地形図上では、谷道川右岸側に谷道・オコヤトコ・古味と集落の名があり、建物のマークは残っている。 が、谷道・オコヤトコには既に民家は無く、転がっている瀬戸物の欠片等が往時を偲ばせている。 また、谷道では両岸を結ぶ橋があったのか、石積みの立派な橋脚が河原に聳えている。 しかし、古味には数軒の民家があり夜R439小川集落を走れば対岸に民家の灯りが見えている。 TAKA氏の記録の中に、この古味集落を起点に牛の背〜天狗〜牛の背〜オコヤトコ〜軌道敷跡〜古味の周回コースが紹介されている。 実は昨年12月オコヤトコ〜天狗〜谷道の周回コースを取ろうとしたのだが、思いがけない積雪のため谷道を諦め、軌道敷始発地点跡へ下り懐中電灯の明かりを 頼りにオコヤトコまで歩いたものである。 従って軌道敷跡の全貌をもう一度見てみたいと出掛ける。 例によって女房は「オコヤトコも軌道敷跡も歩いている」との返事。 初めての獣道コースを下りに使うのはこの時で懲りていたので、今回は3日にオコヤトコから上がり、再度コースを頭の中に入れる準備を行った。 朝山城町辺りはいつものように吉野川からの水蒸気の中。 大歩危トンネル手前からは雲海が見下ろせる。 ![]() 古味で事前にお願いをしていた場所に車を停め、尾根へ取り付く。 人工林の中に踏み跡が続き、ジグザグに高度を稼ぐ。 最後はトラバース組に気味に上がれば、軌道敷始発地点跡の広場へ到着。 ![]() ここからは人工林・自然林の入り交じった所を歩く。 自然林では黄色く紅葉しており、苔むした倒木が自然に帰ろうとしている光景が点在している。
突然15m程先の右手の木立から白い尻尾の鹿が飛び出しビックリさせられた。 逆に鹿もビックリしたから飛び出したのだろうが。 やがてカヤトの尾根近づくと足下には錆びたワイヤーロープが横たわり、人が入っていた跡を伺わせる。 広いカヤトの1390mピークで、切り株に腰をかけ朝食タイム。 最近は歩き始めて1〜2時間後の朝食が習慣になってしまった。 少し先は一面のススキ原、逆光に白く光っている。 ![]() 1486mピークへ急な登りの後はオコヤトコからのコースが合わさる。 といっても広い樹林体の中で、はっきりした踏み跡があるわけでもないのでガスった時などは磁石・地形図の確認は絶対必要である。 先日もS氏がミスコースしたとサイトに書かれていた。 フラットな自然林を木漏れ日を浴びながら歩けば、ヌタ場へ。 いつもこのヌタ場が目に入れば「コースが合っている」と一安心。 まもなく笹原へ出たが、今日は笹もほとんど乾き濡れることなくほっとする。 1640m交差点を経由し牛の背へ獣道を追う。 ![]() 取り敢えず天狗へ行こうと途中の岩の上にザックをデポし空身で山頂へ向かう。 ![]() 天狗の池はほとんど水が見えなくなっている。 途中で1人、上りの途中で4人、頂上で6人が今日出会った方達である。 頂上からは直ぐに牛の背へ折り返す。 ザックの場所へ戻り、掲示板へ書き込みしていると単独の方が引き返してきた。 昨夜は貸し切りの三嶺ヒュッテで一泊、今日はお亀にザックをデポし高原散策の愛媛の方であった。 いつものように三嶺〜天狗の稜線が見送ってくれる。 ![]() 別れた後逆コースを引き返し、1486mピーク近くの色づいた唐松林の中でいつもの食前酒付きの昼食。 帰りが長いので昼寝は諦める。 ![]() 難なくオコヤトコへのルートへ入り急降下。 前回の記憶を便りに尾根から離れたが、見事な作業道が続いていたのでこれを追い、頃合いを見てトラバースして軌道敷跡を目指したが少し下りすぎていたので 登り返した。 ここからは軌道敷跡の散策。 ほとんど勾配がついておらず、昔のまま広く残っている場所や、石製の橋脚だけが残っていたり、岩盤を削り軌道敷を着けた場所。等が次々現れる。 ![]() おそらく建設当初は今のように機械化が進んでいないので人手による作業に頼っていたのだろうか? 笹峠(アリラン峠)の悲しい話がオーバーラップしてくる。
谷側では黄色く色づき、中には真っ赤に染まっているのも点在。 真新しい有刺鉄線で補強された鹿避けのフェンスもある。 途中沢を横切る地点で顔を洗うと、冷たくて気持ちがよい。 ![]() 大きく崩れた場所を慎重に渡るが、昨年はここを懐中電灯を頼りに歩いたことを思い出す。 ![]() 昨年下りてきた辺りを過ぎると直ぐに、山側を苔むした石垣で固められた始発地へ戻った。 往時はここで大勢の人々が働いていたのであろうか? ここからは一投足で出発点。 念願の軌道敷跡の紅葉見物が出来た、静かな【自然との触れ合い】の 一日でした。 |