AiResearch GTP30 GASTURBINE ENGINE

gtp30 gtp30
GTP30はGarrett/AirReseach製ガスタービンエンジンとしては最小。本来は発電用に使用された。


ガスタービンエンジンについて



ガスタービンとは、「燃料を燃やして発生したガスをタービン(羽根車)にぶつけて回転力を得る機構を内部に有したエンジン」である。
もう少し細かく言えば、吸入された空気をコンプレッサーで加圧し、燃焼室に送り込まれた圧縮空気に燃料を噴射、点火して燃焼させる。こうして発生した高温高圧の燃焼がスをタービンに吹き付け、それによって得られた回転力を、そのまま動力として取り出すか、あるいはコンプレッサーの駆動に用いる構造を有したエンジン、と言える。
「じゃあ、ジェットエンジンとは違うのか?」という質問については、「ジェットエンジンにもガスタービンを用いたものがある」、というのが正しい答えである。例えば、巡航ミサイル(トマホーク等)はジェットエンジンにより推進力を得ているが、エンジン内部にはガスタービンを使用している。しかしジェットエンジンにはラムジェットやパルスジェットといった、ガスタービンを有していないものも存在する(第二次世界大戦中のドイツのV1号はパルスジェットを搭載)。もっとも、現在ではガスタービン式のジェットエンジンが殆どであるが。

ガスタービンエンジンと通常のピストンエンジンとの根本的な違いは、ピストンエンジンの場合、吸入・圧縮・膨張・排気の4つの行程がシリンダー内で繰り返されるのに対し、ガスタービンエンジンでは、これらの行程がコンプレッサー・燃焼室・タービンなど独立した部分で連続的に行われるという点である。

エンジン内部の構造は大体こんな感じ
ひと口にガスタービンといっても、構造によっていろいろ分類される。

<回転軸による分類>
コンプレッサーとタービンが同軸のものを1軸式、コンプレッサー駆動用タービンと出力取り出し用のパワータービンがそれぞれ独立しているものを2軸式という。
1軸式は自動車等に使用されるターボチャージャーを思い浮かべて貰えればよい。よく似た構造である(自動車用ターボチャージャーを加工してガスタービンエンジンを造ることも可能である)。1軸式は構造がシンプルではあるが、応答性や使用回転域の点で問題があり、乗り物用には適していない。
これに対して2軸式は、コンプレッサーの回転が上がり、燃焼がスの圧力が高まってから出力軸が回転し始める。つまり、オートマチック・トランスミッションのトルク・コンバーターの様に働き、低回転時のトルクが大きい。また、クラッチペダルが無くて済むなど、自動車用に適している。

<コンプレッサーの形式による分類>
遠心式と軸流式に分けられる。
遠心式は構造が簡単で、1段で得られる圧力比も大きいが、段数を増やしにくいのでトータルの圧力比を大きく出来ず、比較的小型のガスタービンに用いられた。
これに比べて軸流式は、直列に並べて段数を増やす事で高い圧力比を得られるため、大型のガスタービンに適しており、航空機用はほとんどがこの形式である。
これはコンプレッサーではなくタービン。左が遠心式、右が軸流式
エンジン内部での空気/ガスの流れ
左右にある円盤状の物体は熱交換器(排気の余熱で圧縮された空気を過熱し、同時に排気ガス温度を下げる効果もある)
ガスタービンの主な利点としては、以下のようなものがある。

<1、構造が簡単>
部品点数が少なく、信頼性が高い。
<2、振動が少ない>
ピストンエンジンと異なり、熱エネルギーが直接回転運動に変換されるので、振動の面で有利。エンジンのマウントも簡素化出来る。
<3、出力重量比が優れている>
出力に対してエンジン重量が軽い。特に大出力になる程この傾向が顕著である。
<4、燃料の種類による制約が少ない>
閉じた空間内で燃焼させるピストンエンジンと異なり、開放された空間で燃やす為、ノッキングの心配がない。従って、低質(安価)な燃料の使用が可能。通常使用されるケロシン(灯油)以外にも、ガソリン、軽油、LPG、アルコール、果ては石炭の微粉末等もO.K.
<5、排気ガスが清浄>
完全燃焼させる為、排気ガスに有害成分が少ない。
この他にも、エンジン本体の冷却が不要、慴動部分が少ないので潤滑系を簡略化出来る、等の利点がある。

しかし、このような利点がありながら、なかなか自動車用として実用化されないのは、次に述べるような欠点があり、その克服が非常に難しいからである。

<1、製造コストが高い>
連続燃焼の為、燃焼室やタービン部分は非常に高温となる。また、効率的にも、作動温度は高い方が望ましい。そのため、高温・高圧に晒される部分に、高価な耐熱材料を使用しなければならない。また、タービン/コンプレッサーは超高速で回転するので、加工精度も高くなければならず、その結果、どうしてもコストが高くなる。
<2、部分負荷時の効率が悪い>
ガスタービンエンジンの特性として、熱効率の高い領域の幅が狭く、回転数や負荷が変化すると効率が低下、つまり燃費が悪くなる。
<3、スロットル・レスポンスが悪い>
スロットルの動きに伴って、パワータービンの回転数が変化し、出力が変動するまでタイムラグが存在する。この辺はターボチャージド・エンジンと同様である。
<4、エンジンブレーキが効かない>
これはピストンエンジンとの比較であり、欠点と言うより「特徴」と表現すべきであろう。

これらの欠点の中でも、製造コストと燃費のふたつが実用化の大きなネックとなっていたが、その克服のために、これまで様々な対策が考案されてきた。
例えば、材質面では、これまで一般的だった耐熱合金に代わり、ファインセラミックの採用が進んでいる。耐熱合金では1000℃前後が限界であったが、ファインセラミックは1400℃前後まで耐えられ、30%近い効率Upが見込まれる。
熱効率の改善策としては、熱交換器の設置が有効である。燃焼室に送り込まれる圧縮空気は高温の方が望ましいので、熱交換器を使って排気の余熱で圧縮空気を加熱し、効率を高める(これは同時に排気温度を下げる効果もある)。ただし、ガスタービンの大きな利点である、構造のシンプルさが損なわれるのが難点ではある。
また、エンジンブレーキについては、スロットルを戻すとタービンの羽根の角度が回転を妨げる向きに変化させる等の仕組みが採用されている。

現在、ガスタービンエンジンの用途は発電用がほとんどである。ガスタービンエンジンを搭載した乗り物はヘリコプターや船舶が主なものであり、陸上を走る乗り物は、アメリカ軍のMBT(主力戦車)、M1 Abramsと、旧ソ連のMBT、T80くらいである。
<追記>
と、思っていたら、まだありました! 列車ですよ、列車! やがて来るであろう高速鉄道時代に向けて、ガスタービン列車(ターボトレイン)は各国で大いに注目され、日本でも研究開発が行われました。アメリカ・フランス・イランでは、現在も営業運転しております。

M1A2 Abrams
エンジンはTextrom-lycomming AGT-1500 gas turbine
出力1500rpm/22500rpm(power turbine speed)
T80u
エンジンはGTD-1250 gas turbine 出力は1250ps
輸出向けにディーゼルエンジンを搭載したものもある
T95やチョールヌイ・オリョール(いずれも試作中)も、同じエンジンを搭載している。
kongo 海上自衛隊 DDG『こんごう』型
エンジンはIHI-GE LM2500×4 出力100,000馬力
巡航時はガスタービン2基、高速時は4基使用するCOGAG方式
米海軍のアレイバーク級イージス駆逐艦を基本に国内で製造
艦橋の四方に設置されたフェーズドアレイ・レーダーが外観上の特徴
so26b.jpg 陸上自衛隊 観測ヘリコプターOH- 1“ニンジャ”(川崎重工)
Kawasaki Ninjaといっても、もちろんモーターサイクルではない
観測ヘリコプター0H-6の後継機として開発された純国産ヘリコプター
エンジンは意外にも三菱重工製ターボシャフトエンジン TS1を2基搭載
出力は884SHP×2

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