現地情報誌…気になる投稿&広告



日本語フリーペーパーが、質量ともにこれほど豊富に出回ってるのって、
世界中の日本人コミュニティを捜しても、バンコクぐらいだと思う。すごいなあ。
これらの情報誌って、無料掲載がモットーゆえ、
なんとなく気になる、得体の知れない投稿も満載だ。
暇つぶしに最適なので、手当たり次第に見ていこう。



『助けてください!!』
冤罪事件の救済に取り組んでいる方、また再審請求のため良きアドバイスや
色々な相談に乗って下さるご親切な方はおられませんでしょうか?
助命嘆願書、署名を集めて下さる慈善団体、ボランティア活動家の皆様、
どうか私を助けて下さい。ご連絡をお待ちしております。
○○市○○区○○町○−○−○
○○○○(日本の住所&氏名)


『助けてください!!』というタイトルに、まずビビる。
せっぱつまってるみたいだ。大丈夫か、この人?
だいたい、なんでミニコミに、こんな深刻な投書するんだろ?

「いらなくなった洗濯機譲って下さい。全自動でなくてもかまいません」とか、
「1度しか使用してない(ウソつけ!)デジカメ2万バーツでお売りします」とか、
まわりはそんな投稿ばっかりなのに……
いきなり「助命嘆願書」って……一体タイで何やらかしたんですか?



漢和辞書譲って下さい。古くても小さくても可。
邦人服役者が求めていますので、無料ないしは安価でお願いします。
できたら2冊。
XXX-XXXX(タイの電話番号)


文庫本でも週刊誌でもなく、漢和辞書だというのがいい。
「できたら2冊」という、最後に付け加えた控えめなフレーズも泣かせる。
異国でのオツトメ、御苦労様です。



元気で気強い若い日本人女性募集!
毎日数時間、タイ日通訳をエンターテイメントプラザでできる人求む。
(タイの電話番号&日本人名)


渡タイ当初、一体なんのことだかわからなかった「エンターテイメントプラザ」。
なるほど、具がぎっしり詰まった「娯楽施設」だと納得したのは、
ずいぶん後になってのことだった。

「元気で気強い日本人女性」という資格要件がおかしいが、
「病弱でおとなしい日本人女性」なら、
タイに居座って職探しなんてしてないと思う。



タイ人ドライバー紹介します。
日常の足として、車が必要な方、
仕事熱心でまじめなドライバーがどこでもお供します。
1ヶ月25,000バーツから。
詳細はXXX-XXXX(タイの電話番号)


大卒国家公務員の初任給が8,000バーツ程度の国で……ものすごい高給だ。
きっとオックスフォードで博士号を取った、5ヶ国語ペラペラの運ちゃんなんだろう。
そうじゃなかったら、
この投稿をした日本人紳士の仲介料が20,000バーツほどなんだな。



XXXXX神霊治療
あなたは本当の自分を生きていますか?自分の身の回りに起きている
全ての出来事があなたの心の反映であることに気づいてますか?
XXXXXは、魂に光をあて、病気・悩み事・人生がうまくいかない、
その理由を知り、自分を輝かせる魂の浄化法です。スピリチュアルヒーリングの他、
前世、カルマ、チャネリング、浄霊、夢のかなえ方、イタコもします。
TEL:02xxxxxxxx E-MAIL:xxxxx@yahoo.co.jp


イタコって、なにもタイに来てまで……。



私と同じで、タイに真面目に働きに来ている日本女性の方、お友達になって下さい。
ただし、タイ人BFのいる方は不可。連絡先は01-XXXXXXX


ケータイ番号まで載せちゃって、大丈夫なんだろうか?
私はマジメだけど、そうじゃない人がいっぱいいるとでも言いたげな友達募集……
「タイ人BFのいる方は不可」ってフレーズがおかしい。
言いたいことはよくわかるけど。



一方で、タイ人女性(と称する人)から、こんなのも。

私はタイ人女性です。OLです。
まじめに付き合ってくれる友達を探しています。
私は日本語が話せませんので、先輩の○○さん(日本人名)に連絡を。
電話:09-XXXXXXX


言葉どおり受け取れば、ほほえましい友達募集だが……なんか変じゃないか?
同性の友人を探しているのなら、「まじめに付き合って」などといわないはずだし……。
先輩の○○さんってのも、いまいちよくわからない。



さらに一方で、こんな人も。

ノンカイから帰ってきたばかりの苦学生です。
テレビ、冷蔵庫、洋服ダンス等を安価で譲ってください。

自分で「苦学生」と名乗るのも、いまどき見上げた根性だ。
すぐ上で紹介したタイ女性とお友達になって、おごってもらうといいんじゃないかな。



帰国につき、G-Diary創刊号から34号まで、全部で1500バーツで売ります。
連絡先:01-XXXXXXX ○○○○(日本人氏名)


うひゃあ。これは、かなり恥ずかしい「売ります投稿」だ。
きっと、毎号かかさず発売日に入手、擦り切れるまで愛読していたんだろう。

しかし、冷静に考えてみると、「私、買いたいです」と連絡するほうが、
もっと恥ずかしいような気もする。



広告のほうにも、思わずじっくり読んでしまうようなものが……

日本で大評判!レーザー包茎手術
手術費は日本国内の1/5程度
手術のその日に日本帰国可能


切ったその日に飛行機乗って日本に帰るっていうのも、なんか……
機内食でイカリングとか出てきたらツライよな。



彼女は本当にひとり?
真実を知ることはあなたの人生にとって、とても大切なことです。
無駄なお金と時間を使うくらいなら、悩まず日本語でどうぞ。


手術して大人の階段のぼっても、悩みは尽きることがない。
で、探偵会社の広告だ。
「彼女は本当にひとり?」のキャッチが、ありがちだけど効いている。



ここは一体どこなんだ?って感じの広告を三つほど。
ありがたいといえば、ありがたいのだが、
なんかもう外国暮らしの緊張感もなにも吹っ飛んでしまいそうだ。

「秘蔵いりぬか」心をこめて作りました。
木桶入り糠どこ、売ります教えます。

青畳の香り、イグサの感触。
畳職歴35年のベテラン日本人職人が製造。

木綿とうふ、絹越しとうふ、おぼろどうふ、ざるどうふ、厚揚げ……
街のお豆腐屋さんが宅配いたします。




ところで、バンコクの街なかでは、英語情報誌もよく見かける。

老舗の有料誌Metro Magazine
レストランイエローページみたいなBangkok Dining & Entertainment
チープにくすんだ印刷が渋いBangkok Life Style
写真が豊富で誌面も外国っぽいGuide of Bangkok
などなど。



こうした英語タウン誌によく載っている「F」という出張マッサージの日本語広告。
日本語といっても、フォントがなかったのか、
瀕死のミミズがはったような筆跡でこんな文章が……

「御気楽にホテルの部屋で個人的サービス.
マッサージのテクニックは絶対に満足!いつでも御どうぞ.」


「いつでも御どうぞ」ってフレーズ、すっかり気にいってしまった。
死ぬまでに1回ぐらいは、おどうぞさせてもらいたいものだ。



「友情深く清潔でゆったりした環境が完備されます」
「数人のハンドサムなマッサージ士が選定のご対象になります」


「H」というモーホーサウナ。
英語タウン誌の日本語広告って、こんなんばっか……。
そうか。ハンドサムなマッサージ士を選定していいんだな。
そのケがなくてもドキドキしちゃうぜ。



英語フリーペーパーといえば、
Bangkok Life Styleの Personal ADS のコーナーもかなり渋い。
みんな勝手なこといいつつ、「お友達」を探しているのだ。



Thai Lady 33 years old wants to meet romantic foreign man
48 years old and up who will take care of her.
Voice Mail Box : 00XXXX


48歳以上って半端な条件が、なんとなく不気味。
take care って、具体的にどうすればいいんだろう?



Palm reader Thai lady would like to have someone to understand and talk to.
Voice Mail Box : 00XXXX


手相をみることはできても、真の理解者を見つけるのは難しいようだ。
たぶん自分の手相をみたら、情報誌に投稿して理解者を探せってでてたんだろう。



37 year old Englishman looking for his rose.
Must have an outgoing nature and an open mind and financially independent.
Voice Mail Box : 90XXXX


オープンマインドはいいんだけど、Rose を探してるって、なんか気持ち悪いぞ。
financially independent って、もしかして、
デートしてもおごらないぞっていう決意表明か?



Normal lady who likes to drink coffee and read books (Dostoevsky)
would like to have foreign friends to practice her English with.
Voice Mail Box : 90XXXX


コーヒーとドストエフスキーが好きなノーマルな女性って……
頭が悪くなるから、20歳になるまではコーヒー飲んじゃダメって、
親にしつけられたタイ女性の話も聞いた事あるけど……。



24 year old Thai lady working in five-star hotel looking for a friend
who she can talk with, especially a white person with glasses.
Voice Mail Box : 90XXXX


これはいかにもな内容だ。
五つ星ホテル勤務というプライドと、白人でメガネをかけた人がいいという好み。
ある階層のタイ女性の趣味がよくでてる。
きっとセームなんか、好きなんだろうなあ。



最後に、香港からやってきたAsia City Publishingが、月2回発行している
「BK Magazine」
という大判のフリーペーパーを紹介しよう。
誌面は読みやすく、バンコク市内のイベントや映画情報が充実。
濃くはないけど、あっさり楽しめる、お薦め情報誌だ。



最新号をパラパラやると、なぜか、「日本を訪ねよう」という特集が。

「明治神宮」や「箱根彫刻の森」や「東急ハンズ」など、
選択基準のよくわからない場所たちにザッと触れたうえ、
東京の宿泊施設として、「パークハイアット東京」と、
一泊9400円の家族経営「Sawanoya旅館」を紹介しているのだが、
これも考えてみると不思議な組み合わせだ。
「Shibuya's Love Hotel Hill」へ行けば、
10000円程度で一晩泊まれるとの情報も載っているが、
これはどうやら円山町のラブホ街のことらしい。

さて、特集のあとには、レギュラー情報ページが続く。
そんな中、「レストランレビュー」の項に、こんな文章を見つけてしまった。

『エレガントでフォーマルな雰囲気も、部屋の中央に陣取るバンドのせいで台無し。
いわゆるカリフォルニア料理を期待して行くとガッカリする。
メインディッシュの肉や魚は恐ろしく薄っぺらで、ヘビーなソースの海に沈んでおり、
温野菜にいたっては、スーパーの冷凍食品そのままだ。
評価 : ★ひとつ(こんな店忘れろ)』


これはエカマイの新しい店「G」についての紹介コラムの一部である。
ほとんど営業妨害に近い正直なコメントだ。

で、なにがスゴイかというと、このコラムのあるすぐ次のページに、
この「G」のおしゃれな広告が掲載されている点だ。
この店、同誌の広告主なのである。
ひたすら「ちょうちん」する日本語メディアでは考えられない力強さ……
スポンサーのこと、こんなふうに書いて、いいんだろうか?

きっと、このお店のオーナーは、ものすごく広い心の持ち主か、
あるいは、全く英語の読めない人なんだと思う。





=>HOME   =>BBS   =>DIARY   =>MAIL   =>BOOK