から「新世代のための月間」になった。
 新世代のための活動は広範囲にわたるが、その中には
・青少年向け職業相談の開催
・青少年交換計画の公表
・会員の事業所に青少年を見学に招待
・例会プログラムに青少年を参加させる
・学生への経済的援助
・レクリエーション・プログラム、IAC・RACとの協同奉仕活動
などが含まれている。
 また、すべてのRCと地区はこの月間中、新世代の基本的なニーズ、すなわち健康、人間の価値、教育、自己開発を支援するプロジェクトに着手するよう要請されている
1)
 RACとしても直接関係のある唯一の指定月間である。ではRACにとって9月とは特別な月なのだろうか。

 II. 新世代月間におけるRACの振舞
 新世代と一括りにされているが、RAC、IAC、ROTEX、交換学生、財団学友の他に30歳までの若者の活動全般が新世代として扱われる。このなかでRACをもって新世代の代名詞とするには難しい。全国的にRACよりもIACの方が知名度は上である。交換学生やROTEXにしても、国際奉仕が四大奉仕部門のなかでも花形であるが故、青少年交換事業に重きを置かれていることもまた現実である。
 RACが注目を集めうるのは新世代月間よりも世界ローターアクト週間がある3月といえる。友誌においても、昨年度9月号のRAC関連記事で大きく扱っているものでは「4地区情報交換会」「日立北RACアニマルセラピー」の2本。文中触れているのが他に5本。一方昨年度3月号
2)では大きなところで5本。用語説明も含めると総数10本に上る。なかでも「ローターアクト物語」と2590地区比留間代表の寄稿で相当の紙面取りを果たし、さらに数地区の年次大会紹介では写真を豊富に使用されている。
 新世代月間と世界ローターアクト週間双方に共通していえるのは、ローターアクターをロータリアン候補として見ているよというスタンスの再提示である。友誌においても新世代月間で2本、世界ローターアクト週間で3本の記事でそれに触れている。半年に1度RACの位置付けを再確認するよい機会といえよう。

 III. RAC内年代格差
 高校生であるIAC・交換学生・帰国直後のROTEXへのRCからの接し方は子供へのそれである。これは未成年者を統括する上で仕方のないことである。特にIACは顧問の先生へ活動全般を任せているため、教師と生徒の関係を出ることはない。ではRACはどうだろうか。18歳以上という会員資格はあっても未成年会員の割合は低いはずで、大半は20代といってよかろう。子供扱いをするには大人である。かといって大学ベースのクラブを考慮すると社会人相手のような常識はまだ通用しない。12年の年令層とはいえ幅の広い年代といえる。
 

 例えば2510地区(北海道西部)ではアクターを指して「こどもたち」と称する慣習が長く続いていた。これは地区内最初のRACが駒澤大学(現岩見沢RAC)であり、アクターといえば学生であったことに端を発しているとみられる。その後も拓殖短大・函館大学・室蘭北(文化女子短大)と連続して設立されたクラブがすべて大学ベースで、やや間を置いて札幌大学(現札幌幌南RAC)に至る。当時のRACは大学ベースが基本構想であったため、とりわけ短大ベースでは常に未成年が大半を占めることになる。そうした年令層は60代を中心とするRCから捉えれば子供に映るのは当然といえる。しかし大学ベースから社会人ベースへの切り替えが進行する今日、30間近の社会人に対し「こども」の呼称は明らかに違和感が伴う。人生を達観してしまったRCにとっては駆け出しの頼りなさもあろうが、アクターによっては結婚し子供もいる。18歳と30歳とでは接し方が違うことを認識しなければならず、またその成長過程を経るにつれ接し方も変化することにこそRACの醍醐味があるといえよう。

 IV. おわりに
 RCの例会では指定月間に因んだプログラムが組まれる。どこのRCでも9月の例会中1回は新世代委員会が任されるであろう。内容としては地区新世代委員会に卓話を依頼したり、IACを提唱しているRCなら高校生に話をしてもらうこともある。昨年9月21日の札幌東RC例会では、私が会員卓話をした。「ローターアクト・ローターアクト」と題し、RACの現状をOHPを用いて説明した。RAC未提唱のHome Clubに提唱を促すには卓話時間が短過ぎたが、RACについて話をするよい機会を与えていただけたと感謝している。
 新世代活動に力を入れていないRCは、新世代月間だから何かしよう、と言われても具体的にどんなアクションを起こしていいか戸惑う新世代委員長が多いと予想される。その際真っ先に相談を持ちかけるのはやはり地区の新世代委員会であろう。昨年も小樽南・札幌清田・札幌西北などから依頼があった。地区RAC委員長も札幌北RCで卓話をしている。こうした依頼のなかでアクターに話をさせる機会はないものだろうか。当然話としてはロータリアンの方がはるかに上手であるが、若者の生の声といえば聞こえはよかろう。幸い今年度の地区役員のなかには提唱していないRCに興味を示している者もいる。こうした者達にRACを語らせる、というのも彼らにとってよい勉強になるであろうし、また未提唱のRCにとってもRACに触れるよい機会となるであろう。

参考文献
1) ロータリーの友9月号(2000)
2) ロータリーの友3月号(2001)

[ 2001.8.31 受稿 ]