萌えソング、電波ソング、ノベルティソング試論

 

露骨に ONE PIECE をパクッた絵柄のマンガがある。名を「RAVE」という。

RAVE」は

RAVE=ワンピ+スノーマン+とんがりコーン

もしくは

RAVE = ONE PIECE + FF (FINAL FANTASY) + とんがりコーン

と評されている。

 

この中で「とんがりコーン」だけ、文脈での意味がわからなかった。

 

結果的には、「スノーマン」も「とんがりコーン」も RAVE のある登場人物

(というか怪物というか妖精というか。まぁキャラクターですな。キャラと

いう文言の便利さがわかる ) の造形を指して言っただけ、であった。

(別の意味があるのかもしれないが。)

 

で、検索してみたら「鹿はとんがりコーンを食べるのか?」がテーマのページ

にヒットした。そのページのタイトルが「鹿せんべい飛ばし大会に参加するのだ」

だったから、へぇそんな企画があるのか、とさらに検索。

 

たどりついた。

 

鹿せんべいとばし大会

http://www.geocities.jp/mikasakkk9999jp/index.html

 

いくら大会用のでかい せんべい とはいえ、50メートルも飛ぶとは驚き。

ちなみに大会によってベスト3の平均値が大きく違うのには、風と天候が影響しているのだろう。

 

そのサイトで、「鹿せんべいツイスト」というテーマ曲が紹介されていた。

 

私の環境では試聴へのリンクが繋がらなかったが、歌詞だけでも楽しめた。

強烈な電波を飛ばしている歌詞だった。ぜひ上のサイトで読んでみてほしい。

 

イギリスの女王が買ったエピソード(これは事実なのだろう)から発展させて、

バッキンガム宮殿でせんべい投げしている、衛兵達も投げたら踊りだす、などの

素晴らしき連想を行っている。

 

最後のサビが

>      Yah!フン!フン!フンを踏んだらダメ!

>      糞を踏んだら踏んだらダメ!鹿せんべいツイスト!

 

オチが

>      ア〜ッ!踏んでしもた〜!

 

というセオリーどおりの見事さだ。

 

これの歌詞を見て「電波ソング」だなぁ、と思った。

 

だがしかし、「鹿せんべいツイスト」の作者は、電波ソングとして作ったわけではあるまい。

電波ソングなるジャンルができたのはここ数年のことだ。

 

では、昔は「鹿せんべいツイスト」のような曲をどう言ったかというと「ノベルティソング」である。

「コミックソング」はもう少し用法の幅が広い。

 

電波ソング、萌えソングについては、多くの まとめサイト があって、各人なりの

定義がある。そして「オレが萌えソングと思ったら萌えソング派」が多数と見受けられる。

 

それはそれで間違ってはいないが、定義をどうするにせよ、重要な視点は「分岐」である。

 

例えば、私は

「コミックソング」

から

「ノベルティソング」

に変化した分岐は、具体的なテーマの設定にあると思っている。

 

「コミックソング」はその名の通り、面白い曲なら なんでもあてはまってしまう。

一方、「ノベルティソング」は、テーマが「ご当地」であったり、「商品」であったり

「おもちゃ」であったりする必要がある。

 

その意味で、

 

「電波ソング」は「コミックソング」からの分岐、

「萌えソング」は「ノベルティソング」からの分岐、と言い得ると思う。

 

だからこの2つは分けて考えたい。

 

もちろん「電波ソング」と「萌えソング」とは違うと言っているのではない。

図示すれば以下になる。重なる部分の方が多いのである。

 

 

 

 


次は「電波ソング」と「萌えソング」の分析について語る。


「コミックソング」から「電波ソング」への分岐

 

「コミックソング」から「電波ソング」への分岐は、極めて感覚的なものになってしまうが、

以下としたい。

 

「コミックソング」のうち、「電波を飛ばす」と俗称される感覚について歌ったもの

 

では<「電波を飛ばす」と俗称される感覚> とはなんだ、という話になってしまうが、

正直それに定義を見出すのは難し過ぎる。

 

だが、例をあげるのは比較的たやすい。

 

A.

「コミックソング」であって「電波ソング」ではないものを、歴史に残るベストセラーからあげると、

 

「およげたいやきくん」

「だんご三兄弟」

 

このたぐいの楽曲が「コミックソング」であって「電波ソング」ではない、というコンセンサスは

多くの人から得られるだろう。

 

B.

また、逆に「電波ソング」度が過ぎて、良識ある一般人から「コミックソング」とは

認めてもらえないだろう楽曲も存在する。

好事家が「真の電波ソング」と評価するのは、このたぐいだ、と指摘しよう。

 

例として、

「メイドさんロックンロール」

を挙げる。

その圧倒的な歌詞を知りたい向きは、各自でご検索いただきたい。

 

C.

「コミックソング」と「電波ソング」が重なる箇所、すなわち論理積にあたる箇所は、二つのアプローチがある。

 

1.「電波ソング」出身で「コミックソング」として広く受け入れられるだろう楽曲

 

KOTOKO、桃井はるこの曲。

http://tomorrow-is-better.hp.infoseek.co.jp/dempa.htm

で試聴できる。

 

2. 「コミックソング」出身で、「電波ソング」と認識しうる楽曲

 

「おさかな天国」

SHOP99 テーマソング」

「たそがれロンリー」(桜井智/レモンエンジェル)

 

あたりはいかがだろう。

 

中でも「たそがれロンリー」は、製作者としては「コミックソング」を

意図してすらいなかったろうが、結果として最強レベルの電波ソングでもある。

私が本稿をしたためるきっかけになった「鹿せんべいツイスト」もこれにあたる。

 

D.

聞き手が電波を感じる普通の曲

 

ご自由にどうぞ。

私の場合はマクロスの挿入歌「私の彼はパイロット」あたりがここだ。

 

次は「ノベルティソング」から「萌えソング」への分岐。


「ノベルティソング」から「萌えソング」への分岐

 

もう1つの「ノベルティソング」から「萌えソング」への分岐はどうか。

 

これは 「コミックソング」から「電波ソング」への分岐 に比べれば定義しやすい。

 

「ゲーム」「美少女アニメ」「ロリータ」といった「萌えジャンル」に対する「ノベルティソング」

 

「萌えジャンル」が何かついて明確な定義をすると、

「自分の定義」イコール「自分が認めるその分野の方向性」

になってヤブヘビになるのでやめておく。

 

しかし例はあげよう。

 

A.

「ノベルティソング」であって「萌えソングではない」

 

大滝詠一「NIAGARA MOON」

杏里「キャッツ・アイ」

いろんな CM 曲

”燃え”るアニメのテーマ曲

洋楽曲のノベルティソング (歌詞が直感的につかめないから)

「イエローサブマリン音頭」

 

蛇足だが、タイアップ曲とはもちろん違う。

いや、タイアップ曲とノベルティソングが重なる範囲もあるのですけどね。

 

ちなみにこの項目で一番すきなのは、最愛のバンドの1つ、BARCLAY JAMES HARVESTが

ビートルズに捧げた「TITLES」。歌詞は以下。メロディもアレンジも美しい名曲である。

 

The long and winding road that leads to your door

Here comes the sun it's alright people shout for more

But were you trying to deceive telling me

All you need is love to succeed

Across the universe one after nine 'o' nine

I got a feeling for you blue and I feel fine

I tried so hard to make believe that I'd see

All you need is love to succeed

CHORUS:

Lady Madonna let it be

Something in the way you moved me yesterday

All you need is love so they say

 

B.

「萌えソング」であるが「ノベルティソング」ではない。

 

LEAF 「WHITE ALBUM」挿入曲

KEY 「KEY」「KANON」挿入曲

 

C.

「萌えソング」かつ「ノベルティソング」(論理積)

 

1.「萌えソング」出身の「ノベルティソング」

http://tomorrow-is-better.hp.infoseek.co.jp/dempa.htm

KOTOKO、桃井はるこの曲。

「コミックソング」の域に当てはまる「電波ソング」の時と同じじゃないかって?

そうですよ。

 

2.「ノベルティソング」出身の「萌えソング」

              声優が歌うアニメの曲、かな。

 

D.

聞き手が萌える普通の曲

 

ご随意にどうぞ。

私がまず思い浮かべるのは 大瀧詠一「Velvet Motel」における太田裕美の 散歩しない? 。


まとめ

 

「コミックソング」から「ノベルティソング」が分岐した。

 

「コミックソング」から「ノベルティソング」への分岐は、

具体的なテーマの設定

 

「コミックソング」から「電波ソング」が、

「ノベルティソング」から「萌えソング」が分岐した。

 

1.

「コミックソング」から「電波ソング」への分岐は、

「電波を飛ばす」と俗称される感覚について歌うこと

 

2.

「ノベルティソング」から「萌えソング」への分岐は、

「ゲーム」「美少女アニメ」「ロリータ」といった「萌えジャンル」ついて歌うこと

 

萌えソングと電波ソングは、語源のアプローチが違うだけで結果はほぼ同じ。

グラインドコア(過激化したハードコア)とデスメタル(過激化したヘヴィメタル)のようなものと

思えばよろしい。

 

参考論理図