☆選盤考☆
凡例:アーティスト名「タイトル」(オリジナル発表年)(レーベル名 商品記号)短評
Gimmicks ”Brasilian
samba” (1970)
(UNIVERSAL
UICY−3237)
70年代、スウェーデンのグループ。簡単に紹介すると、
ABBAが、サイケデリック時代にブラジルに行ってしまったような音。
本人達は、セルジオ・メンデスを目指していると
公言するが、良くも悪くも甘いセルメン。
2001年秋、世界初CD化された一品である。
ワルター・ワンダレイ
「サマーサンバ」 (1966)
(VERVE /
UCCV-9016)
ボサノヴァ・オルガンの代表的プレイヤー、ワンダレイが、
アメリカ市場に向けて製作したアルバム。FPMや小西康陽など
国内で現在活躍しているソノ手の人々に影響を与えた。
生きてることに「潤い」を与えてくれる音。
原田知世 「Summer
breeze」 (2001)
(FORLIFE /
FLCF-3868)
知世の2枚目のカヴァーアルバム。前作「カコ」では
50年代のポップスを歌ったから、今回は60年代とは本人の弁。
キャロル・キングetcの爽やかな佳曲を、プロデュースも担当したゴンチチの
演奏に乗せて2倍爽やか。パティー・オースチン「Say
You Love Me」、S&G
「スカボローフェア」など。知世の表現力と透明な歌声が幸せなのです。
ユリ・ゲラー
「(無題)」 (オリジナル発表年不明)
(LD&K /
5-LDKCD)
’70年代、スプーン曲げで茶の間をにぎわした超能力者本人による
日本語レコーディング。「むぁがれぃ、むぁがれぃ」とスプーンに語りかける声の
バックにサイケデリック絶頂期の不思議音楽が意外に小気味よい。いわく、
早すぎたヒーリングミュージック。邦訳、日本語指導ミッキー・カーチス。
そのバカに夢心地、その無駄センスにトリップ。
ジグ・ジグ・スパトニック「ラヴ・ミサイル」 (1986)
(EMI /
TOCP-3075)
大英帝国の生み出した、第五世代ロックバンド。
ビートルズ張りに「PURE
SEX」なるブティックも経営するなど、
あらゆる文化現象をスパトニック化することを目的としている・・らしい。
ジャケットには巨大ロボットと日本語で「見せびらかしましょう」。
新しいおもちゃ(MSX)を買ってもらった中学生が作ったような無駄なサンプリングと
「過激な暴力」に彩られたホントウの冗談音楽。
また、世界初のCM入りレコードでもあり、曲間に挿入されたCMが
絶妙にアルバム全体の流れを作っている。
「間」のセンスが良さに、芸人アーティスト魂を。
FORMATIA VALEA MARE 「DEPARTE DE
CASA」 (2001)
(MA RECORDINGS / M060A)
レーベルプロデューサーがパリのメトロで演奏するロマの楽団を発見。
即、契約を取り付けて、オルレアンのゴチック教会でレコーディング。
ロマとは、いわゆるジプシーのこと。金管ばかり10人弱編成の
この楽団「フォルマツィア・ヴァレア・マレ」は、実に1850年の創立。
爾来、異常にハイテンションのロマミュージックと、その超絶技巧を守り通している。
移動サーカス的な、祝祭的な都市/周縁の猥雑性を持つ音の空気。
疾風怒濤、そして哀愁の一枚。
カエターノ・ヴェローゾ 「omaggio a FEDERICO E GIULIETTA」 (1999)
(MERCURY/PHCA-1063)
ヴェローゾが、フェリー二と、その妻で女優のジュリエッタ・マシーナに
捧げたアルバム。当日の不調を思わせない切なくて優しい声。
全てを包み込むように語りかける歌。
ブラジルを代表する歌い手によるライヴ録音盤。
QUELLA VACCH IA
LOCANDA ” IL TEMPO DELLA GIOIA ” (1974)
(BMG
/ BVCM-37428)
イタリアの様式美あふれる、過剰音。
イタリアンプログレッシヴロックのひとつだが・・・
”プログレッシヴ大河ラテンムード歌謡ドラマロック”というのが適当。
もう、そう表現するしかない!
メンバーは行方不明。結成時のことも不明。
やっぱり、大河・・・。
ピチカートファイブ 「ROMANTIQUE 96」
(1995)
(TRIAD/COCA-12886)
90年代の日本 ”歌謡” 界を代表する ”バンド” による ”祝祭” レコード。
祝祭そのものよりも、”移動サーカス”を取り巻く空気を描いたシアトリカルなアルバム。
”メタ” ・シアトリカル? ”メタ” ・コンセプチュアル?
DJ文化・複製技術時代の芸術を駆使し、あっけらかんとセルフパロディにすらする
小西康陽の真骨頂。