
「舞踊は哲学する心で学び取りましょう」と教わって参りました。特に東洋哲学は人間の生き方、ものを見
る眼力、その存在のバリュー(価値)を観察して創造していきます。
榊原学園長は昭和6年に榊原舞踊学園を創立、以来70年間、日本舞踊と日本民族舞踊、東洋の民族舞
踊と西洋舞踊の融合を念じ、新しい舞踊の創作と指導に力を尽くし、榊原舞踊独自の日本新舞踊を開拓し
歩を進めてきました。
東洋舞踊であるアジアの各地には民族舞踊の花々が香り高く美しく咲き乱れています。
数千年の伝統と思想に培われ、アジア民族の深い心を支えています。
インド舞踊にはムードラという独自の指形があり、それは動きと形によって万物の意味を語ります。
魚が泳ぎ、蓮の花が開き、孔雀が羽を広げます。愛を語り、抱擁を表し、生命の誕生と永遠の神秘を伝
えます。
深い哲学と祈りから生み出されて数千年、学園長はさらにタイ、ビルマ、香港、台湾、沖縄などを訪れて
研究しました。そして内輪に歩く日本舞踊の歩法と西洋舞踊の外輪に足を訓練するバレエのレッスンを交
互に行ってこそ、まっすぐに歩く日本人の歩法が生まれるのであると体系づけました。
体を縮めたアンバランスの東洋の美と直立に伸びたシンメトリーのある西洋の美を合流させたところにこ
そ、本当の人間の美を表現することができるのであると、世界各国の民族舞踊をつぶさに視察して日本に
持ち帰りました。
日本の各地には純粋な郷土民踊が数多く存在し、継承されております。純、正、古典と郷土舞踊、アジア
民族舞踊、西洋舞踊の合流において新しく生まれるもの!そこにこそ世界に通用する創造的な日本舞踊
の将来の姿があると民族舞踊の哲学の理念を体系づけ総合的研究という花を咲かせ、日本で初めて漢詩
の舞、'詩舞'を創造したのであります。そこで扇子、その他の持ち物を使って踊る形の舞踊が創作され踊
られるようになりました。
詩舞というのは文字が示すように詩吟による舞踊のことで、詩吟の詩と舞踊の舞をとってできた熟語で
あり、最近ではこの言葉が一般に知られるようになりました。戦前は日本刀を抜いて戦闘的な演技をする
剣舞が詩吟の舞として踊られておりましたが、漢詩というものは決して戦闘的なものばかりではなく、平和
的な喜怒哀楽や内面的な深い思想、大自然の美しさなどを詠じた優雅な詩がたくさんあります。現代では
詩吟と歌謡を融合したり、民謡を融合したり非常に味があり楽しく踊られております。
榊原舞踊静山流詩舞は東京本部を頂点に北に北海道、南は沖縄、または海外に至る主要都市において
活動しております。
当函館研究所は、榊原静稜氏・榊原静雅氏を指導者とし、東京本部の講習会の参加などの研鑽を重ね
て会員の指導と親睦を深めて、発表会、記念公演、市民文化祭、友好団体の吟道大会の出演、関係団体
主催行事、チャリティーショーなどの参加、日本舞踊の理想を実現すべく精進し、地域文化の向上を図る
ことを目的として日々共に発展に努めています。