古い洋楽器



世界最古の笛がドイツ・ウルム近郊の洞窟で発見された.(cf. Nature) およそ 3 万 5 千年前のものとされる.


シロエリハゲワシの翼の骨製で,長さ約 22 cm,直径約 2・2 cm.精巧に削って仕上げられている. ("National Graphic" 2009年6月4日号)

世界最古の楽器の画像は,イラク・ウルから出土したシュメール人製作の「スタンダード」と呼ばれる祭祀器物(BC2500年頃)に描かれている.「スタンダード」の詳しい用途は分かっていない.大英博物館蔵.



ウルのスタンダードに描かれた楽器.瀝青・骨・ラピスラズリ・赤色石灰岩製.

ウルのスタンダード.平和面.裏は戦争面.

上図の銀製「女王の牛頭付きリラ」.


ウル王墓出土. BC25世紀.
大英博物館


復元楽器.
大英博物館
(『大英博物館展 芸術と人間』図録 より)

復元楽器部分.

上部の糸を張る部分が図と異なっている.ハープと違って弦の長さが同じなので,音程の調節をどうやってやるのか見当がつかない.



ハープ奏者

エシュヌンナ出土. BC20世紀初頭.
ルーヴル美術館

大英博物館にあるギリシャの赤像式陶器から.


踊り子と笛吹き.赤像式酒杯.BC510年頃,ピュトン製陶,エピクテトス絵付け (ギリシャ・アテネで制作).伊ヴルチ出土.

音楽のレッスン.赤像式水瓶.「豚の画家」絵付け.BC480-470年頃アテネで制作.ロードス島出土.


ベルリン・ペルガモン美術館所蔵の象牙家具装飾から.


エジプト・ファーティマ朝 (909-1171) 時代の象牙の家具装飾.エジョプトまたはシチリア(11-12世紀).
仔細に見ると楽人の姿が多数彫られている.
イスラムは抽象模様という印象があるが,エジプトでは人物像が描かれていても問題が無かったのであろう.



左上.リュート風に見える.


左中央.左手はリラか.



下中央.中央のリュート風の楽器の首が反対方向に曲がっているように見えるは妙である.
左側はギター風であるが演奏方法が変わっている.

下右.




以上.
(2011年11月)


参考文献

*)ウルのスタンダードとコピーのリラは
  世田谷美術館 他編『大英博物館展 芸術と人間』図録(日本放送協会・朝日新聞社,1990).
*)銀製リラとハープ奏者のレリーフは松本健,『NHKスペシャル 四大文明 メソポタミア』(日本放送出版協会,2000)
*)ギリシャの赤像式陶器は
  国立西洋美術館・朝日新聞社 編『大英博物館 古代ギリシャ展』 (朝日新聞社・NHK・NHKプロモーション,2011).
*)象牙の家具装飾は
  青柳正規 他編「ベルリン美術館」3 古代文明と民族の遺産 (角川書店,1993).

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