(仮称)鷺沼4丁目プロジェクトに係る
『環境影響評価に関する条例に基づく公聴会』
レポート

2002年4月13日(土)、上記表題の「公聴会」が執り行われました。
会場は、宮前区役所4階 大会議室(川崎市宮前区宮前平2-20-5)
午前10時00分開始、午後3時30分終了予定
(実際には大延長)で、
会の進行次第は、下記のようなものでした。

1.  開会
2.  議長団紹介
3.  公聴会運営方法の説明
4.  公述人(=住民)紹介
5.  指定開発行為者(=事業者)紹介

6-1.事業者 第1次公述[事業内容の説明] 原則 15分以内
6-2.住民  第1次公述[事業者および市長に述べたい意見の公述] 原則 1人10分以内

         昼食休憩 (この間、事業者が回答内容をとりまとめる)

7-1.事業者 第2次公述[住民の第1公述の内容に対する回答] 原則 30分以内

         小休憩 (この間、住民が反論内容をとりまとめる)

7-2.住民  第2次公述[事業者の第2公述の内容に対する意見] 原則 1人5分以内

         小休憩 (この間、事業者が回答内容をとりまとめる)

8-1.事業者 第3次公述[住民の第2公述の内容に対する回答] 原則 10分以内
8-2.住民  第3次公述[各自公述のとりまとめ意見] 原則 1人5分以内

9.  閉会

◎議長団:

   議長        川崎市環境局 環境評価室   次長  ナカムラ
   議長補佐             〃   室長  フクイ
                〃   主幹  カワベ
                〃   主幹  マタノ
   記録             〃      セキグチ

◎公述人(住民): 鷺沼4丁目在住(準在住) 全8名

◎指定開発行為者(事業者):

東急不動産株式会社
         住宅事業本部  第1事業部 課長 伴 英明 ※
           〃     〃 課長 田辺雅之 ☆
三菱商事株式会社
         環境・開発プロジェクト本部  住宅事業ユニット 次長 塚原孝志
株式会社新日鉄都市開発
         首都圏住宅事業部  開発第8グループ マネージャー 両角聡
東急建設株式会社
         建築エンジニアリング部         吉田眞章
株式会社アーバンライフ建築事務所
         設計部     部長 灰本秀一
株式会社オオバ
         環境計画課     課長代理 長 尚文 ☆
            〃     係長 川幡宣利
※東急不動産・伴課長は、異動で担当をはずれた遠又課長の後任として初就任。☆事業者側は、ほとんどすべて東急不動産・田辺課長が公述。環境影響評価の細部に関する質問にのみオオバ・長 課長代理が回答。他の人間は何も発声せず。


【各公述の概要】 ※とてもとても大雑把なマトメですみません。公述人として弁論することに100%精神集中していた状況下で、なんとか書き記した散文的なメモをもとにまとめているもので…。(書き漏らしている内容も少なからずあります)。ご了承ください。

事業者 第1次公述 [事業内容の説明] 〈10時30分頃開始〉

 ・建築計画の概要などについて
 ・大気質などについて(いつもの通りの説明) … 埃防止に、防塵ネットや散水をする等、公述。
 ・生物について … ヒマラヤ杉、ソメイヨシノetc. 生育状態のよいものは移植する等と公述。
 ・廃棄物の処理について
 ・日照障害について … とくに影響のある建物とはひきつづき話し合いをつづけていく。
 ・風害について … 実施後に検証をする。
 ・コミュニティ施設について
  (小学校) …実態をみながら川崎市と協議。
  (共用施設)(公園) … おおむね見解書にあった通りの説明。
 ・地域交通 … おおむね見解書にあった通りの説明。

住民 第1次公述 [事業者および市長に述べたい意見の公述] 〈10時45分頃開始〉

[公述人A]
 質問.責任の所在はどこにあるのか →社長を出せ
 質問.この計画のメリットを示せ
 質問.災害に対する危機管理はどうなっているのか。

[公述人B]
 質問.道路の整備について…70号線を広くとれ。71号線を階段でなく道にせよ。
 質問.駐車場を確保せよ。
 質問.日影が問題だ。複合日影が生じる。

[公述人C]
 意見.「景観」の評価に問題がある。客観的評価理由がない。住民の納得性は皆無だ。
 質問.準備書に「景観」評価の資料として提示されている5点の写真以外にあるのか。

[公述人D]
 意見.学校教育施設が不足していることに対する評価が、現実に即していない。
 質問.準備書の鷺沼小学校のクラス増加計算がおかしい。なぜ、こうなるのか。

[公述人E]
 意見.見解書内容に欺瞞がある。建築に携わる企業として環境モラルに欠ける。
 質問.開発行為の目的目標はなんだ。
 意見.いまはただ意見交換の時期である。話し合って“三方両得”になる計画にすべきだ。

[公述人F]
 意見.過去に自宅の雨押さえが飛んだことがある。この地域の風害影響は特殊なものである。
 質問.準備書P.56「鷺沼駅における乗降人員」の調査データがおかしいが、これは何か。
 意見.プライバシーの侵害について“受認限度”という言葉は事業者が使うべきものでない。
 意見.工事車両について「交通規制解除」をするというが一建築事業者がそこまでの権限を
    もつはずがない。いい加減な言葉表記をするな。
 意見.工事車両ルート、大型車の走行について、どう言葉を取り繕っても環境に多大な影響。

[公述人G]
 質問.計画の見直しをする気があるのか
 意見.「ボリュームバランス」などと言っているがこの言葉はただの企業エゴ。
    事業者は「環境バランス」より「事業採算バランス」を重視している。
    住民不在の現計画は破棄するべきだ
 質問.準備書および見解書「プライバシー侵害問題」で、定量的客観的な分析がされていない。
    きちんと回答せよ。
 意見.「小学校への編入児童数」の評価で統計の用い方に欠陥がある。もしくは
    わざと恣意的に統計データをねじまげて使用している。
 質問.「責任者」について見解書で質問したが、責任者を尋ねているのに
    「代表事業者」を答えている。きちんと回答せよ。

[公述人H]
 質問.工事期間中の、車両の動線計画の詳細を示せ。
 質問.市道鷺沼12号線の耐久力はどうなのか。この道は2級道路でアスファルト10cm弱しかない。
    (土木事務所で確認したら“耐えられるかどうか不明”との回答を得ている)
 意見.工事車両の騒音・振動・排気ガス…2年という長きにわたり耐えるのは受容限度を超える。
    → 計画を縮小すれば、期間も縮小できる。
 意見.土曜日もフル稼働の計画は認められない。
 意見.準備書P.328の「工事車両の時間配分」に問題がある。
 意見.準備書P.330の「交通分担率 パーソントリップ調査」で
    昭和63年のデータを使用している。平成10年のデータを使うべき。
    故意に古いデータを使って評価してるなら、他のデータの信憑性も疑わしい。
 質問.交通管理者(警察)から何を指導されたか、回答せよ。

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←↑弁じる住民公述人
※公聴会はこのような
雰囲気で行われました。
向かって左側の黒背広が
事業者たちの一団です。

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昼食のため休憩 (この間、事業者は回答すべき内容をとりまとめる)

事業者 第2次公述 [住民の第1公述の内容に対する回答] 〈13時15分頃再開〉

(東急不動産・田辺課長の回答)
 1.事業の主旨(コンセプト)について
  ・見解書にもあるように「社会的ニーズ」「バリアフリー
   「福祉社会、福祉のまちづくり」が、事業の基本コンセプトである。
  ・総合建築制度に準じた計画を行っている。
  ・「密度を減らしてオープンスペースをまとめてとり、事業ボリュームバランスを得ている」
     →だから階数をへらすと公開空地がなくなる
  ・総合的にバランスがとれた計画である。
  ・土地の有効利用を念頭においている。
  ・(住民の要望に対しては)「基本骨格を変えない範囲」で変更する用意はある。
  ・過去の方針(創業者の意思)については、
   時代とともに事業内容は変わっていくのでとらわれていない。

 2.乗降客数の指摘に対して
  ・平成12年の東急電鉄のデータから数値を得ている。あの数字は正当だと考えている

 3.責任者について
  ・施工会社の不備で何かあったときは施工会社になる。
  ・各々の責任は、権限に基づく。

 4.この計画のメリットについて
   ・提供公園、空地の利用が可能になる。
   ・歩道の整備で、歩行者保護
   ・医療施設を設ける(150平方メートルの診療所スペース)
   ・道路をひろげる
 〈メリットでないが、意見を受けての変更として〉
   ・幼稚園側の車両出入り停止とした。
   ・ゴミ置き場も位置変更した。
   ・12号×70号交差点の信号新設は検討したが(当局の規制で)不可能となった。
   ・横断歩道を設置する。

 5.工事期間・時間
  ・事業規模を減らす考えはない → その範囲で最も短くすむ期間を設定する。
   車両の通行時間も守る
  ・土曜日は工事を「させていただきたい」 → 1日でも早く完成させるため。
  ・ゲートや交差点には、必ずガードマンを置く。
  ・路上待機駐車はしない。
  ・道路破損が生じたら対処する。
  ・準備書で「大型車両、小型車両」と記した表記の「小型」は
   「通勤車」のみのことを示している。せいぜい10人乗りマイクロバス程度まで。
   (“道路交通法では小型車両という区分はないが..”という住民の指摘に対する回答)
  ・「規制解除」の言葉は「通行許可をもらうこと」と認識。
  ・公開空地は誰のものかという質問に対して
    →正確には「区分所有者のもの」だが、但し外部の人の自由立ち入りは拒めない。
  ・市道鷺沼71号線の拡幅は…市との協議で、もうできない。
  ・駐車場設置率95%、来客用10台の駐車場。→これ以上ふやさない。必要にして十分。
    (徒歩圏内なので)(機械式駐車場を増やすと維持費が高くなる

 11.大規模災害時
   密集した建て方より消防活動がやりやすい

 12.景観について
   景観とは (1)外壁の色・デザイン(2)高さ・距離(3)見る位置で変わる。
   現状計画のままで「著しい影響はないと考える
   (住民が初めてみる景観予測のモンタージュ写真を示して)
   「こういう景観は一般的なものと考える

 13.プライバシー侵害について
   市道幅を含めて16mの距離があるので十分。
   居住者がバルコニーから身を乗り出して見下ろさない限り、不都合な状況は生じ得ない

 14.日影(複合日影)
   影響のある家には個別に説明に行っている。
   ひきつづき対象のかたと協議したい。

(オオバ・長 課長代理の回答)
 ・小学校問題、増加人数算定の「用いる係数がおかしい」に答えて
    →市の環境アセスにおいて使われている。正当な資料に基づいている。
 ・「増加学童数243人で、増加教室数3クラスという計算はなぜだ」、という質問に対して
    →単純には6クラスになるが、1クラス40人制への拡大を視野に入れて算定した。
 ・「昭和63年データを使ったこと」 → 不備はないと考える
 ・「工事中の70号線の渋滞」 → 問題は少ないと考える。
 ・「風害」 → 住宅地としては重大な影響はないと考える。

 〈14時05分頃終了〉 約50分間

小休憩 (この間、住民は次の第2次公述の内容をとりまとめる)

住民 第2次公述 [事業者の第2公述の内容に対する意見] 〈14時30分頃再開〉

[公述人A]
 意見.責任者問題への解答は、誠にサラリーマン的な内容。社長が出ないと意味がない
 意見.「計画の基本骨格は変えない」→地域をまったく無視している
 意見.はしご車の動線説明がない。あえてしていない
 意見.「ボリュームバランス」との説明。 → 立体の密度を無視している。
 意見.公開空地に、住民のメリットはない。

[公述人B]
 質問.A敷地、70号線の拡幅は何メートルか。
 意見.市道鷺沼71号線は、階段にするとしておきながら「通路」と言い張るのは矛盾。

[公述人C]
 意見.景観の問題など「客観的には評価できない」と明言しながら「評価」をしている。矛盾。
    これは環境評価でなくただの「企業の意見」でしかない
 意見.「空地を市道鷺沼12号線沿いに設けて、建物をセットバックさせよ」という多数の要望が
    意見書として出されているのに、見解書では、これを完全無視している。

[公述人D]
 意見.徒歩圏内でも100%駐車場のマンションがある。そういう先例を見習え。
 質問.「バリアフリー」がコンセプトと言ったが、これに対する各個人見解を示せ。

[公述人E]
 意見.話を聞いていても、すべて「意見」でしかない("評価"ではない)。
    これは「話し合い」の段階に入ったと考えてよいか。

[公述人F]
 質問.風害がでたら、建物はこわすか
 意見.見解書において鷺沼駅乗降客数の増減を示す箇所で、平成13年のデータを隠蔽している
 意見.評価の対象として246号線からの地域が抜けているのはなぜか、について回答をしてない。
 意見.お知らせ看板の欺瞞は許し難い。

[公述人G]
 意見.業者のエゴ と 企業としてのプロ意識の欠如 ばかりが目につく「公聴会」となっている。
 意見.環境バランスよりも 事業バランスを重視している。
 意見.空き地なしで密集した形で建てたらどうだ。

[公述人H]
 質問.工事車両の入線を見直すつもりはあるのか
 意見.市道鷺沼12号線「2級道路」の耐久力について、答えがなかった
 意見.土日の工事は認められない。
 意見.車両の走行時間 9時〜5時のはずを 7時〜5時と表記している。
 意見.警察から受けた指導のこともなんの解答もない。

 〈15時15分頃終了〉 約45分間

小休憩 (この間、事業者は次の第3次公述の内容をとりまとめる)

事業者 第3次公述 [住民の第2公述の内容に対する回答] 〈15時45分頃再開〉

(公述人Aの意見に対して)
 ・「サラリーマン的な」の指摘に対して
          → 我々は社の仕事としてやっているので許してくれ
 ・責任者の曖昧性に対して
          → あくまでの手続きの中でのこと。担当者、社長も退任で変わっていくので。
 ・「生活レベルを考えろ」の意見に対して
          → この計画で(住民の生活レベルは)向上すると考える。
 ・はしご車の動線について → 何度も行政と協議している
 ・公開空地について → 公開空地のメリットは、ある
 ・時代性とデータの妥当性について
          → 我々は一定のルールでアセスしてる。これで十分と考える

(公述人Bの意見に対して)
 ・道路拡張幅について → 6m。出口部分は8.5m
 ・市道鷺沼71号線について → 行き止まりでも道路として認定される。
 ・道路に面する所は歩道上空地を必ず設ける。
 ・防火用水は、敷地内に40t貯水する。

(公述人Cの意見に対して)
 ・景観への意見に対して
         → 「事業コンセプト」ということが回答のすべてである
            事業採算上、現状の計画がベストである!
 ・「セットバック」への見解について
         → 見解書p23に示したつもりである。

(公述人Dの意見に対して)
 ・「バリアフリー」の質問 → 企業として出席しているので個人回答はできない

(公述人Eの意見に対して)
 ・住民の要望について
         → 規模の縮小、階数の低減など基本計画は変えられない
           それ以外については話し合いに応じる準備がある。

(公述人Fの意見に対して)
 ・風害の測定は歩行者レベルで算定。
 ・「2010プランに合っているか」 → 調和していると考える
 ・「お知らせ看板設置」について
         → (事業者として設置が遅れた理由を説明。謝罪は無し)
 ・「評価の対象地域」の問題について
         → 鷺沼1〜3丁目は通勤車両しか通行しないから、対象としていない。

(公述人Gの意見に対して)
 ・「関係部局としか協議しない、というが、住民と協議をすべきではないか」の問いに
         → 連絡をいつでもください(但、メイズプランに)
 ・プライバシー問題に関して → 問題ないと考える。
 ・違法駐車対策 → いまの計画が最善のもの考える
 ・土曜工事 → ぜひ(なんとしても)土曜工事はやらさせていただく。

  (この質疑のなかで、あのサレジオ学院跡地の所有権に関して
   【H14年4月1日、東急電鉄から東急不動産へ土地の売買成立していたこと】が判明)

 〈終了後、休憩をはさまず、すぐ最後の住民公述へ継続〉

住民 第3次公述 [各自公述のとりまとめ意見]

[公述人A]
 ・今日の内容は、「公聴会」になっていない。納得できる回答が無い。

[公述人B]
 ・どう話を解釈しようと努力しても、納得までいたらない。

[公述人C]
 ・評価のもととなるデータ調査がずさん。「条例環境評価準備書」そのものの信憑性が無くなった。

[公述人D]
 ・小学校問題に関する「評価」の根拠が、いかにいい加減か、確証を得た。

[公述人E]
 ・この事業者は、話の進め方がまずすぎる。人間が“交渉”をするときには、
  おたがいの条件を出しつ戻しつつ、“相手の納得”をひきだして決着するものだが
  この納得への道筋を、なにも描かないで今に至っている。

[公述人F]
 ・とくに鷺沼駅乗降客数の統計データには、決定的な「数値ミス」があることがわかった。
  そうなると他のデータも怪しいものである。

[公述人G]
 ・見解書で納得を得なかった「土日工事」についてメイズプランに電話で問い合わせたら
  「公聴会で答えます」と言われた。今日、最後まで聞いていたが、答えない。
  この事業者は、住民に対して、つねにそういう態度で接しているんだな。
 ・公式文書である「見解書」の内容が、不備。
 ・「事業ボリューム重視」がはっきりした。

[公述人H]
 ・他の公述人とまったく同感。事業者は考え方を変えなければ、話は進まない。

 〈17時30分頃 全行程終了〉

この公聴会以降の動きとしては、とりあえず、

(1)市環境局 環境評価室が、公聴会で公述された内容をすべて記した詳細な議事録を作成する。
   (この議事録は、少なくとも、公述人には郵送で直接届けられる。縦覧もされるはず)

(2)この環境影響評価にYes or No の裁定をくだす審議会メンバーが、この議事録を見て
   内容を吟味する。(それに前後して、審議会メンバーは、鷺沼の現地を視察する)

(3)審議会が開かれ、この環境影響評価に対する“審議”をし、その結果を、川崎市長に“答申”。
   市長はその結果を受けて“条例審査書”を作成し、これを事業者に提示する。

となっています。

              ※環境影響評価の手順に関する詳細フローはこちらをご覧ください。

具体的な日程や動きが判明したら、また、当HPに情報掲出いたします。


 

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