尊師と行こう、死体博物館


2015年2月末発売
『映画の中の奇妙なニッポン』 皿井 垂(さらい たれ)著

悪魔の飽食731部隊から生贄日本人バックパッカーまでclick!!



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◆『バンコクジャパニーズ列伝
  外こもり・ふくちゃん、ゲイ男爵、闇のニューハーフ…東南アジアの黒い交友録

◆『バンコク裏の歩き方
  奇形水牛村に秘密のタトゥー…セメント地獄寺の好きなB級スポットマニアに捧ぐ

◆『ソウル裏の歩き方
  恨みはらさでおくべきか…旧日本軍の拷問博物館へナッツリターン!

◆日刊サイゾー『日本脱出・海外逃亡・海外ニート特集記事』 死して屍拾う者なし





あきれるほどの軽装備に不敵な不精髭をはやし、男はドンムアンに降り立った。いまだかつて、紙袋ひとつで海外に旅行した人間を尊師以外に知らない。スーツケースはもちろん、リュックもなしだ。バックパッカーだって、尊師にはかなわない。


いつもの修行服に着替えたら、王宮も見ないうちに、いきなり死体博物館だ。あっ、ちょっと、骸骨に空手チョップなんて、そんなご無体な…。



尊師のお気に入り、人体の輪切りだ。


あっ、だめです尊師、ひとつ持ち帰ろうなんて。



男女一体ずつ、永遠のさらし者だ。


尊師、ジーマでなめるように撮るのやめて下さい。
撮影したビデオ、一体なんに使う気ですか。


えっ、腹減ったからメシ食わせろって?
…しょうがない、博物館は引き上げて高級和食へお連れしましょう。

うーん、いきなり刺身と焼肉ですか?
でも、さすがは尊師、食事前の瞑想は怠りません。
タントゥーラを唱える尊師の背中に、和服のウエイトレスさんの冷たい視線が…。



★2013年の最新現地情報 
 ブログ記事「チュラロンコーン大学にオープンした新しい死体博物館」
はこちらでどうぞ!!



「グロの寛容(毎日がスプラッタ)」


唐突ですけど、こぼれた脳みそとか、はみだした内臓とか、部屋中に飛び散った血しぶきとか、お好きですか?

タイの皆さんは結構お好きみたいです。25バーツもだして”CRIME NEWS”などの専門誌なんか買う必要ありません。毎日のテレビのニュースや新聞記事に、ノーカット総天然色でこれらの趣向を盛り込んだ事故&事件写真が華やかに登場します。2大タイ語新聞「デイリーニュース」「タイラット」の第一面なんか、日本じゃ東スポさえ載せないような「ホトケさん」写真のオンパレードです。こうして見ると、人間の体って随分もろいもんなんですね。しかし、なんで普通の新聞の第一面がこれなんでしょう?いくら大衆紙とはいえ、三面にまわすとか、もうちょっと恥じらいが欲しいところです。

ただ、テレビも新聞も、最近はちょっとパワーダウンしてるみたいです。ここ1年くらいは、ボカシ報道が目に付くようになってきました。でもそこはやっぱり、われらがタイランド。床にぶちまけた脳ミソには黒塗りやモザイクがかかっているのに、肝心のホトケさんの頭の割れ目は見えてたり...。いったいどういう基準で自主検閲してるんでしょうか?「先っちょ」見ないとオッパイ見た気にならないのと同じで、なんかすっきりしませんね、中途半端な自主規制というのも。

日本の社会で暮らしていると、公衆の耳目から極力遠ざけられているものってありますよね。死、病、異端者、被差別者、排泄物、○○○○etc。これはインドなどに行くと特に強く感じる事ですが、我々日本人が日本にいる時、ふだん見ないように見ないようにしているこうしたモノ達が、ポンとそこかしこに無造作にころがってる感じがします。道は牛や人のウンコだらけだし、どう見てもあと3日ももたないんじゃないかって感じの痩せ衰えたおじいちゃんが沐浴してたり。インドにはかなわないけど、タイでもやっぱりそういう部分ありますよね。

私自身がタイに来てから実際に見ただけでも...
車道の真中で仰向けで雨ざらしになって死んでるお父さん(ラプラオの大通りで)、建築中の高層ビルの火災で、煙に煽られながら屋上に避難し、ヘリコプターの救出を待つ生きるか死ぬか瀬戸際の人々(プルンチットのプレジデントタワーで)、ひっくり返って体が変な具合によじれてたバイタクのお兄さん(インタマラの小さな交差点で)、女子学生を乗せたままいきなりぶっつぶれたトゥクトゥク(シーロムとラマ4の交差点で)、手錠をはめられ弾のはいってない拳銃もたされ、警察官といっしょに殺人現場検証中の逮捕済みあんちゃん(プランブリ近くの幹線道路路肩で)、エアコンも効いてない開けっ放しの部屋に黒いビニールに包まれ放置してある十数体の死体群(バンコクノイ駅のそばにある某大学病院内の通りすがりの教室で。)...等々、日本じゃいずれも見たことなかったものばかりです。

「人権」という見地からはどうなんでしょう?

事故や事件で亡くなった人のみならず、タイでは、罪を犯した人もガンガンTVや新聞に登場します。殺人犯からコソ泥まで、みんな顔出しOK。(と言っても、本人がOKしてるわけではないでしょうが。)大抵の場合、手錠かけられた犯人が警察官に囲まれ、証拠品を指さすポーズをとらされ、記念撮影、いや記録写真を撮っているところが、テレビニュースで放送されます。もちろんその時の写真は、翌日の新聞にばっちり登場。証拠品がミヤンマーから持ち込んだ密輸品とかなら、まだかっこもつきますが、女性の下着と懐中電灯だったりしたらもう最悪。周囲の警察官も、このての事件の時は「しょうがねえなあ」という表情で目が笑ってます。

個人的には、5年ほど前マニラで見たテレビニュースの映像が、最強のインパクトでした。
どう見ても10歳くらいの男の子3人が、刑務所の檻の中に入ってます。3人とも泣いてます。そして鉄格子の外側から、どう見ても小学校低学年の女の子が、中の少年達を指さすポーズをとっています。この女の子も泣いてます。檻の前で彼女を取り囲んでいる報道陣が、その姿を写真におさめています。英語ニュースだったので”rape”という言葉が聞こえてきました。被害者も加害者も顔出してました。あれ一体何だったんでしょう?

最近のタイの報道はそこまで行ってないようですが、「人権」って国によって、その重さと解釈の幅にバラツキがあるようですね。タイの新聞のグロンチョ写真を見るたびに思うのですが、こんなふうに言われてるような気がします。

「だって、死んじゃったもんは仕方ないでしょ。はみだしちゃったもんは仕方ないでしょ。」




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