「鷺沼ヴァンガートンヒルズにおける土壌調査の報告」
と題して、
事業者が近隣住民に対して
説明会を開催しました。

2003年76日(日)、工事現地に隣接するサレジオ幼稚園のホールを会場として開催されました。

事業者側からは東急不動産3名、三菱商事2名、新日鉄都市開発2名、大林組2名、
土壌調査のコンサルティング会社と紹介された「国際航業」1名、他紹介されなかった者含め全20名程が出席。

A3サイズの紙にそれまでの調査結果をしめす「ゴミ混じり土の分布図」
「基準値を超える汚染土壌が見つかった地点の図」
「ボーリング調査をした結果の土壌の写真」等をまとめた資料が、
住民の各手元に配られた上で、説明会が行われました。

会場には新聞各紙の記者や、市会議員も出席し、
その発表内容の一部は翌7月7日(月)の各紙朝刊地方版にて報道もされました。

 

事業者による発表の主なポイント

状況の概要

建物建設のための基礎工事を実施中、敷地の一部の土中にガラ混じり土(陶器、ガラス、木片ゴミ等が混入した茶色土)があることが判明。

土壌調査をしつつ、さらに掘削工事を行っていたが、さらにその下の地層の一部から黒色ゴミ混じり土が出てきたため、工事を中断し、土壌汚染の有無を調査。

この黒色土が、土壌汚染対策法に示された土壌汚染の判定基準値を超える物質を含むことが判明。この土壌汚染が原因とみられる地下水汚染も発生していることが判明。

ゴミを含んだ土の総量は(あくまで現段階での推定値だが)5万6千立方メートル

この敷地の土地利用履歴も40年以上にさかのぼって調査したが、ここはもとは学校用地であり、その以前は農地および林地であり、土壌汚染発生の懸念がある工場や事業所があった履歴は無い

事業者呈示資料 (国土地理院の定期観測で撮影していた航空写真)

1961年時点 現地に隣接する東名高速道路もまだ開通しておらず、現地を含む周囲はただの林+窪地。
1966年時点 東名高速道路の工事が開始した頃。現地は相変わらず林+窪地。
1971年時点 東名開通。4丁目内の各住宅ができはじめ、サレジオ学院の校舎も作られはじめている。
1984年時点 校舎およびグラウンドが完成。同校の体育館の基礎工事中。
1987年時点 体育館およびテニスコートが完成。サレジオ教会も姿を現している。

こうした土地利用履歴の中の、いずれかの時点にこの地に持ち込まれたゴミが原因となって土壌汚染が発生したと推測される。(持ち込まれた時期はいまだ特定できず)

汚染状況

◎ 汚染の範囲  建設現地の西側 = 市道鷺沼72号線側の一部分に集中していることが判明。
※市道鷺沼72号線の位置についてはこちらのイメージイラスト図をご参照のこと。
汚染土が存在する深さは地表(掘る前の地面)から地下数m〜15mほどの深さまで。
その下の基盤となるローム(粘土)層の「斜面」にななめに乗っかる形で分布。
「土壌」の汚染 主に、「鉛」「トリクロロエチレン」「シス-1,2-ジクロロエチレン」。
この三物質よりは低濃度ながら「砒素」「ホウ素」「フッ素」「六価クロム」も。
ダイオキシン類の濃度は、土壌環境基準内とのこと
「地下水」汚染 建設現地外周部に設けた観測井戸では、地下水環境基準を満足。
しかし建設現場
内部(=土壌汚染が判明した範囲内)の観測井戸から環境基準を超える「トリクロロエチレン」「シス-1,2-ジクロロエチレン」を検出。
つまり現時点では、地下水汚染は建設現地の内部のみに限定されている様子

今後の対応

現在、さらなる詳細調査(有害物質を含む土壌および地下水の、正確な分布・内容の調査)を進行中。

その詳細調査の結果が判明した後、具体的な対策を模索し決定する(川崎行政と相談しつつ)。

また、詳細調査の結果は、8月上旬くらいに再度、住民説明会を開催して説明する。

建物建設は、汚染対策の方法が決定して、実際の措置が完了するまで工事をとめる。(当然、来春3月入居開始などとしていた予定もすべて中断)。 ※計画中止との説明はされず。 

ただし、工事行程上「いますぐ工事を止めてしまう」と、固定されていない鉄骨・壁面・床面などが危険なままになってしまうので、こうした物を安全上問題のない状態に仕上げるための工事作業はいましばらく継続する。この作業が終了するのが、およそ7月中旬くらい。それ以降はこの建設現場内でのすべての工事をストップさせる。

土壌汚染対策法の趣旨に沿って、考え得る対策措置としては掘削除去(汚染した土をすべて掘り出して除去する)、封じ込め(汚染土をなんらかの方法で建物の下に固めてしまう)、現位置浄化(固めるのではなく、その場所のまま薬剤中和等の方法で浄化する)といった方法が考えられるが、どういう方法にするかは、前述の通り未定。

具体的な対策方法が決定するまでの暫定措置として、掘り出して地表に露出した土が風で飛散しないようブルーシートで覆ってある。このブルーシートは、降雨時に雨がしみこんで、地下水などで汚染物質が流出しないための配慮でもある。 ※但し、このブルーシートで完全に雨水の染み込みを防げるか、については事業者は明確な回答を避ける。

また、(前出の汚染エリアの項目でも既に説明したように)地下水汚染は敷地内の部分に限定されているが、この汚染地下水の流出を監視するために敷地の境界部分に観測井戸を複数設け、今後も定期的に「汚染水が敷地外に流れ出ていないかどうか」の調査をつづける。万が一、流出が判明した際には、近隣住民に早急に連絡をする。

汚染が確認されたエリア(市道鷺沼72号線側)現況写真('03年7月6日撮影)

〈サレジオ幼稚園側から撮影、正面は東名高速道〉

掘り出され地表に晒された土部分がブルーシートで覆われている様子がよくわかる。
事業者はゴミ混じり土出現後工事を進行させていたため、すでにコンクリートが流し込まれている部分が少なからず有る。この、コンクリートですっかり固められて建物基礎ができあがってしまった部分の真下にも汚染土の分布が確認されているとのことです。

下記の追加写真をあわせて見ても、ここまで掘り下げるまで汚染がわからなかったのか、そして、その汚染された土層があるという部分をここまで“掘り出して”しまったのか、それをなぜ丸々3ヶ月間も近隣住民に連絡ひとつよこさずに済ませたのか、飛散防止というブルーシートの効力はどこまで期待できるのか、不安と心配そして疑問がわきあがります。


※ちなみに、事業者はいまも住民・マスコミ・市議会等の現地への立ち入りを堅く拒絶しているため、こうした写真の撮影は困難な状況です。これらの掲載写真は、『守る会』に賛同くださる市民グループ有志の方が、仮囲いの外側から苦労してこの貴重なアングルをねらって撮影してくださったものです。
〈追加写真1:正面にサレジオ幼稚園園舎、右側立木は東名高速道との境部分↓〉

〈追加写真2:東名高速道に近い側を撮影↓〉

説明に対する住民からの質問と、事業者からの回答(要旨抜粋:順不同)

【住民質問】この土地の開発をするにあたって、事前にボーリング調査を十数カ所もしていたはず(環境アセスの「準備書」等に記載済)、基礎工事時にも掘削をしていたはずだが汚染がわからなかったのか。そのうえ、それに気がつかないまま、汚染土を地表近くまで掘り出してしまったのか。

【業者回答】この計画では、環境アセスのこともあり、たしかに事前に土質調査は行っていたが、汚染には気がつかなかった。杭打ち工事等も行っていたが、その工程でも汚染土の存在はわからず工事をすすめた。


【住民質問】黒色土が掘り出されたのが4月初頭と説明があった。いままで住民側から再三、状況説明の要求をしていたのが、本日(7月6日)になるまでほぼ丸々3カ月間、何の対応もなかったのは何故か。

【業者回答】調査に時間がかかった。ことの実態がある程度わからないまま中途はんぱに説明をするわけにいかなかったので、ここまで時間がかかってしまった。

【住民返答】それにしても「いま調査中」とか、その調査の進展具合の報告など、経過をしめすアナウンスはできたはずだ。どうしてそれが一切、なんの連絡すらなされなかったのか、理解に苦しむ。


【住民質問】いまなお「詳細な調査を進行中」、そしてそれが完了して再度住民説明会を開くのが8月上旬くらいの見込み、と説明があったが、それまで有害物質の対処(暫定対処も含めて)などはしないのか。しないとしたらそれは何故なのか。

【業者回答】それまでの対処として、汚染土が風等で飛散しないようブルーシートで地表を覆っている。「詳細調査」は、汚染範囲のより詳細な確認のためと、汚染物質のより詳細な確定のための調査であり、この調べが済んで「どんな種類の物質が、どの範囲に分布しているのか」を正確に把握しないと、具体的な対処をすすめられない。


【住民質問】工事が進んで既にコンクリート躯体ができあがっている部分の下にも汚染土層がある、と説明があったが、そのコンクリートを剥がしてでも汚染土を撤去するのか。

【業者回答】これからの「詳細調査」の結果を待ってから、その方法自体を検討する。剥がして撤去しなければならないかもしれないし、剥がさなくても対処できる場合もあるかもしれない。今は回答はできない。


【住民質問】汚染地下水の、敷地外への流出の危険を監視するために敷地外周部へ観測井戸を設けて定期的調査を継続するとあったが、どのくらいの頻度で行うのか。

【業者回答】いまのところ「月に2回」を予定している。


【住民質問】この敷地内の地下における、「地下水の流れ」の実態は把握しているのか。

【業者回答】おおざっぱには把握している(図を示して説明あり)。詳細は調査中である。


【住民質問】7月中旬くらいに工事を全面ストップすると説明があったが、せめてその後でいいから、住民や世間に現場を公開しないか。

【業者回答】検討する(この説明会の場では即答できない)。


【住民質問】この鷺沼エリアのみならず、土橋や美しが丘や、東名高速道をはさんで隣接する犬蔵地区のすべてに対して井戸水を(飲み水に限らず、生活雑水や農業用水なども含め)利用している世帯がないか、確認をする必要があるかと思うが、そういった調査はしているのか

【業者回答】……していない。そういった調査が必要かどうか、まず検討する。

この最後の質疑応答に関連して…

鷺沼および鷺沼4丁目に近接する区域(土橋、犬蔵etc.)にお住まいで、なんらかの形で生活に井戸水をご利用されている方がいらっしゃいましたら、事業者(代表幹事社:東急不動産)もしくは川崎市役所、もしくは当『守る会』宛へご連絡ください。

事業者の "個別聞き込み調査" はすぐには実行されない可能性があります。このホームページ情報をご覧になったら、まず早急にご連絡を入れてください。ぜひともよろしくお願いいたします。

※『守る会』にご連絡をいただいた場合、当会が実際の汚染調査など行動を起こすことはできませんが、関係する各部署にすみやかに連絡取り次ぎをさせていただきます。



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