|
シカは何を食べているのかな
ようこそ、宮島にいらっしゃいました。風光明媚な自然、そして世界遺産の島・宮島に着き、船から降りると一番先に
わたくしたちシカのお出迎えを受けてビックリされたことと思います。
わたくしたちシカの名前はニホンジカと言い
宮島には6千年も前から暮らしています。
明治に入り観光客が宮島に訪れるようになると「神鹿」と呼ばれ、町民からかわいがられ残飯を貰ったりして大切
にされた時代もありましたが、戦中戦後にかけては仲間たちがずいぶん殺された時代もありました。でも、今では
300万人近い観光客が訪れるようになり美味しいお菓子や、弁当の残りを貰うようになり仲間も増えました。
この間、偉い先生のグループに数えてもらったら350頭くらいの仲間がいたそうです。ところが、人間のくれる食べ
物は美味しいのだけど本来植物を主食にしている私たちには体に悪いらしく、最近胃の調子がおかしくなって困って
います。特にお弁当やお菓子の包装のビニール類は胃の中に詰まってしまい、毎年私たちの仲間が苦しみながら死
んでいっています。本当のことを言うとわたくしたちは山に帰って自然の中で本来の草や木の芽を食べて健康に暮
らしたいのだけど、ついつい楽チンをしてしまうんだよね。
わたくしたちの事を少し詳しく書くネ。
名前は前に言ったとおり、ニホンジカと言います。仲間はベトナムや極東アジアにも棲んでいるそうです。
分類すると、偶蹄目シャカ科に入るらしく、オスには角が生え体はメスより一回り大きいのが普通です。本来、森林や
草原に棲み美味しい食べ物が貰えなければ、街の中には出てこないんだけどナー。普段はオスとメスは別々の群れを
作っています。赤ちゃんは初夏に1〜2頭生まれます。オスの角は毎年春先に抜け替わります。鹿の子(かのこ)模様と
言って、よく、茶色に白い斑点が付いているけど、あれは夏服です。冬になると灰褐色の地味な服に着替えます。
《解説》
シカは本来、植物性の草や木の芽をたくさん食べて胃の中にあるバクテリアの働きによって、健康な体が作られます。
しかし、今のように人から与えられる高タンパク、高脂肪で塩分の多い食品をとり続けると胃で造られるバクテリアが
充分機能出来なくなります。おまけに餌と一緒に食べられるビニール類や消化が出来ない異物などが胃袋につまり
健康を害し、雄シカの角が貧弱な個体も多く見られます。人との共存も程ほどにしないと、シカの糞尿による衛生上
の問題、雄シカによる人への被害、交通事故など問題が頻発しています。何頭のシカが街中にいるのが適当なのか
難しい問題ですが、出来るだけ本来の森での生活を取り戻し、人とシカとがバランスがとれ、宮島に来られる観光客の
皆さんに自然な姿で受け入れられる状態になるのが理想的な姿だと思われます。
 |
 |
 |
| 宮島のニホンジカ |
シカの胃袋 |
ビニールや異物を食べた胃袋 |
|