ひとつには、生理的なものです。一般的に、高齢になると睡眠は短くなります。若いころは何時間でも眠れるし、眠りが深く、多少のことでは目が覚めません。でも、年とともに朝早く目覚めたり、眠りが浅くなるのは正常なことなのです。
それから、体内時計が狂ってしまった場合の不眠があります。昼夜逆転の生活の悪循環から眠れなくなったり、海外旅行のときの時差ボケなどがそうです。
昼間、仕事や子育て、介護などで過度の緊張のために神経が高ぶった状態になり、それが夕方から夜に持ち越してしまって眠れなくなる場合もあります。また、いつも強いストレスのある人や大きな悩みや精神的外傷を受けているために起きる不眠症があります。
仮に、よく眠っていても本人が眠っていないといえば不眠症ということになります。わたくしたちは、平均的な睡眠時間は8時間、人生の1/3 は布団の中と教わって育ってきました。しかし、現実には5〜6時間しか眠らなくても平気な人もいれば、10時間くらい眠らないと満足しない人もいます。不眠症では、たんに睡眠時間の長さだけではなく、朝目覚めたときの不満感、不快感、1日を通しての日常生活への支障の度合いなどが問題になります。すなわち「睡眠時間の短さ」を「睡眠の質の悪さ」の二つの要素が考えられます。