レンチキュラー写真10
Nishikaで二度撮り
画質と実用性の両立
撮影・
レンチキュラー写真の作成
気軽にレンチキュラー写真を楽しむにはもってこいのNishika N8000であるが、4コマの立体写真では質の面で不満が残る。前報の連写カルディアビューンでは、撮影される写真の画質は決して良くないものの、8コマの威力は絶大で立体写真の出来映えはなかなかのものだった。Nishikaでもステレオ写真で良くやられる「二度撮り」をすれば8コマの写真が撮れる。簡単な冶具を作って二度撮りにトライしてみた。
制作した二度撮り用の冶具は、三脚に取り付けるベース部とカメラに取り付けるスライド部からなる。ベース部を構成する部材の図面を下図に示すが、いずれも厚さ4mmのMDFを材料とし、部材Bのみ二枚作って計4枚になる。

図10−1 ベース部の部材を厚さ4mmのMDFで作る(Bは二枚)
さらにスライド部を構成する二枚部材の図面を下に示した。同様に4mm厚のMDFをカットして作る。

図10−2 スライド部の部材も厚さ4mmのMDFで作る
これらの部材を下図のように重ね、木工ボンドで接着して工作は完了になる。

図10−3 各部材を重ねて貼り付け、ベース部とスライド部を作る
出来上がった冶具を両面から見た写真を下に掲げる。スライド部はベース部にはめ込んでスライドさせるので、うまく入らないようなら側面を削って入るようにする。
写真10−1 制作したベース部とスライド部
ベース部は三脚に取り付けるため、「三脚で撮影1」で使ったカメラ用品のメス−メスネジを付ける。
写真10−2 ベース部に止めネジで厚さ13mm、60φのメス−メスネジを付ける
スライド部はベース部のくぼみに入れて、74mm位置を動かすことができる。これはおよそNishikaで一回に撮影される4コマ分に相当する。
写真10−3 ベース部に乗せたスライド部は左右に74mm動かすことが出来る
冶具にNishika N8000を取り付け、撮影する様子を下に示した。スライド部に乗せたカメラを右いっぱいの位置において一枚撮影し、次に左に突き当たる位置まで動かして二枚目を撮影する。
写真10−4 ベース部を三脚に取り付け、スライド部に付けたNishikaを左右に移動しつつ二回撮影
撮影したネガをスキャナ(GT-9700F)で読みとったものを下に掲げた。フルサイズ4コマ分に8視点の像が並ぶが、これはカルディアビューンの4倍の面積に相当する。


写真10−5 4コマ×2=8コマの写真(8視点)が撮れる (ISO100)
これから各画像を切り取りレンチキュラー写真の元画像とした(写真10−6)。
写真10−6 撮影例1(ISO100) ネガを1200dpiでスキャン
カルディアビューンと違い、各画像の大きさが揃っているのでトリミングロスも少なくなる。なによりフィルム面積が大きいことは画質の面でかなり有利だ。
撮影例をもう一つ掲げておく。
写真10−7 撮影例2(ISO100) ネガを1200dpiでスキャン
撮影例を元にLenticularPhotosJを使ってレンチキュラー写真を作成した。草木が被写体の場合、花や葉は風の影響で位置が変わるため、二度撮りでは基準点に適さないと考え、撮影例1では左下にある薔薇の根本を基準にしてオフセット調整を行った。
出来上がったレンチキュラー写真を下に示す。サンプリングインターバルは3にして3Dフォトフレームに合うサイズになった。実際に印刷して3Dフォトフレームに入れてみると、画面から飛び出す位置にある黄色い花も結構見える。立体写真としての質はかなり高い部類に入ると思う。

写真10−8 撮影例1から作成したレンチキュラー写真(480dpi)
さらに撮影例2のレンチキュラー写真を写真10−9に掲げる。両写真ともダウンロードして、解像度480dpiの画像として印刷すると3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真になる。撮影例2ではあえて中央の赤い花を基準にして位置合わせを行ってみたが、特に二度撮りの不具合は感じられなかった。

写真10−9 撮影例2から作成したレンチキュラー写真(480dpi)
4視点と比べると8視点のレンチキュラー写真は別次元の代物である。二度撮りはステレオ写真ではポピュラーなテクニックで難しいことではない。Nishikaを使えば同じ手間で8視点のレンチキュラー写真を撮影することが出来るのだからうれしい。4視点のレンチキュラー写真に満足できない方は、一度試して御覧になったら如何かと思う。
Nishikaで8視点像を撮る・
撮影・
レンチキュラー写真の作成