2008年 冬号の 「JARL NEWS」に 掲載された記事
アマチュア無線と太陽の科学
・ソーラーサイクル24はもうすぐ!!
ここで言うソーラーサイクルとは "太陽電池で動く自転車"のことではなく "太陽活動の動向です。"
・太陽活動サイクル
黒点やフレアの発生数はおよそ11年程度の周期で増減することが知られており、太陽活動サイクル
といいます。いま、注目されているのはこの新しいサイクルがいつから始まるかということです。サイ
クルには数字が付けてあり、これから始まるのはサイクル24です。活動が活発になると黒点が大きく
なったり数が増えたりして電離圏に大きな影響を与えます。
・デリンジャー現象
大きな太陽フレアが発生すると昼間の電離圏領域の電子密度が太陽X線によって、 2桁以上も急激
に増加します。その結果として短波帯の電波が吸収されて電離圏を用いた通信が出来なくなります。
・地磁気嵐
地球は磁石の性質を持つ惑星です、地球の磁力線は太陽風によって流されて、太陽と反対の方向
に彗星の尾のように磁力線が引き伸ばされた状態になっています、これを地球磁気圏と呼んでいま
す。太陽風のプラズマとエネルギーは地球磁気圏にまで流入磁気圏対流を起こします、太陽風の
磁場が南を向いている時に発達し数時間以上継続すると地磁気嵐が発生します。
・放射線帯
地球磁気圏の内側には放射線帯(バン・アレン帯)と呼ばれる領域があります。この領域では放射線
粒子と呼ばれる高エネルギーのプラズマが地球の磁場によって閉じこまれていて、人工衛星や人体
に悪影響を与える危険な領域ですが、逆にこの領域よりも内側に放射線粒子が侵入しないように地
球磁場がガードしているということでもあります。
・オーロラ
太陽が駆動する宇宙環境変動の中で、美しい自然現象として目を引くものにオーロラがあります。
オーロラは 電離圏の発光現象で、高度約100kmから400kmに存在する酸素原子や窒素分子など
が光ます。この発光のしくみはネオン管や雷などの現象と基本的には同じ原理です。サイクルの
最盛期には日本の北海道でもオーロラを見ることがあります。
・ソーラーサイクル24
2008年1月4日、太陽の新しい活動サイクルの始まりを告げる黒点が現れました。 太陽の黒点の数
は、約11年の周期(サイクル)で増減します。前回のサイクル(第23太陽活動周期)は、1996年から始
まり、2001年ごろが(黒点の数が最も多くなる)極大期でした。黒点は磁場が強く(数千ガウス)、その
周辺でフレア(爆発現象)などの様々な活動現象が発生します。黒点とその周辺の領域を活動領域
と呼びます。飛騨天文台の太陽磁場活動望遠鏡(SMART) で観測した1月5日の太陽画像には、新
しいサイクルの活動領域(北緯約27〜29°)と古いサイクルの活動領域(南緯約2〜15°)の両方
がうつっています(両者の太陽面上での距離は約47万km)。
太陽は私たちの生命の源で地球上のすべての生物に影響を与えています。太陽の中心部で無限
に繰り返されている核融合反応、これによって永遠に光輝いています。 (これから50億年ぐらいは
輝くらしいですから永遠といってもいいでしょう)
・太陽観測衛星「ひので」
今、日本発の太陽についての科学研究が世界中で注目されています。それは、2006年9月に打ち
上げられた科学衛星「ひので」が今までにない高解像度・精度で太陽表面からコロナの観測を行っ
ているからです。実際に、優れた先端の科学成果の発表の場となっている科学専門英文雑誌「サ
イエンス」 が 「ひので」特集を組み、そこには太陽活動や構造について多くの発見や知見について
の論文が発表されています。
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ソーラーサイクル24スタート!さまざまな研究機関等が発表
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前号でもお知らせしました太陽活動の動向ですが、その後、NASA(アメリカ連邦 航空宇宙局)、NOAA
(アメリカ海洋大気圏局)ほか、太陽活動の研究機関が相次 いで「ソーラー
サイクル24のスタート」を発表しています。
○SCIENCE@NASA
「Solar Cycle 24 Begins」(ソーラーサイクル24が始まる)
http://science.nasa.gov/headlines/y2008/10jan_solarcycle24.htm
○NOAA
「Sunspot is Harbinger of New Solar Cycle, Increasing Risk for Electrical Systems」
(新しいソーラーサイクルを予告する太陽黒点、電子機器のリスクが増大)
http://www.noaanews.noaa.gov/stories2008/20080104_sunspot.html
日本では、京都大学大学院理学研究科附属天文台が、同天文台の施設である 飛騨天文台の
「太陽磁場活動望遠鏡(SMART)」による観測を元に、ソーラーサイクル24のスタートを報じました。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/topics/cycle24/index.html
情報通信研究機構(NICT)宇宙環境計測グループは、1月1日、1月5日付け のレポートの後、
1月15日付けで「Happy New Solar Cycle !!」と題するレポートを発表し、ソーラーサイクル24のスタートを報じています。
http://swnews.nict.go.jp/kiji/special/080115_sunspot/080115_sunspot.html
また、海外の太陽活動研究機関や海外のアマチュア無線連盟のWebサイト などにも同種のレポートが掲載されています。
○ARRL Web
「Cycle 24 Here, Experts Say」(専門家はサイクル24がやってきたと言っている)
http://www.arrl.org/news/stories/2008/01/07/100/?nc=1
これらの発表は、すべて1月4日に発生した第981黒点群の分析に基づくもの で、1月17日現在ではこの第981黒点群に続く、
新しいサイクルの性質を持った 太陽黒点群の発生は報じられていません。
サイクル24はまだスタートしたばかりです。太陽が今後どのような振る舞いの 活動を示し、電離層にどのような
影響を及ぼすのかは、まだまだ謎の中です。
「太陽が演じるドラマ」のシナリオは「太陽の神様のみが知る」ものなのかもしれ ません。
なお、これらのさまざまな記事の中でソーラーサイクル24のピークの予測 を発表しているのは、
NASA@SCIENCEの「Solar Cycle 24 Begins」で、同記事 によれば「2011年または2012年頃に
太陽活動はピークを迎える模様」として います。
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*JARL NEWSの記事の抜粋に私の気持ちも書き加えました。
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