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チェンライのホンモノさん


いかにも福を呼びそうな大きな手だ。
顔は「放浪の天才画家」みたいだけど。

は、は、は、はなびのいろは、と、と、とてもきれいなんだな。
に、に、に、にぎりめし、ひとつ、わけてくれねえかな。



このお寺のそばに、チェンライのナイトマーケットはある。
山岳少数民族の衣装を着たかわいい少女が、
民芸品やらなんやらを、地面に広げて売っている。

チェンマイのそれのざわざわした賑わいはなく、
冬場の能登の朝市みたいなひからびた風情だ。

そこで、すごい光景を見た。
黄色い袈裟を着た坊さんが少女から布地を買っているのだが、
鬼のような値切り方をしているのだ。

40バーツでいいだろっ、なんでダメなんだ?

はた目にもおっかない凄み方だ。
少女は本当に困った顔をしている。
泣きだすんじゃないかと思ったぞ。

一度は手に取った布地をポンと放り投げて突き返し、
40バーツでいいんだろっ、なっ、おいっ、と睨みつける。

あんた、ホントに坊さんか?

そんなこんなで、愉快なナイトマーケット。
とどめはこれだ。

帰りがけ、出口の所で配ってたステッカー。
出かける時は忘れずに。忘れた時は出かけずに。







ナイトマーケットとは全く異なる品揃えで勝負する
地元市場もなかなか楽しい。
パンツのゴムひもとか、タワシとか、実用度120%の商品群。

そんで、向こうの方から、この人は歩いてきた。

エスニックないでたちは、
観光客に写真を撮らせるためでもないし、
みやげ物屋の店番をするためでもない。
きっと、山の方から、買い出しのために降りて来たんだ。

なんか腰に巻いてるやつも、頭の上のモコモコしたのも、
とてもしっくりきている。
よく見ると、靴も草履もはいてないし。

こういう人を、私は「ホンモノさん」と呼んでいる。
だから、
バシバシ写真を撮ったり、ジロジロ見たりするのは、失礼なのだ。

なんか1人で笑ってるように見えるのは、
この人が危ない人だからではなく、おはぐろのせいだろう。



いや、まてよ。
やっぱりカメラに向かって笑ってる。