宮前区地域の小学校が、
大規模マンションの乱立で危機に瀕している、
との特集が新聞に掲載されました。

2003年1月12日(日)の読売新聞(第2神奈川面)に掲載されました。
当ホームページでもおなじみの『学校問題を考える会』からの
コメントも取り上げられています。

※東急不動産の「マンションは作るが、学校不足問題は当社は関知しない」という趣旨の
無責任発言も明記されています。ご注目ください。


(記事全文)

川崎市宮前区 マンション増加 小学校パンク寸前
〜 用地確保へ苦肉の市民プール廃止策 〜

 川崎市宮前区内の一部の小学校で児童数が増加し、教室不足が深刻化している。背景にあるのは東急田園都市線沿いの相次ぐマンション建設。パンク寸前の学校の現状に、大規模マンション建設反対の住民運動も起きている。深刻な財政難の中、川崎市は苦肉の策として市民プールを廃止し、跡地に小学校を新設する方針を打ち出したほか、学区の再編も検討するなど対応に乗り出した。(笹島拓哉)

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市内1のマンモス校、富士見台小

 田園都市線宮前平駅から坂道を上がって5分の高台にある市立富士見台小学校は昨年まで3年連続で、校舎の改増築を行った。昨年8月には6教室と図工室、図書室などが入った2階建ての新校舎が完成した。
 同小の児童数は10年前には1,189人だったが、その後じわじわと増加、今年度1,400人を突破し、市内一のマンモス校となった。3−6年の25学級に週1回、図工室と音楽室の特別教室を割り当てると、1、2年生までには特別教室を割り当てられないという。
 また、グラウンドが狭くなったため、児童らは休み時間、サッカーや野球など場所をとるボール遊びは避け、縄跳びなどで遊ぶように申し合わせている。

1、2年生は特別教室使えず。 狭いグラウンド、ボール遊び“自粛”

 同小は1985年、文部省(当時)から「帰国子女受入推進地域センター校」に指定された。帰国子女の転入が多く、現在229人が在籍し、国際教育にも力を入れている学校として知られているが、永井宏校長は「総合的な学習の時間が導入されて、特別教室を利用した内容の濃い授業が求められている中、低学年児童には不便な思いをさせてしまっている」と話す。

新規大規模マンション、保護者ら反対運動

 一方、鷺沼小の学区内では、東急不動産などが最高11階建ての2棟(計539戸)のマンションを計画中で、同小の児童数は一気に約200人増えるという。
 鷺沼小に通う児童の保護者らは「学校問題を考える会」を結成し、「これ以上の児童数の増加は、教育環境の悪化につながる」として市教委に建設予定地の買い上げを求めている。会の代表者によると、運動会では、校門に保護者が長蛇の列を作っていて、グラウンドの中にも入ることさえできない父母もいたという。
 市教委は「許認可が下りた民有地に手を出すことはできない」とし、仮設校舎の建設や校舎の増築などの対案を示したが、会との話し合いは平行線をたどっている。
東急不動産は「学校の問題は行政に対応してもらうしかない」と話している

(写真キャプション)音楽室が使えず、普通教室で音楽の器楽合奏をする富士見台小の1年生


10年間で200棟新築。

 川崎市まちづくり局の推計によると、宮前区では1992年から一昨年までの10年間で、約200棟(7,600戸分)のマンションが新築された。特に増加が目立つのが東急田園都市線の鷺沼、宮前平駅周辺。富士見台小(児童数1,431人・42学級)、鷺沼小(同1,061人・33学級)、宮崎小(同1,220人・36学級)の3小が、文科省の規定する過大規模校(31学級以上)に当たる。
 地元不動産業者は「駅から徒歩5分圏内で、高台のマンションの需要は高い。富士見台小や鷺沼小の学区内には、この手のマンションが多く、今後もマンションの建設は続くのではないか」と分析する。

横浜は新設。川崎は増築。

 隣接する横浜市の青葉、都筑、緑区では、93年からの10年間で計13の小学校が新設され、今年と来年にも1校ずつ開校する。これに対し、川崎市では91年以来、小学校の新設はなく、校舎の増改築で対応してきた。
 同市教委は「横浜市の場合は港北ニュータウンに代表される大規模な開発計画に伴う児童数の増加で、未開発の土地を先行取得しやすい面があったはず。学校を建設するには少なくとも1万平方メートルの土地が必要だが、川崎は開発済みの土地が多く、土地の確保が難しい」と説明する。
 川崎市は昨年11月、市営鷺沼プールを廃止し、跡地に小学校や保育園などを建設することを決めた。鷺沼小、宮崎小、富士見台小の3校から一部の児童を移し、2006年4月の開校を目指す。同市教委は「学区の線引きの問題は残っているが、今以上の不便はなくなるはず」とみている。
 同様の問題は都内の江東区や千葉県浦安市でも起きている。江東区では区側が不動産業者に対し、学校不足を理由にマンションの建設断念を要請したり、公共施設建設への協力金を求める事態も起きている。

業者負担金「違法」判決。

 川崎市も以前、マンションの建設業者に対して、開発負担金の支払いを求めてきた。しかし、東京都武蔵野市がマンションの建設業者に対して「教育施設負担金」を納付させたことが「違法な権力の行使に当たる」との最高裁判決が93年に出たのを受け、96年3月に負担金規定を廃止した。
 川崎市教委にとっての救いは、小学校に比べ中学校は余裕がある点。鷺沼、宮前平地区の児童のほぼ半数は私立中に進学するためだ。
 同市教委は児童数や学級数の格差是正のため、学区の見直しの検討を始めた。横尾四郎庶務課長は「学校新設のための用地取得が困難な中、学区の見直しは解決のための一つの考え方だ」と話す。

 


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