| おかげさまで、3月定例佐賀市議会において「ガス事業民間譲渡」の条例案が否決されました!ご支援ありがとうございました。 |

|
木下敏之佐賀市長は、関係団体、労働組合をはじめ多くの市民、都市ガスをご利用いただいているお客様の声を無視し、
今日まで、市民のライフラインである都市ガスを、安定的かつ低廉にしかも、九州の27の都市ガス事業者の中で3番目に
安い料金で供給し、なおかつ毎年1億円以上の利益(黒字)を出している、優良企業「佐賀市ガス局」を、民間に売却しようとしています。 私たち佐賀市ガス労組は、「ガス事業の民間譲渡」に反対し市営ガスを堅持するため市民の有志に働きかけ「公営ガスを守る佐賀市民の会」を 結成しました。 |
| 1、はじめに |
| (画像)全国の公営ガス事業者 |
| 2、ガス事業の民間譲渡を巡る論点(争点) |
| (1) 「坂田私案」で主張されている民間譲渡の理由(メリット) |
| (2) 民間譲渡の理由に対する反論 |
| (3) その他の反対理由 |
| (画像)ガス事業譲渡反対を訴える街宣車 |
| 3、「中間報告」とその後の動き |
| (1) 行革推進会議の「中間報告」 |
| (2) 市当局の動き〜現状 |
| (画像)天然ガス転換について |
| ※参考:熱量変更とは |

|
1、はじめに 佐賀市は、2000年7月に従来の行政機構の見直しを検討する「行政改善懇話会」を発展的に解消し、市長の私的諮問機関 として「佐賀市行政改革推進会議」(以下、推進会議と略)を発足させ、第二回推進会議の場で提出された「坂田私案」を下に議 論を進め、2001年3月21日に開催された第八回推進会議で16項目に及ぶ検討課題に対する考え方を整理し、木下市長に 佐賀市行革推進会議の「中間報告」を提出しました。 佐賀市が行革推進会議を設置した理由は、「平成2年のバブル崩壊以降、税収が低迷しているが、新焼却炉の建設、老人福祉 や少子化対策、地域産業の発展、下水道整備等、実施しなければならない行政施策が山積している。その財源を生み出すための 手段として行政改革を進めて行きたい」(推進会議での市長挨拶)とされ、推進会議でその具体的な施策の在り方を検討するこ ととされてきました。 この要請に基づき、推進会議に提出された「坂田私案」の内容は、ガス事業の民間譲渡(売却)を始めとして、ゴミ 収集作業、ゴミ清掃工場の管理委託、学校給食、運転手付き公用車、電話交換、保育所等々を直営から民 間委託や嘱託員に切り替えるとされるものでありました。 私達佐賀市ガス労働組合は、「坂田私案」に盛り込まれた「ガス事業の民間譲渡」には、多くの問題があることを「見解」と して明らかにし、推進会議の場で十分な論議を進めるように要請してきました。しかし、このような私達の努力は無視され、 「佐賀市行革推進会議『中間報告』・案」では、条件付きではありますが「ガス事業については、民間譲渡を有力な選択肢とす べきである」とされる結果となりました。 佐賀市は、行革推進会議の「中間報告」を受けて市の内部に「ガス事業問題検討委員会」(助役を筆頭に企業管理者(ガス局水道局・交通局)・部長等で構成)を設置し、「民間譲渡を有力な選択肢とすべきである」とされたことを受けて、最終的な市の 態度を決定するための論議を進めてきました。しかし、これまでの経過では、推進会議の「中間報告」に「当該関係者との十分 な意見調整を図ること」「市民に対して積極的に情報公開を行うこと」「反対意見も十分に尊重すること」とされているにも関 わらず、推進会議の報告を無視し、ガス局の民間譲渡を行なう市の方針を決定し、市長は一方的に民間譲渡を行なっていくこと を7月24日マスコミに公表しました。 以上のことから、私達佐賀市ガス労働組合は、事柄がガス局に働く職員の身分や労働条件の問題に止まらず、佐賀市ガスを利 用して頂いている市民全体に関わる重要な問題であると受け止め、市民の皆さんにも広く訴え、民間譲渡反対の取り組みを進め てきたところであります。 |
![]() 全国の公営ガス事業者 |
2、ガス事業の民間譲渡を巡る論点(争点) 佐賀市行革推進会議でのガス事業の民間譲渡を巡る主要な論点は次の通りであります。 (1) 「坂田私案」で主張されている民間譲渡の理由(メリット) ?熱量変更作業には一時的にではあるが多額の費用と多くの人員が必要となる→従って、今後の市営ガス事業の経営が困難に なるのではないかとの指摘と考えられます。 ?市ガス事業は、安定的黒字経営であるが、今後、規制緩和などによる環境変化が予想される→上記理由と同じく、今後の安 定経営に対する疑問と考えられます。 ?譲渡時期は、経営が安定している現時点が絶好のタイミングである。 ?民間に譲渡することにより、事業税、固定資産税、都市計画税や導管敷設に伴う市道占有料などが徴収できる。 ?ガス料金については、譲渡先に安定した大規模事業者を選択することにより、将来的なガスの安定供給と良心的な料金体系 が期待できる。 ?ガス局は、黒字経営でありながら、一般会計への繰入れがなく予算的影響がない。 ?行革の一環として行政のスリム化が図られる。 従って、この私案は一つに、市民の要望を踏まえた市政の全体像がまったく示されず、行政執行の効率性のみを追及した一面 的な提言であること。二つに、三割自治に象徴される国と地方の税の配分のあり方などの根本問題が欠落したコスト論一辺倒の 行革提言になっていること。三つに、これまでの佐賀市行政の経過と労使関係を一方的に否定したものであることなどであります。 (2) 民間譲渡の理由に対する反論 私達佐賀市ガス労働組合及び、推進会議委員の「坂田私案」に対する反対意見、反論は次のようなものであります。 ?について〜熱量変更事業には、38億円強の費用が掛かりますが、佐賀市ガス局では、これまでの蓄えと年間1億4千万円程 度の黒字で長期的には料金値上げをしなくとも十分に返済が可能と言う計画で準備を進めています。「多くの人員が必要」とい うことにつきましても、平成5年に九州の都市ガス事業で組織する「熱量変更共同化事業」に参加し、相互協力と云う事で職員 の派遣を行って、九州管内のガス事業体からの応援によって対応できるものであり、新規採用などは必要のない状況にあります。 「坂田私案」は、このような実態を全く知らずに出されたものであります。 ?について〜規制緩和については、既に実施されていますが、新たなガス事業への参入は殆ど進んでおらず、新たな見直しが 検討されていますが、それによっても大きな変化は生まれないのではないかというのが業界の共通した認識となっています。 ?について〜佐賀市ガス局では、事業管理者と職員が事業の効率的な執行や人員配置、営業活動に一生懸命努力し、毎年黒字 の安定経営になっています。その安定経営を理由に「黒字のうちが譲渡の絶好の機会」とされたのでは努力は「無」になります。 ちなみに、最近民間に譲渡された中津市では、赤字経営を理由に民間譲渡が進められたとのことであり、「坂田私案」の主張 は、「始めに民間譲渡ありき」で民間譲渡のためにはどんなことでも理由にあげるというものでしかないと言えます。 ?については、確かに指摘されている通り、ガス事業を買収した企業が黒字を出せば市の税収は増えることになります。しか し、それらの「税」は、ガス事業を進める上での必要経費でありますから、当然、ガス料金に含まれ、ガスを利用している市民 の皆さんの負担が増えることになります。ガス事業は、市民生活にとって欠かすことのできないものであり、市民生活を顧みな い主張であると言えます。 ?について〜ガスの安定供給と良心的な料金体系が期待できると言う主張は、希望的観測ではあっても、現実には極めて困難 と言えます。それは、公営ガス事業を民間に譲渡した都市の多くでガス料金が値上がりしている事実に示されています。 民間の場合は、当然ですがその性格上、利潤を追求する必要性が求められますAどうしてもコスト論により料金が左 右される危険性があり、しかも、利潤が上乗せされることから、現行より高くなるのは必死であります。 そのことは、民間譲渡する場合の条件に、2年ないし1年は料金を据え置くことが盛り込まれることでも明白であります。逆 に言えば、期間が過ぎれば値上げしなければならないことを示しているものです。 公営の場合は、住民福祉、即ち公共サービスを基本としていることから利潤は問いません。現在のところ、市ガスを利用して 頂いているお客様の理解と協力を得て、また、ガス事業に働く者の懸命の努力で黒字経営を行っています。それでいて、九州内 でも安い価格を維持しています。 ?について〜これは、坂田氏が公営企業の決算を理解していないこ とに原因があります。公営企業は、料金・使用料で事業を賄う「独立採算制」で運営されていますが、それらの事業は、市民 生活にとって欠かすことのできない事業であることから、安全・安定・低廉にと言うことを基本原則にしており、「儲け主義」 を排除し、大きな黒字になる場合は、料金を引き下げるなどで市民に還元する仕組みになっています。 従って、黒字が出たと言って一般会計に繰り入れることはできない仕組み(制度)となっているのであります。 ?について〜行革の一環として、行政のスリム化が図られるとしていますが、これも行革といえば何でも良いという発想であ ります。行政として必要なものはしっかりと取り組むことが大切であり、安定的経営にあるガス事業も当然のことであります。 (3) その他の反対理由 佐賀市民にとって地元にどう影響するかも大切な問題であります。佐賀市が発展するためには、どうしても地元の産業を育成 する必要があり、それも大企業だけではなく、個人経営も含めて中小企業の発展が必要不可欠であると思います。それが、市税収 入の確保は勿論、市全体が活気づくことになります。 ?地場産業への影響が懸念されること。 プロパンガス業界やガス局に参入しているガス管工事会社の仕事が買収した企業に集中することになり、地場産業が解体され、 失業者が増大すること。 市長は、推進会議の設置の挨拶の中で、「地域産業の育成」に言及していますが、民間譲渡された場合、民業の民業に対する 圧迫が進み、地元プロパン業界は大打撃をこうむる事は明らかであります。大店舗が進出した地域で地元商店が閉店に追い込ま れている実態を見ても容易に予測されることであります。 ?「中間報告」では、民間に譲渡した場合、譲渡益は教育や下水道整備などに振り向けることができるとされていますが、民 間譲渡した他都市の場合、資産価値を大きく下回る価格でしか売却できず、企業債などの負債を市の一般会計から持ち出してい る状況もあります。むしろ、資産価値以下でしか売却できなかった場合の責任は誰がとるのかという問題が発生する状況にさえ あります。 ?加えて、佐賀市ガス局のプラント(ガス製造工場)や管網は、ガス料金で築いた「市民の財産」でありますが、それを売却 して市が譲渡益を財政に繰り入れることは認められるのかという問題もあります。 ガス事業は、水道、電気などと共に生活するのになくてはならない重要なライフラインであります。よって、単に事業を行う だけではなく、住民のための福祉施策も求められています。 民間の場合は、利潤追及し採算性を重要視することから、当然、福祉は二の次にならざる得ません。まして、弱者救済的な処 置が取られる可能性は低いと考えられます。 公営の場合は、公共サービスという性格から事業推進にあたっての目的のひとつであり、福祉施策は当然であります。また、 市議会や住民のニーズに応えることから、弱者に対する対応や市議会や住民の理解を得て適正に行われます。 |
![]() ガス事業譲渡反対を訴える街宣車 |
|
3、「中間報告」とその後の動き (1) 行革推進会議の「中間報告」 「中間報告」では、行政改革の具体的進め方として、?当該職員の配置転換や、関係団体との調整に当たっては、十分意見聴取 し、市民サービスに支障がないようにすること、?市民に対し積極的に情報公開を行い、説明責任を怠らないこと、?反対意見に ついても十分に尊重することとし、ガス事業の民間譲渡については、次の通りの方向が示されています。 結論の前提としては、?現状は、エネルギー変革の時代であり、石油、電気、太陽光など様々なエネルギーが存在する中で、市 民が自由にエネルギーを選択できる時代になってきている。?ガス事業は、民間と競合している分野であり、既に民間に移行して いる自治体でも安定したサービス提供が行われており、安心・安全性の問題も起きていないことなどから、必ずしも市で行わなけ ればならない理由はなくなってきている。?ガス事業は、大幅な規制緩和が進むことは必至であり、38億円程度の熱量変更事業を 実施した場合、従来通り安定した経営とサービスが維持できるかの保障がない。?ガス事業を民間譲渡した場合、その売却益は、 下水道の整備、教育施設の整備など、今後の佐賀市の重点施策を進めるための貴重な財源として効果が期待できる。 以上のことから、結論としては、「公営ガス事業の今後の在り方として、民間譲渡を有力な選択肢とすべきである」と報告して います。 尚、反対意見として、?ガス事業は、市民の間に定着しており、民間に譲渡する理由に乏しい。?公営企業の場合、議会の関与 などで透明性が確保される。?熱量変更事業も、内部努力で値上げなしで実施できる。?職員の配置転換を一気に行わなければな らず、受入れ職場が確保できない。?民間譲渡への論点が不十分であり、譲渡後の経営がどうなるのかはっきりしない段階であり、 受益者等の意見聴取がされていない現状の中では、まだ検討を要する課題であり、時間を掛けた論議を行うべきである。?今後、 関係者を交えた検討委員会を設置すべきであるの6項目が付記されています。 (2) 市当局の動き〜現状 このような「中間報告」を受けて佐賀市は、「広報」で「中間報告」の内容を明らかにすると共に、ガス事業に関わっては、市 の内部に「ガス事業問題検討会」を設置し、市としての最終的な結論を出すための検討を進めてきました。そして、7月13日に 開催した第7回ガス事業問題検討委員会では、「慎重に検討すべきである」「公営事業として維持して行くべきである」との意見 が出されているにも関わらず、「ガス事業については、官民の役割分担を踏まえ民間に譲渡すべきである」という形で強引に「ま とめ」を行い行革推進本部に報告する扱いとされました。 このような経過を受けて開催された7月23日の行革推進本部の会議では「ガス事業問題検討委員会」の報告を承認し、マスコ ミ等に公表しました。しかし、このガス事業問題検討委員会の設置経過と結論を出すに至る論議内容はおよそ「推進会議」の「中 間報告」の趣旨を無視したものであります。 「中間報告」で「検討委員会の設置」が提言された背景は、公営ガスの民間譲渡という重要な問題に結論を出すためには、ガス 事業に精通した専門家による論議・検討が必要だという主旨であります。 そうであるが故に、「今後関係者を交えた検討委員会を設置」して、関係者を含めること、そして、関係団体からの意見聴取の 必要性を明らかにしているのであります。しかし、佐賀市が設置した「ガス事業問題検討委員会」は、関係者といえばガス事業管 理者のみであり、それ以外は、市長が任命した事業管理者と部長クラスのみというものであります。これでは、「ガス事業は今後 公営でやって行くつもりはない」と公言してはばからない市長の意に反する結論の出ようのないアリバイ作りのための検討委員会 といわれても仕方がない代物であります。 結論に至る論議経過でも、論点として「熱量変更事業に38億円余の財政を投入した場合、現状の安定経営が維持できるか」 「規制緩和が進む状況の下で、公営事業で対応して行けるのか」などについて論議が進められたとされています。 しかし、この論点は、いずれもガス事業管理者がガス局で作成した資料に基づく説明で、公営で事業を進めていくことに支障が ないことについて大方の理解が得られたと伝えられています。しかも、関係団体からの意見聴取として行なわれたプロパンガス協 会、ガス承認工事店共同組合代表の意見は、いずれも民間譲渡に強い反対の意思が示されたといわれています。 このような実態にも拘らず、「ガス事業問題検討委員会」は、意見聴取した関連団体に何等の事情説明もなく、「官民の役割分 担を踏まえる」という理由のみで「民間譲渡」の結論を出したものであります。 これらの経過は、誰の目から見ても「中間報告」の趣旨を踏まえたものとはいえず、市民や関係者の理解も得られないものとい えます。 そして、この「ガス事業問題検討委員会」の方針決定を受けて7月23日に開催された佐賀市行革推進本部(本部長・木下市長) は、「ガス事業問題検討委員会」の方針を承認し、マスコミ等に公表するところとなりました。 公営ガスを民間譲渡するという論拠が議論を進めるほど、希薄になっているにも拘らず、「民間譲渡」を決定した行革推進本部 の態度は到底容認できないものであります。 |
![]() 天然ガス転換について |
![]() 3月議会の開会日に朝ビラを配布する市労連組合員 |
|
※参 考 熱量変更とは 国の政策として、経済産業省が2010年までに進めているガス熱量の高カロリー化計画。都市ガスを、液化石油ガス(LPG) から、供給先の国情が安定し加工もしやすい液化天然ガス(LNG)に替える。佐賀市は現在5C(1立法メートル当たり4500キ ロカロリー)だが、13A(同11000キロカロリー)に変換する。11000キロカロリーに全国統一すると、現在は転居した 都市によっては必要なガス消費機器調整(コンロ、湯沸器、給湯器、風呂釜)などの手間も省ける。 |