0 前スレまでの粗筋:

 真紅にオナニー見られて傷心のJUMは雛苺と寝てしまう。
 驚愕する薔薇乙女一同だったが、翠星石は早々とJUMの寝取りを敢行。雛苺は号泣する。
 オナ見で気まずくなったJUMとの関係改善を真紅は目指すも、横槍が入って成功せず。
 その間、蒼星石の精神崩壊と水銀燈レイプ事件、柴崎家のお家騒動が勃発し、
 度重なるJUMの浮気に雛苺がアリスゲームから脱落寸前となる危機に瀕した。
 同時に、『一歩絆拳遍く天下を打つ』と謳われた絶技が薔薇水晶を粉砕してしまう。
 深い悔悟に陥る真紅――しかし、JUMが偶然とは言え薔薇水晶を救っていた。
 その後、JUMはドサクサに紛れて柏葉邸内で巴を陵辱し、変態仮面に変装して逃亡する。
 だが飽くことを知らぬJUMは家に帰るなり乙女らの相手を勤めてしまった。
 しかも、お持ち帰りしてきた薔薇水晶にも手を出すというのだ……。

 ……結局、真紅はJUMとロクすっぽ会話さえ出来ずにいた。

さて、夜も更ける――。
 乙女達は皆、夢の中に遊ぶ頃。
 JUMはベッドに寝そべり、天井を眺めていた。
 隣では薔薇水晶が、自分に背を向けて横たわっている。

(小さい、背中だよな……)

 ふと、視界の隅に映っていた人形に目を移し、JUMは呟きを漏らす。
 そこにあるのは、幼子と何ら変わらぬ小さくて薄っぺらい背中。
 真紅らも皆、同じくらいの大きさしか無い。

(こいつらみんな、こんな体でずっとアリスになろうと頑張ってたんだろうな……)

 JUMは思考する。
 薔薇乙女に課せられた孤独で、陰惨な運命を。
 何時終わるとも知れず、姉妹同士が傷付け合いながら、まだ見ぬ父親の為、究極の少女を目指す運命を。
 彼にとっては、一風変わった今の日々を、皆の笑顔を奪いかねない無理非道。
 到底理解など出来はしないし、理解しようとも思わない。
 JUMは思考する。
 こんな小さな背中で、どうしてそんな運命を背負うのだろうか。
 こんなか弱き背中に、何故ローゼンはそんな運命を負わせたのか。
 それが創造主たる父と被造物たる子の愛だとでもいうのか。
 JUMは思考する。
 もし、アリスゲームがローゼンの愛であるならば、
 自分は自分の情愛を貫くだけだ……。

「……薔薇水晶」
「何でしょう……」

「やらないか」
「……え?」

「僕はおまえを抱きたい」
「私を……抱きたい……?」

 ゆっくりとJUMの方を向きながら、告げられた言葉を反芻する。
 抱くというからには、つまりセックスするということだ。
(顔が熱い……)
 薔薇水晶は顔が耳まで紅潮するのを感じた。
(……息苦しい)
 動悸が激しくなるのを感じた。
(私は、傷モノ!!?)
 頭がクラクラしてくるのを感じた。
 ただ不思議と、嫌だとか不快だとか、そういう感じは無い。
 驚きと戸惑いが、冷静さを持って行ってしまったのだ。

「おまえがアリスになりたいのは知ってる……でも僕はおまえとしたい!」

 JUMは薔薇水晶をぐいと抱き寄せた。
「そ、そんな……あ!?」
 その拍子に着ていたTシャツの裾が捲くれ、太股がきわどいところまで出てしまう。
 考えてみれば、昼に巴から貰ったTシャツ一枚のままだ。
 代えが無いから下着も穿いていない為、下は明き放題かつ触るに安易という危険な状態。
 はっきりと身の危険を感じて、体を縮こませる。
 薔薇水晶の頭の中では、右翼の街頭宣伝車が奏でる『出征兵士を送る歌』並みの音量で

『襲われる! 触られる! 汚される!』

 盛大にalartが鳴り響いていた。