地図礼賛 世界の古地図



まず中近東の古代遺跡で発掘された地図から.


ニップール都市地図
BC13cカッシート時代
ニップール出土
フリードリヒ・シラー大

ニップールの様子






バビロニアの世界地図
BC7-6c 新アッシリア時代
シッパル出土
大英博物館

左図の説明.





ヨルダンのアンマンの南西35kmにあるマダバにある聖ゲオルギウス教会のモザイクから.
この6世紀のモザイクは1896年偶然に発見された.

マダバのモザイク.上が東.
手前にエルサレム,その先に
死海が描かれている.


エルサレム.


聖墳墓教会や東西に走るカルド (商店街)など 現在の状況
に良く対応する.



死海にそそぐヨルダン川.草原を鹿が走っている.

魚が死海をきらっているのがおかしい.


エルサレム
12世紀
ウプサラ大学図書館
[ジャン・ピエール・イスブ(月本昭男 監修,尾澤和幸・藤井留美 訳)『地図と写真で読む 聖書の世界』(日経ナショナルジオグラフィック社,2011)より]

十字軍の作った地図.かなり様式化されている.城壁の内側大きな教会風の建物は岩のドーム.城壁の外,左上にゲッセマネの園,その右に緑でオリーブ山,右下にシオンの丘が描かれている.

時代がくだる.

エルサレム
1575年
フランス・ホーゲンベルグ&ゲオルグ・ブラウン『世界の都市』

14の「岩のドーム」は「ソロモンの神殿」となっている.その後方の15が 聖墳墓教会.



コンスタンティノープル最古の地図.

コンスタンティノープル陥落 (1453年) 以前,
唯一の地図.
1422年
Cristoforo Buondelmonte (フィレンツェ) 製作

対オスマン・トルコ戦以前なので城壁は完全無傷である.右手ボスポラス海峡近くにアヤ・ソフィアが描かれている.



クラウディオス・プトレマイオスは150年頃の著書『地理学』("Geographia") に世界地図を掲載した.
この地図では円錐図法が使われ経緯線が描かれている.
この地図ではインド洋が内海として描かれている.

プトレマイオスの世界図
15世紀の復元図

プトレマイオスの世界図
1482年
Johannes Schnitzer製作



次はローマ.

4世紀の旅行図 (部分)
Peutingerによる複写 (16世紀)

4世紀の原図は残っていないがポイティンガーが16世紀に複写したものが伝来している.西はブリテン島,イベリア半島から東はインドまで横長に描かれている.大ブリテン島にはハドリアヌスの壁,ロンドンが図示されている.大陸のローマとコンスタンティノープル,アンティオキアには支配者の図がついている.

ロ−マ
1570年

左下隅にヴァティカン,続いてその上にサンタンジェロ要塞.図の中央に Amphitheatrとして円筒状のコロッセオ, その前にコンスタンティヌス帝の凱旋門があり,フォロ・ロマーノは凱旋門 のすぐ左手あたり.その手前の緑はパラティーニの岡. コロッセオから左下にかけて,カピトルの岡,すぐ左にフォロ・トリアノンの オベリスク,更に左にパンテオンの神殿がある.


中世のパリ.

シャルル5世 (在位1364-80) からシャルル9世 (在位1560-74) 時代のパリ.
1574年

中央シテ島の上方にノートルダム寺院,下方にサント・シャペルが見える. 上端にはバスティーユの要塞がある. ルーブル宮の着工は1546年のはずだが,完成前のせいかまだ描かれて いない.



エリザベス1世時代のロンドン.

ロンドン
1572年
Braun and Hogenberg製作

ロンドン橋と右手にロンドン塔が見える.
左端テムズ河が曲がった所にウェストミンスター寺院が描かれている.


最後にモダンな地図を紹介する.

グレート・ブリテン島雪化粧
2010年1月7日撮影
NASA の地球観測衛星テラで撮影
朝日新聞2010年1月13日



(2012年2月)


参考文献

*)松本健,『NHKスペシャル 四大文明 メソポタミア』(日本放送出版協会,2000)

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