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三カ国親善・天ぷらディナー



【登場人物】

悩みの無いタイ人・生粋のバンコクっ子のA君(以下「泰」)
ペナンから来た紳士・中国系マレーシア人のB氏(以下「馬」)
日本人接待係(以下「日」)

【日時】
2000年7月某日

【場所】
シーロム某和食レストラン

【メニュー】
天ぷらを中心とした和食



泰: OISHI って店、知ってる?500バーツで食べ放題なんだ。
  ついこないだサイアムディスカバリーにも支店ができたんだよ。

馬:日曜のランチだろ?

泰:違う違う、毎日。何時に行ってもいいの。友達は3時間いたって自慢してた。
  一通り食って満腹したら、店内を歩き回って運動して、
  食ったものを消化して、そんでまた食ったって。

馬:ペナンには和食レストランは7〜8軒かな。ホテルの中のも含めてだけど。

泰:(薄味の茶碗蒸しに不満そうな表情をしつつ、)
  日本人の食べる日本食って、味が無いのがいやだなあ。

日:(おいおい、日本人が食べてるのがホントの日本食なんだよ!)
  タイの人って、和食にも、唐辛子とかワサビとかガンガン入れたりするもんね。

馬:タイのあれがすごいな。麺食う時、砂糖いれたうえに唐辛子いれて中和するの。

泰:(ちょっと照れくさそうに、)自分で味を調節するのがタイのスタイルなんだよ。

日:あれ、マレーシアってそういうのないの?
  確かにマレーシア料理って、見た目のわりに淡白だよね。

泰:(カリフォルニアロールをつまみあげ、目の高さまで持ち上げて具を観察し、)
  これってさあ、木の敷物でクルクルして作るんでしょ。
  海苔の周りについてるプチプチはカニの卵かな?うへえ。

日:A君牛肉食べないのは知ってたけど、ナマ物もだめなの?

泰:牛肉は昔は普通に食べてたんだけど、結婚してから奥さんの影響で食べなくなった。
  だから焼肉の味楽行っても、チキンかポークを注文するんだ。あそこのランチ、
  ホントに安くてボリュームすごいよね。Bさんは牛とか大丈夫?

馬:私は仏教徒だから、なんでも大丈夫。

泰:僕も仏教徒なんだけど・・。
  (なんとなく咎めるような口調で、)日本人に宗教は何かって聞くとね、必ず
  「無宗教です」とか、「特にありません」とかって返事がかえってくるんだよ。

馬:でも、なんで日本人はイタリア料理が好きなんだ?

日:だっておいしいじゃない。

馬:私はチーズのニオイがだめだ。だからピザやパスタはとてもじゃないが..。

日:でも、世界中どこ行っても、中華レストランとピザ屋は必ずあるよ。
  トナカイの肉ばかり食ってたフィンランドの田舎町にだって、
  うまいピザ屋があった。インドにだって、ハンバーガー屋はなくてもピザ屋はある。

泰:僕もイタリアンはどうも苦手だなあ。でもタイの場合はね、結局、和食だって
  イタリアンだって厨房で作ってるのはラオなんだよ。

日:ラオ?

泰:イサーンだよ。話すの聞いてたら、タイ語じゃなかった。

日:ふーん。やっぱり言葉違うんだ。発音が違うの?ボキャブラリが違うの?

泰:全部違う。

日:(そんな言い方しなくても・・・同国人だろうが。)でも聞けば理解できるんでしょ?

泰:まあね。

日:Bさんは家でも英語なの?

馬:家ではテオチュウ(潮州語)。ペナンに多いのはホッケン(福建)だけどね。
  マンダリン(北京語)やカントン(広東語)を話せる人も多い。仕事の時は、
  相手によって、マレー語か英語になる。知らないと思うけど、マレーシアの学校って、
  他の科目の成績がどんなに良くても、マレー語の成績が一定ラインを越えてないと
  卒業させてくれないんだよ。

泰:ねえ、知ってた?タイは料理人を輸出してるって。
  人件費の安いイサーン出身のタイ人に、2週間位の日本食料理教室を受講させて、
  世界中の日本食レストランにコックとして派遣してるんだ。似たような顔してるから、
  日本からプロのコックが来たって言っても通用しちゃうんだって。

日:(ホントかよ?ほとんど詐欺じゃないか。)へえー。すごいね。

馬:横浜の中華街に行った事あるけど、まずかったな。なんというか、次々でてくる料理が、
  みんな同じ味付けなんだな。そうそう、日本で一番ひどかったのは、カレーの味だ。

日:カレーと言っても、実際には日本の家庭料理なんだよ。インド系の多いマレーシアで
  食べる本格的なやつとは、全く違う料理だと思ってよ。

馬:タイスキが、日本のスキヤキとは全然違うようなもんか。

日:そうそう。

泰:(両目をカッと見開いて、)えっ!タイスキって日本のスキヤキと違うの?

馬:(驚くA君はあえて相手にせず、)私はインド料理なら時々食べる。

泰:僕は嫌いだ。ねえ、タイスキって日本のスキヤキと同じじゃないの?

日:スリウォンやスクンビットに、結構な数のインド料理屋があるよ。
  今日そこにしてもよかったな。

泰:インド料理のニオイがだめだ。インド人もクサイからいやだ。こないだなんか...
 (ビアシンの酔いが回ったか、ハラハラするようなA君の率直発言が続くが、割愛。)

馬: ・・・・・・ (さすがに、民族がらみで色々あるマレーシアの人らしく、
          このトピックに関しては沈黙を守る大人のB氏。)

日:そう言えば、シンガポールにもおいしいインドレストランあったなあ。

馬:あそこは全く油断も隙もない。車でジョホールから入って市内を走るよな。
  物価が高くてどうしようもないから、ろくな買い物もできずに帰る。
  国境の橋のとこまで戻ってくると、足止めを喰らうんだ。
  「貴方は、ココで乗り入れ禁止違反、ココで一時停止義務違反を犯しました。
  出国する前に、罰金○○ドル払って下さい。」とくる。
  市内の道路を、無人監視カメラでチェックしてやがったんだ。このナンバーの車は、
  この曜日にだけ、この道路を走っていいとか、規則が細かすぎて、
  何がなんだかわかりゃしない。なんでもかんでも Fine(罰金)、Fine(罰金)って、
  全く Fine(素敵)な国だぜ!
 (なにかシンガポールに個人的恨みでもあるのか、急に口調に厳しさが増したB氏。)

→→酔っ払ってきたせいか、このあたりから3人とも、前後の脈絡無く
   自分勝手な話題のぶつけあいを始める。


泰:7年前に買って30万km走った HONDA の車、買った時と同じ値段で売れたよ。

日:(またあ。はなし半分の典型だな。)名前の響きは似てるけど、
  HYUNDAI だったら無理な話だね。

泰:そうそう。TOYOTA みたいにタクシー車両に使わせたりせずに、タイの HONDA は
  ブランドイメージを必死で守ってるからね。中古市場でも人気のある HONDA
  ならではなんだ。

日:日本では、買って5年経つと、3万kmしか走ってなくても価値がゼロになっちゃうんだよ。

泰:5年でゼロ!(またしても両目をカッと見開いて絶句するA君。)

馬:これ珍しくてうまいな。注文したい時は、なんて言えばいい?
  (訪日経験もあり、なかなか和食に詳しいB氏。目のつけどころが上級者だ。)

日:海老をシソの葉で巻いて天ぷらにしてあるんだよ。どこの店にもあるわけじゃないけど、
  ここでは「エビシソ」って言えば通じる。タイではこの葉っぱ、結構高いんだ。

泰:(イカ天を箸でツンツンして硬さをチェックしつつ、)これ何?

馬:足が10本あるやつだよ。高架鉄道は乗らないのか?

日:A君、BTSできてから何回乗った?

泰:5回ぐらいは乗ったよ。車になっちゃう、やっぱり。
  (突然思い出したのか、いきなり得意そうに、)今、バンコク、地下鉄掘ってるんだよ。

日:こないだの日曜、選挙行った?

泰:投票所閉まる直前にすべりこんだ。2番のウィナイに入れたよ。サマック嫌いだから。

日:あのポスターいいよなあ。(A君と2人で、Vサインをだしてニカッと笑うウィナイ氏の
  都知事選ポスターのポーズをまねする。)
  そう言えば、○○さん、タイ愛国党のロゴが背中にでっかくはいったジャンバー
  いつも着てるじゃない。

泰:彼女、党首のタクシンのファンなんだよ。彼女の前で、へたなこと言うと大変だよ。
  こないだも喧嘩してた。まじで。

日:(「タクシンは板東英二に似てる」と言おうと思ったがやめる。どうせ板東英二
  なんか知るわけないし。)

泰:先週アユタヤへ行く道路で、友達がスゴイの見たって。
  モトサイの客で女の子だったんだけど、事故でね。道路に転がってたんだって。

馬:マレーシアは、バイクタクシーってないんだよ。インドネシアは確かあったな。

日:えーっ、そうなの?マレーシアないの?

泰:タイしかないよ、あんなの。でね、胴体だけだったの、その子。頭と足と腕は
  どこかにいっちゃってたんだって。怖いよなあ。バイクの後ろ席が1番やばいよ。

日:そう言えば○○ちゃんは、あれ、マイ メットなんでしょ?

泰:そうそう。バイタク通勤だからね。誰がかぶったか分らないヘルメットは
  やっぱりいやなんだろ。
  怖いと言えば、タニヤの女の子は、路上で腕をひっぱるんだ。
  しかもタイ人だってわかると、いやな顔をする。

馬:ペナンには日本人カラオケがパラパラあるくらいだ。
  パッポンみたいな場所はないな。
  (五目いなり寿司の中のかんぴょうをチェックしつつ)これは大根か?

日:A君は、だいたいラチャダ方面なの?

泰:高いよ。ドリンク頼んでないのに時間につれてどんどん追加料金ついちゃう。
  友達がエカマイの大きな店の会員だから、そっちに行ってる。
  でも、日本の女の子って、なんで焼きたがるんだろ?機械を使ったりもするんでしょ?

日:「日焼けサロン」って、タイにはないよな。

泰:あはは。そう言えば Harajuku っていうとこへ行くと、真っ黒な顔して、髪の毛の
  色の変な女の子が道路で踊ってるんでしょ?日本にいた頃、踊りに行った?

日:(一体いつの話だ?いい年こいて原宿なんか行くかっ!)僕は行かなかった。

泰:アレッ?野菜が苦手なんじゃなかったっけ?いつも昼メシの時、残してるじゃない。

馬:その天ぷらはポテトか?

日:英語でコレなんてんだっけ?あっ、そうだ。スイートポテトだ。
  野菜は苦手じゃないよ。昼メシの時残してるのは、タイの屋台料理の野菜って
  農薬たんまりでヤバイって聞いたからだよ。

馬:シンガポールもマレーシアも、危ないって事で、タイからの輸入止めたんじゃ
  なかったっけ。

泰:(なぜか得意そうに、)そう。タイの果物とか野菜って、農薬も防腐剤もすごいんだ。
  リンゴなんかすごいよ。買ってから1週間たっても、1ヶ月たっても全然変化ない。
  そういうの毎日食べてる人だったら、死んでからも1ヶ月位は腐らないはずだって、
  よくみんなで話してるよ。

日:ぎゃはは。暑いタイでも腐らない。葬式の日程もゆっくり組める。
  日本じゃ、その昔、バナナが高級フルーツの代名詞だったけど、タイの
  ステータス・フルーツって、リンゴだったんだよな。

馬:このミソスープ、私はいらないから、どうぞ。
  学校のカリキュラムに入ってるから、日本人はみんな泳げるんだろ?

泰:(明らかに動揺して、)そ、そうなの?みんな泳げるの?
  タイの学校ではボクシングとかやらされるけど、泳ぎはちょっと・・・。

日:A君、軍隊は?入らなかったの?

泰:うん。袖の下で逃げられる。2年は長すぎるよ。
  That's It. は?最近、行ってる?

日:ずっと行ってない。Front Page は Siam Diary って名前が変って、筋向いに
  新 Front Page ができた。

泰:あそこの Fuji 、今度は10%オフやってるよ。友達はゴールドメンバーカード持ってる。
  1万バーツくらい食べるともらえるんだ。

日:( Fuji にそんなに通えるかっ!) Fuji で1万バーツなんてムリだ、そんなの。
  ところで、こないだ○○○さんが、おおばんぶるまいしてたろ。
  結局、彼女の買ったロッタリー、いくら当たってたの?

泰:12000バーツ。自慢じゃないけどボクは1度も当たったことない。
  今度、電話でアンダーグラウンドのやつ申し込むつもりなんだ。

馬:ほおー、タイにもロッタリーあるの?私のは、ホラ。
  (急にうれしそうな笑顔を見せ、財布から Jack Pot という名前のマレーシアの
   宝くじを取り出して見せびらかすB氏。)

泰:マレーシアでも、買う時に番号選べるの?そうだ、今度は XXXX でいくか。

日:おい、なんで俺の車のナンバー知ってんだよ。

馬:シンガポールがマレーシアから分離したのって62年だったかな、65年だったかな?


→→こうして、とりとめのない非生産的会話はさらに続くのであった。