音の増幅その5 コンソール型ステレオの製作編

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■■■ 音の増幅その5 コンソール型ステレオの製作編 ■■■ 1) レトロなコンソール型ステレオの製作その1 本体編 2) コンソール型ステレオ その2 78回転SP盤再生計画 3) コンソール型ステレオ その3 真空管アンプ(6BM8シングル)製作編
■■ レトロなコンソール型ステレオの製作その1 本体編 ■■ (写真は製作検討時に撮った物でサランネットと脚部は合成です) ●コンソール型ステレオとは? コンソール型ステレオはコンポーネント・ステレオや3点式セパレートセット以前の1960年代前半あたりに あった一体型ステレオ電蓄で、昔のアメリカ映画あたりで小道具として登場しそうなかんじのまだステレオ が電気製品と言うよりも家具に近い時代のオーディオ装置です。 この形はモノラルからステレオの移行期に 作られたらしく一体型の制約の為にステレオ感が得にくい事もありやがて3点式セパレートにその座をゆずって いったようです。 ※ 名称についてはアンサンブル型又はコンソレット型とも呼ばれていた 基本的にスピーカ位置などを含むハードウェアの変更が出来ない形態なのでオーディオ的なこだわりに惑わされる 事なくシンプルにレコードの音楽などを楽しむのには良いのではないかと思い今回製作してみました。 (以下はコンソール型ステレオの細部の特長と今回の製作の為の検討です)
比較
当時のコンソール型ステレオ
今回の製作するシステム
スピーカ 12cmから25cmくらいのフルレンジを後面開放式で
使用、左右スピーカ間も分離されていない物も多い
今回は16cmフルレンジユニットのダイトーボイスDS-16F
を後面開放式で使用
プレーヤ オートマチック、オートチェンジャー式などで78回転
モノラルSP盤なども再生可能な物も有る
手持ちのフルオート・プレーヤ(33/45回転)
フルオート・プレーヤ改78回転対応版に変更
アンプ 真空管アンプ 出力は3〜20W位

LM380アンプを使用
6BM8シングル真空管アンプに変更
チューナ AM/FMチューナ付きあるいはAMのみ

今回は未搭載

箱と脚部 横幅100cm〜150cm位、奥行き30cm〜45cm位
高さ30cm〜60cm位、脚部は20cm〜60cm位で
足を取付けた時の全高はだいたい70cm〜85cm位
家具店で購入した収納付きベンチW930*H365*D440(\3980)
を改造、脚部は40cmで取付け時全高は約76cm

●使用機材 ダイトーボイスDS-16F と 500円ジャンク品フルオート・プレーヤ (AIWA PX-E850) ●製作と資料 既成品の改造なので天板部分と背面板取付け用の穴位置変更等及び内部にプレーヤを載せる為の高さ20cm程の 足がついた横幅一杯の棚を付けたのみで、ノコギリで切ったのはスピーカ取付け用の穴だけでしたから製作 期間は実質半日くらいで完成。 箱の色合いについてはダークブラウンあたりだったらレトロ調になってちょうど良かったのですが残念ながら 明るい色合いの物しかなかったので黒っぽい脚部及びサランネットを取付けると、その外観は妙に現代風で中途 半端なデザインになってしまいました。 試作品外観図 ★試聴: 大昔のLPとEP各種 (歌謡曲、Jazz、ムード音楽他) :音源はレコードプレーヤから。 後面開放箱なので低音はあまり出ませんが人気のある定番16cmフルレンジなので中音域はボーカル物 なども聞き易く小音量時でもけっこうバランスのとれた音です、高音域もピアノやドラムなどの立ち上がり が良く広がりのあるかんじでツィーターも追加する必要はあまりなさそうです。 左右スピーカ間が分離されていないスピーカ・ボックス構造は当時まだ市場に流通していたモノラルLP レコードや78回転SP盤などとの相性も考慮した為なのかもしれませんが、このような構造の為にスピーカ のチェックなどで片側chにだけ音声信号を入れても近くまで行かないと判別がつかないくらい、まとまり のある独特のサウンドが楽しめます。 ほこりを被っていたレコード・プレーヤは復活したし、押し入れの奥にしまってあったレコードも久々の 登場でした、とにかく理屈抜きに音楽を楽しめるステレオ装置です。 満足度85点 ●感想:コンソール型の特長の比較的に大口径なフルレンジSP、後面開放箱、真空管式アンプ、そしてにぎやかな 金色や銀色のモールが入ったアンプ一体型スピーカ・ボックスと言う形は、現在でも普通に生産されている 音響機器の中ではオーディオ機器よりもギター用アンプと共通点が非常に多いですね。 ネットで調べるとステレオ初期に登場してすぐ消えていった方式と言う大多数の意見の他に、聞きやすい 音だったとかボーカル物は良かったなど、いくつか肯定的な意見が見つかるのも後面開放箱の利点である立 ち上がりが早く抜けが良い音とモノラル音源にも配慮したスピーカボックスの構造が好感を持たれたのかも しれません。 ※ これを作るまではオンキョーの2WAY小型ブックシェルフがメイン・スピーカだったのですがコンソール型 ステレオの方がボーカル物は聞き易い上にバスレフ方式などと違ってこもりの少ない、のびのびとした音 なので現在はメイン・システムとして使用してます。 オンキョーD-052TX ☆ コンソール型ステレオ 関連資料のLink 日本ラジオ博物館・電蓄展示室 http://www.ne.jp/asahi/radiomuseum/japan/index-dn.html 60年代のオーディオ http://homepage2.nifty.com/mtomisan/index.html yahooオークション > 家電、AV、カメラ > オーディオ機器 > ラジオ > アンティーク http://list3.auctions.yahoo.co.jp/jp/20020-category-leaf.html?
■■ コンソール型ステレオの製作その2 78回転SP盤再生計画 ■■ ● まえがき: SP盤である。1分間78回転という超高速でお皿を回す太古のレコード盤だ。これ以上の事は今これを書いて いる時点では実は何も判っていない、78回転SP盤を取り扱った事もないし、試聴しようと思っても当然の事 ながら音源自体も再生装置も持っていないので、とりあえずレコード盤の入手から始めなければならない、 楽曲の再生出来る時間も、イコライジング特性も、針はやはり竹で作らないとならないのか?それとも普通 のレコード針でもぜんぜんOKなのかも?現状では不明だ。 (His Master's Voice) ● 78回転SP盤ニカンスル調査トオンゲンノ入手方法。 1)音溝は45/45方式のステレオLPと違い水平振幅でレコード針はクリスタル形カートリッジの裏表切り替え式 のやつで良いらしい、またステレオ用カートリッジでもL+Rに接続する事で再生出来るようです。竹針や 鉄製の針は戦前の巨大なホーンが付いた手回し式蓄音機時代の物で、戦後は電気式蓄音機のクリスタル形が 主流となったようだ。 2) もっとも重要なSPレコード盤の入手先は神保町古本屋街のあたりに昔の中古レコード屋があるらしい? ※神保町の富士レコード社という店でSPレコード盤を調達、予想していたイメージと違って明るくてわり に広めの店内は半分以上がSP盤みたいでクラシック、歌謡曲、ポピュラー音楽など在庫豊富です。 値段の方は700円位からで名前を聞いた事がある歌手の中から笠置シズ子、榎本健一、灰田勝彦などを 比較検討の末にとりあえず1枚だけ購入。 この日は明倫館書店地下で電波実験(1961年発行)という技術系雑誌も購入、管球アンプの記事なども わりに詳しく実戦的だし当時のスピーカやプレーヤの広告を眺めてるだけで楽しいです値段は割高だが 最近の停滞気味のステレオ雑誌を買うよりましかもしれない。 灰田勝彦「春のお嬢さん他1曲」 ●製作と資料 78回転対応の為のターンテーブルの 改造 調整 (実は回転数調整用VR1個の設定変更のみでOKだった) コンソール型ステレオに取り付けたフルオート・プレーヤ(AIWA PX-E850)は78回転に対応していないので付属 モータの制御を改造するか、以前ターンテーブルの自作で試作したステッピングモーターに載せ替える事になる のではないかと思っていたが、プレーヤ裏に回転数微調用VRがあったので、試しに45回転側の微調用VRを 回してみるとあっさり78回転に設定出来てしまいました。 カートリッジとイコライザアンプはプレーヤ付属の物を使用、ステレオ用なのでいったん外部のミキサで モノラルに変換してからパワーアンプ送っています ★試聴: 中古レコード屋で入手した78回転SP盤 (歌謡曲) :音源はジャンク品フルオート・プレーヤ改から さてSPレコード盤をターンテーブルの上に乗せて電源投入、LP盤の2.5倍近い速度で回るレコードはやはり けっこう速く見ているだけで圧巻である、とりあえずカートリッジをのせてみると針飛びしないでなんとか カートリッジは着地成功。 やがてスピーカーから元気が良く前に張り出してくる歌がいきいきと流れ出してきた。A面の「春のお嬢さん」 は、ゆるやかなテンポのノスタルジックな曲調で戦前ジャズ風の伴奏と灰田勝彦の軽い歌い方がマッチして なかなか佳作だった、音はたしかにややナローレンジでノイズも多いが、手巻き式蓄音機に代表されるような 大昔の音のイメージではなく電気式では回転系も安定しているのでLPと比べてもさほど遜色はないです。 追記: 手巻き式蓄音機も電気的に増幅する事なく直にレコード盤の音溝を聞いている訳ですから、また別の意味で 味わい深い音だと思います。 手巻き式蓄音機の最高峰と言われるのが名器クレデンザだそうですが、内部の 音道の構造図を見ると垂直に降りた細い音道から二方向に分離されて、複雑に回析した音道を通ったのちに ホーン開口部でふたたび合成される構造が、長岡鉄男氏の傑作スピーカーと言われるスーパースワンと類似 していて、なかなか興味深いです。 クレデンザの内部構造図 図3 (Link) TANAKA PIANO http://www1.odn.ne.jp/~cbz49420/credenza.htm ●感想: 78回転盤再生の改造となると情報も少ないので予想ではモーター、カートリッジ、イコライザ等を含めた 大工事になるのでは思っていたのですが、まだ中途半端とはいえ、たいした機材の変更もなく回転数微調 用VRを回しただけでSPレコード盤の再生環境があっさり出来てしまったので拍子抜けしてしまいました。 使い勝手は良くないものの、現状でもそこそこ聞けるレベルにはなっていますので、いままで音源として は対象外だった78回転SP盤が聞けるようになった事は大きな収穫でした。 ☆ SP盤再生計画 関連資料のLink ボロンのお部屋 http://www.h2.dion.ne.jp/~boron/contents.htm 富士レコード社 http://www.fuji-recordsha.co.jp/
■■ 3) コンソール型ステレオその3 真空管アンプ(6BM8シングル)製作編 ■■ ●製作と資料 以前試作した6BM8シングルアンプのシャーシをコンソール組込み用として縦型に変更して上面から管球見える 様にしてあります、回路については試作とほぼ同様ですが、ゲイン変更と入力切り替えスイッチ(Auxが3系統) を追加してあります。 試作品回路図ver3 ★試聴: 大昔のLPとSP各種 (歌謡曲、Jazz、ムード音楽他) :音源はレコードプレーヤから。 アンプのゲインが高すぎるらしくゲインを変更、少し音がおとなしくなったような気がしますがボリュームを 回した時の雑音もなくなり安定性も良くなりました。 周波数特性的には、フィードバックなしの6BM8シングルなので中音域の張り出したカマボコ型の周波数特性で たとえばピアノなどでは楽器の音の上澄みの部分をすくって心地よい倍音をのせたような明るく切れのある トーンになっておりボーカル物などもなかなかいけます。 ●感想: 真空管を使用した回路は失敗作も含めて、まだこれで2作目ですが真空管の音・イコール・ナローレンジ で分解能が低いが耳ざわりの良い甘めの音(ウォーム・トーン?)なんだだろうと言う、勝手な先入観と違い 実際は明るく切れが良い音で半導体アンプにまったくひけをとらないサウンドが楽しめました。 ロックやジャズのギターアンプでは、いまだに真空管が愛用されているのもやはり半導体アンプでは出せ ない明るくて線の太い音が支持されている為なのでしょうね。 前頁 次頁
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