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ジュンを屈服した快感に酔い痴れている蒼星石は、翠星石の様子がおかしい事に気付いた。
虚ろな目、微かに乱れた呼吸。……さっき飲ませた媚薬が効いて来たようだ。
「……蒼星石、またアレをやるですか……? 私は我慢なんて体に悪い事したくないです」
「大丈夫だよ。あ、言っとくけど我慢できなかったら、ジュン君を去勢しちゃうからね。
翠星石がちゃーんと10分我慢できれば、ジュン君の去勢は免除してあげるよ」
「10分なんて無理ですぅ……せめて3分……」
「駄目、10分♪ ――ん?」
蒼星石は意地悪な口調で言った直後、足に妙な感覚が走り、足元を見てみた。ジュンが自分の足を
音を立てながら舐めまわしていた。蒼星石は思わずニヤけると、必死に舌を動かすジュンの顔面を蹴り飛ばした。
「う……」
「指令変更、舐めるのは後でいいよ。――じゃあ始めようか、翠星石」
蒼星石は翠星石の腰に手を回し、撫で始めた。媚薬の効果もあってか、翠星石の呼吸が荒くなる。
そして蒼星石は手を離すと、ソファーの上に仰向けに倒れて見せた。両手をだらりと上げ、上半身の服を脱ぎ始める。
上半身が下着姿になった蒼星石は、上半身の下着をたくし上げた。白い腹部があらわとなり、後少しで乳房が見えるギリギリの位置だ。
翠星石は体の奥底から熱い物が込み上げてくる感覚に耐えながら、半裸の蒼星石を見て、ゴクリ、と生唾を飲む。
はぁはぁ、と息を荒げ、無意識の内に蒼星石の体へと手を伸ばそうとする。しかし翠星石はハッとして、慌てて手を引っ込めた。
双子の姉の反応を楽しみつつ、蒼星石は自分のズボンを太股の辺りまで下ろした。
「――蒼星石ぃ!」
翠星石は興奮気味に双子の妹の名を叫ぶと、半裸の蒼星石の体に飛びついた。だらりと上げていた蒼星石の腕を押さえる。
「もう……我慢できないですぅ……!」
「ふぅん、じゃあジュン君は去勢だね」
「そんなぁ……」
「まだ1分も経ってないよ。翠星石はえっちだなぁ、僕の体がそんなに欲しいの?」
「……ひどいですぅ……」
「我慢できずに僕にえっちな事したら、罰としてジュン君のちょん切るからね」
「うぅ……」
翠星石は名残惜しげに蒼星石の上からどいた。
その後も蒼星石は虚ろな目線を向けて親指を咥えたり、耳を甘噛みしたり耳元で愛の言葉を囁いたり
首筋に舌を這わせたりと、翠星石を誘惑し続けた。普段の蒼星石からは想像も付かないような妖艶な色気を用いて。
檻の中に居る飢えた動物に、外から餌をちらつかせるような物だ。
蒼星石が翠星石を焦らし続けて、もう9分ほど経った頃だろうか。翠星石は媚薬と蒼星石の誘いに懸命に耐えていた。
「……カラダが……熱……い」
「よく頑張ったね、翠星石。あと1分くらいだよ。1分経ったら好きにしていいからね」
そう言った蒼星石の視界に、ふと完全に存在を忘れていたジュンが映った。まだ泣いているようだ。
そしてジュンの恥部を見て、蒼星石は思わず吹き出してしまった。……ジュンの性器が興奮した状態になっていた。
「無様な姿だね、ジュン君」
「…………」
蒼星石はそう言うと、片腕で翠星石を自分の元へ抱き寄せた。まるで“彼女は僕の物”だと誇示しているかのように。
そしてあの水銀燈を思わせる酷薄な笑みを浮かべてジュンを見下ろした後、抱き寄せた翠星石の耳元で囁く。
「――10分経ったよ」
この一言で翠星石は“待ってました”と言わんばかりに、半裸の蒼星石を乱暴に押し倒した。
やっと生殺しの状態から開放された翠星石は、押し倒した蒼星石の顔を両手で掴むと、乱暴に唇を重ねた。
蒼星石はすぐに双子の姉の舌が口に入り込んで来るのを感じ、反射的に自身の舌と絡ませる。
双子は淫らな水音を鳴らし、甘く小さく喘ぎながら濃厚なキスを堪能した。
翠星石は蒼星石と唇を重ねたまま、器用に彼女の下着を乱暴に引き千切った。小振りな乳房があらわとなる。
傍から見れば蒼星石が翠星石に強姦されているように思える。しかし、蒼星石の表情には余裕があった。
「いつもより激しいね、翠星石。……焦らし過ぎちゃったかな……?」
「蒼星石ぃ……蒼星石ぃ……!」
双子の妹の名を連呼しながら、翠星石は蒼星石の乳房にむしゃぶり付く。――あの薬よく効くなぁ。
「んっ……」
蒼星石は甘く喘ぎ、翠星石はまるで蜜でも舐めているかのように、蒼星石の胴全体を舐め回している。
たまに乳首を唇ではんだり吸ったりなどの刺激を与え、愛しい双子の妹に快感を与え続ける。
呼吸がやや乱れ始めて来た蒼星石は愛しげな眼差しで愛しい双子の姉を見つめ、呟く。
「大好きだよ……僕の、翠星石……」
舌が胴に這う感覚に悶えつつも、蒼星石は自身の上に覆い被さる翠星石を抱きしめた。翠星石も舌を這わせるのをやめると
蒼星石の背中に手を回し、小振りな胸に顔をうずめ、抱きしめ合った。
蒼星石はつくづく嫌気が刺していた。性的な支配でしか姉への愛を表現できない不器用さに。
姉の最愛の人に嫉妬し、姉を暴力で奪い返そうとする独占欲、嫉妬心の強さに。こんな事をして快感を得ている自分に。
翠星石も不器用な妹の愛を受け入れてくれているのは、彼女なりの優しさなのだろうか。
(翠星石がジュン君を好きなのは分かってる。……そんなの嫌だ、僕だけを見て欲しい……)
――嫌な女だよね、僕。