【地元TV完全実況】 −空から平和をばらまく日−

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折り鶴にタイ南部の平和を託して
……ただいま粛々と作業中です。

「ねえ、弁当まだぁ?」


A

満足のいく出来ばえだったのか
みなさんすごくうれしそう。

タイには手先が器用な人が多いのです。


B

その割には随分ずんぐりしているような気もしますが、
正確には「鶴」ではなくて「鳩」だとのこと。
日本と比べると、折り方も数工程はしょっています。

できあがったブツを回収する段ボール箱を
勤務先オフィスなどで見かけた人も多いはず。
ちなみに、うちのボロマンションの1階フロントにも、
「あゆみの箱」みたいな感じで設置されていました。


C

可燃ゴミの焼却場ではありません。
バラマキ当日の格納庫です。

平和への願いをこめたゴミの山、じゃなかった、
折り鶴がビニール袋に詰められ無造作に転がっています。


D

後方の軍用機がバラマキ作戦を遂行します。

横腹に"Royal Thai Air Force"と思いっきり書いてあって、
なんかあんまり「平和」な感じがしません。



E

その頃、地元の人々は……なぜかエアロビの真っ最中。
健康増進しながら平和が空から降ってくるのを待ち受けます。

手前の人、故・大平正芳元首相に似ていますが、
きっと本人はそのことに気付いていないと思いますし、
残りの人生でその事実を知ることもないでしょう。


F

トラ・トラ・トラ!
作戦機、ついに爆撃目標上空に到達せり!

軍服姿の精悍な兵士たちが、次々と袋をぶちまけます。

「どりゃぁー!これでも食らえ!」


G

ズゴゴゴゴゴゴ……
入魂のバラマキ作戦を機外から見たところですが、
ゴミを不法投棄しているようにしか見えないのが哀しい。

当初の目標は、国民1人1羽の計算で6200万羽。
しかし、最終的には1億羽近く集まったらしいです。
本当ならすごい!いや、本当でなくても、
こんなことやるってだけで十分すごい!


H

広場に集まった大勢の地元民がわくわく待っています。
カメラはイスラム系住民の姿をさりげなくフォロー。

まだかな、まだかな、
学研の〜おばちゃんまだかな〜♪



I

「見えたァァァァ!」
眼鏡のおばちゃん、大はしゃぎです。

両手で空を指差し、
「ほらほらほらほら!きたきたきたきたあああ!」



J

無情にも、平和爆撃機はおばちゃんの頭上を通過。
「あっちあっちあっち!まいてるまいてるまいてるぅぅ!」

グギッ!!

「はうっ!」

おばちゃん、腰だいじょうぶ?


K

大群衆にもみくちゃにされながらも、
落ちてきた折り鶴を根性で入手、
書いてあるメッセージを必死に読み上げる現場レポーター。

『これを拾った女の人は今度の日曜ボクとデートしてください』


L

「投下された鶴の中に、首相が折った『懸賞付き当たり鶴』
が混じっている」「5千羽拾い集めて役所に持って行けば、
扇風機と交換してもらえる」……噂は噂を呼び、
熾烈な折り鶴争奪戦が勃発。

ビニール袋を天に向けダイレクトキャッチしようとしている
無邪気なガキンチョを尻目に、
傘を活用する効率重視の知恵者の姿も……。




(参考)外務省タイ渡航に関する危険情報 (2004/12/11現在)  詳細はこちら

◎ナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県: 「渡航の延期をおすすめします。」(引き上げ)
◎ソンクラー県: 「渡航の是非を検討して下さい。」(継続)
◎首都バンコク都: 「十分注意して下さい。」(継続)


マレーシアに近いタイ南部の県、ソンクラー、パタニー、ヤラー、ナラティワート。イスラム教徒が多いこれらの地域では、タイからの分離独立を要求する過激派グループが以前から存在していましたが、近年の世界的なイスラムテロの動きに刺激され、その活動が活発になっています。2004年4月、警察・軍を同時襲撃した過激派がパタニーのイスラム寺院で立てこもり、30数人全員が射殺された『クルセモスク事件』。2004年10月、抗議デモ参加者を当局が拘束、トラックで移送中に約80人が窒息死した『タークバイ事件』。そして、これらの事件への報復として頻発する仏教徒の住民に対する無差別な爆弾テロや銃撃。死者の総数は数百人となり、タイ南部の治安は悪化し続けているのが現状です。そんななか、平和への願いをこめた折り鶴をタイ全土の国民が準備し、12月5日の国王誕生日に問題の起きている深南部の県に空からばらまこうというキャンペーンが、政府主導で実施されたのですが……。


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