「川崎まちづくり3条例」に関連することとして、
この鷺沼4丁目の問題が
新聞記事に取り上げられました。

2003年1月29日(水)の東京新聞(川崎面)に掲載されました。

 

※下記記事文中、東急不動産が「…また階数を低くするなど住民の声も反映させている」といったコメントをしていますが、この“階数を低く”というのは「11階のごく一部を無くして、その部分だけ10階にした全体的には相変わらず11階建てのまま)」というまったくもって枝葉末節な変更でしかない点にご注意ください。
この事業者は、そういった針小棒大な言い逃れコメントを平気で発表する企業です


(記事全文)

[マンション建設とまちづくり3条例 -中- ]

高さ制限緩和に住民反発  〜 計画の周知 より早く 〜

 宮前区の東急田園都市線周辺は、“田園都市”という名称から、おしゃれなイメージが強い人気エリア。民間分譲マンションの需要も強い。不動産経済研究所の調べでは、1999年から昨年11月までに同区内では約2,500戸が供給されている。

 供給ラッシュは必然的に、以前からの住民との間にあつれきを生む。鷺沼4丁目11階建てマンション計画もそのひとつだ。

 これは私立学校跡地約2万7000平方メートルの土地に東急不動産などが高さ約31メートル、約530戸を建てるプロジェクト。目の前に巨大マンションが建つことになった一戸建ての住民らは「圧迫感があり、風害なども心配される」と反発を強めている。

 建設予定地は第1種中高層住居専用地域。川崎市内では通常高さが15メートルまでに規制されているエリアだ。ではなぜ、31メートルの高さが可能なのか。

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 これは、川崎都市計画高度地区の適用除外規定に基づいている。日常一般に開放する空地(公開空地)を敷地内に確保すれば、高さ制限が緩和されるのだ。

 公開空地は市街地環境の改善に貢献するので、高さの“ボーナス”をあげましょう、というのがこの制度の趣旨。市内では過去10年間に52例ある。市建築審査会の近年の議事を踏まえ、市はボーナスの大きさとして現行規制の2倍程度を目安としている。

 「たとえ建っても5階建てまで」と考えていた住民が驚くのも無理はなかった。

 さらに、事業主側が公開空地を建物の中庭にあたる部分に取り、これを囲むような形の完成予想図を提示したため、空地の恩恵にあずかれない周辺住民側の反発は、いっそう強まった。

 鷺沼地域の住環境を守る会の代表は「道路沿いに公開空地を大きく取って高さが上がるならまだ分かるが、中庭じゃ納得できない。高さ制限の緩和は住宅街に適用すべきではない」と強調する。

 東急不動産は「建物と建物の間を広く取って公開空地の開放性に配慮した。また階数を低くするなど住民の声も反映させている」と理解を求めている。

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 市は、公開空地そのものは基準を満たしていると判断。高さ制限の緩和もすでに市建築審査会の同意が得られた。

 この行政側の考えについて、市内に住むある建築専門家は「高さ制限の緩和は本来、周辺の環境改善や防災性向上に資する用地の見返りにボーナスを与えるもの。用地が本当に寄与するのか、吟味するのが当然だ」と指摘する。(※守る会注釈:もちろん今回の件では、行政によるう“この吟味”に対する論議はほぼされていません。)

 まちづくり3条例では、1万平方メートルを超えて環境アセスの対象になる開発行為は行政と事業者の事前相談の段階で現地に標識が立つ。従来よりかなり早い段階で住民が計画の概要を知ることが可能になる。

 さらに標識の設置が必要な開発面積を1,000平方メートルから500平方メートルに引き下げた。事前協議受付簿の閲覧もできるようになり、「標識が立ったころには計画がかなり煮詰まっていて、反対運動も時間切れになる」という住民の不満は解消に向かうものと市は期待している。

 また近隣住民への「説明」も義務化される。現行の「市中高層建築物の建築に係る紛争の予防および調整に関する条例」でも定められている。

 問題なのは、この「説明」を個別に行うのか、住民を一堂に集めて説明会を開くのか、あいまいなこと。「事業者が“個別撃破”にまい進しかねない」との不安が早くも渦巻いている。

(写真キャプション)私立学校跡地のマンション建設予定地。道路の向かい側の住民が建設に反発している。右側は東名高速 =宮前区鷺沼4丁目で、本社ヘリ「わかづる」から

 


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