市会議員によるヴァンガートン問題状況報告



市会議員による
ヴァンガートンヒルズ問題の状況報告
〈2003年11月7日付〉


遅々としてすすまないヴァンガートンヒルズのゴミ汚染問題について、
ある市会議員の方が事業者および市行政に対して質問・取材をしてくださり、
その結果を公表してくださいました。

市会議員さんの承諾を得てその「市政レポート」
(=議員さんの活動報告としてすでに世間に配布されているもの)を以下に転載させていただきます。

私たち“一介の住民”に対しては明確な回答をしない市行政(や事業者)も、
議員さんの問いには答えをくれているようで、その意味でも大変貴重なレポートです。

〈市議会報告〉

鷺沼ヴァンガートンヒルズの
土壌汚染処理、メド立たず

住民の反対を押し切って進められた高層マンション建設の現場から汚染された土壌が出土して以来、その対応策が検討されていますが、いまだ対応策がまとまらず、住民への説明も中断されたままとなっています。「どうなっているのか」と心配している住民も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、改めて、事業者および市の担当局に話を聞きました。

「対策について決められない。住民に報告できる段階ではない。」

11月4日、東急不動産に対し、土壌汚染・水質汚染の処理方法、実施時期、工事の進め方、住民説明について問い合わせを行いました。担当課長は「対策については、まだ分からない状況。水質汚染については、周辺への影響がないか月2回調査を行っているが、影響は出ていない。水が滞留しているようだ。」と現状を語りました。住民への説明については「現時点では7月の住民説明会でお示しした以上の事は報告できる段階にはない。」と答えました。

「調査方法も含め検討中であり、ことによっては長期化もある。」

調査に時間がかかっている理由については、「複合汚染であるため」と答えています。汚染土壌については「(対策として)掘削・削除が考えられるが、土量が5万6千立方メートルもあることが問題」、水質汚染については「中和などの対策が考えられるが、安全性の確認には時間を要する」とし、工事の進行と絡んで対策に苦慮していると思われます。「調査の方法も含め、検討をしており、1〜2カ月で結論を出せる状況にはない」としており「長期化することもある」との見方を示しました。いずれにしても、安全性の確認が必須であり、対策の有効性が確認されるまで工事の再開はしないか、の問いに対して「その通りだ」と答えました。「住民への説明がないまま、工事を再開する事はない」という事業者の回答でした。

【川崎市行政の回答】
鷺沼ヴァンガートンヒルズ建設現場における土壌汚染対策について

(※市会議員さんが川崎市に質問をし、下記の回答を文書にて得たとのことです)

さきにお問い合わせのありました事項につきまして、川崎市として次の通り回答させていただきますのでよろしくお願いいたします。

【議員からの問】鷺沼ヴァンガートンヒルズ建設現場の汚染土壌処理対策は?
【行政からの答】汚染土壌処理対策につきましては、7月6日に開催されました住民説明会で、事業者から処理対策として、掘削除去、現場封じ込め、原位置浄化等の方法が示されましたが、現在、これらの方法について検討を行っているところであるとのことです。

【議員からの問】地下水汚染処理対策は?
【行政からの答】地下水汚染処理対策につきましても、事業者が検討を行っているところでございますが、揮発性有機化合物(トリクロロエチレン等)により汚染された地下水の浄化方法の一般的な例として (1)酸化剤により分解する方法(酸化剤を注入井戸から注入し、汚染物質と反応させて分解浄化する方法。酸化剤は下流側に設置した井戸から回収) (2)鉄粉により分解する方法(地下水流の下流側に、鉄粉=零価の鉄=と適当な骨材を調合した還元剤を地中に連壁状に充填して、浄化壁を設け、地下水がここを通過することにより汚染物質を分解浄化する方法) などがあります。

【議員からの問】土壌汚染対策が完了したことの確認の時点および確認方法は?
【行政からの答】土壌汚染対策法に基づく土壌汚染の除去の方法として、汚染土壌の掘削による除去を実施する場合、その実施方法および土壌汚染対策が完了したことを確認するための地下水の観測方法について、次のように定められています。
(1)汚染土壌を掘削し、掘削された場所を汚染土壌以外の土壌で埋めること。
(2)溶出量基準に適合しない特定有害物質による汚染状態にある土地では、(1)で土壌の埋め戻しを行った後、埋め戻しを行った土地に一つ以上の観測井を設け、1年に4回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が
2年以上継続する事を確認すること。ただし、現に地下水汚染が生じていないときに土壌汚染の除去を行う場合にあっては、地下水汚染が生じていない状態を1回確認すること。となっています。

 

市行政、高層建築物の許可基準を、周辺の環境を考慮したものへと見直し

インターネット情報等でご存じの方も多いと思いますが、川崎市では鷺沼の問題などを教訓に、地区に定められた高度以上の建物を建設する際の許可基準を「従来の敷地単独での許可判断に加え、周辺環境との調和や周辺環境への貢献度を軸に、周辺環境からの妥当性基準を策定し、許可判断する」という新たな基準を創設します。
公開空地などによる許可基準も改定し、「公開空地の種類の限定や建築物の圧迫感の低減に対する定量的な判断基準を新たに加えることを軸に改正する」としています。

市民のみなさんの声で、このように行政を動かしたことは、大きな成果ではないでしょうか。


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