レンチキュラー写真2
4連写カメラ Action 4
チェンジング写真の作り方
4連写カメラ・
下ごしらえ・
フリーソフトでチェンジング写真を作成・
まとめ
レンチキュラーレンズを使った写真は立体写真だけではない。見る角度によって画が切り替わる性質を使ってコマ送りの効果を演出するチェンジングがある。チェンジングでは左右の目に異なるコマが見えては好ましくないので、レンチキュラーレンズを水平に使い、縦の視点移動をコマ送りに結びつけることが多いようである。
チェンジング写真は基本的に立体写真と同じ手順で作ることができる。ここではよく見かける4連写カメラを使って連続写真を撮り、実際にチェンジング写真を作ってみた。
使用した4連写カメラ Action 4を写真2−1に示す。いわゆるトイカメラで、少しずつデザインの違う同様のカメラが異なる名前で多数存在するが、恐らくどれを使っても同じであろうと思われる。シャッターは穴の開いた円板で、これが回転することで4枚の連続写真を所定の時間間隔で撮影する。

写真2−1 4連写カメラ Action 4
Action 4の撮影例を写真2−2に示した。ここではEPSON GT-9700Fを使い、ネガを1600dpiの解像度でフィルムスキャンして読み取っている。
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4 |
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3 |
写真2−2 Action 4の撮影例(ISO100)
35mmフルサイズに4コマが田の字に並ぶが、横に順序を数字で書いたように左上から左回りで順にコマが並び、最後のコマが右上になる。
この写真(データ)を使って実際にチェンジング写真を作ってみる。
写真2−2を四つのコマに分けたものを元画像とする(写真2−3)。Aが最初のコマでDが最後のコマになる。
写真2−3 撮影例を四つのコマに分ける
手撮りなので四つのコマを撮る間にカメラが動いており、これにパララックス(レンズ位置の違い)が加わって、各コマの写る範囲がかなりずれているのが判る。動いている被写体を際立たせるため、ここでは静止した被写体に基準点を置き、基準点の位置(座標)が各コマで同じになるようにトリミングして大きさの等しい四画像を作る。
実際には中ほどやや上に写っている街灯に基準点を置くことにした(写真2−4)。

写真2−4 静止している街灯に基準点を置く(+で表示)
各々のコマにおいて基準点の(左上を原点とした)座標を調べると表2−1のようになり、x座標はBの635が、y座標はAの166が最も小さい。何しろカメラの動きは気まぐれなので、どのコマが最小になるかは常に異なると考えなければならない。
表2−1 トリミングによる座標と画像サイズの変化
| 元画像 |
記号 |
A |
B |
C |
D |
| 画像サイズ |
1117×747 |
1111×733 |
1117×739 |
1113×745 |
| step 1 |
基準点の座標 |
(638 , 166) |
(635 , 188) |
(647 , 215) |
(645 , 197) |
| DX |
3 |
0 |
12 |
10 |
| DY |
0 |
22 |
49 |
31 |
| 画像サイズ |
1114×747 |
1111×711 |
1105×690 |
1103×714 |
| step 2 |
画像サイズ |
1103×690 |
1103×690 |
1103×690 |
1103×690 |
x座標y座標共に最小値に揃えるため、図2−1のstep 1のように最小値との差だけ左と上を削って基準点の座標が全てのコマで一致するようにする。step 1の結果、横(x方向)のサイズはDが最小(Xf=1103)となり、縦のサイズはCが最小(Yf=690)となった。あとは全てのコマのサイズが Xf×Yf となるように各コマの右と下を削って画像サイズを一致させる(図2−1 step 2)。
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| step 1 |
step 2 |
図2−1 step 1: まず基準点の座標を合わせ step 2: さらに画像サイズを揃える Xf×Yfはここでは1103×690
トリミングして揃えた各コマを写真2−5に掲げる。これで下ごしらえができた。
写真2−5 トリミングして整えた四コマの写真
前回と同じフリーソフトを使ってチェンジング写真を作る。
基本的には前回の立体写真と同様であるが、相違点は合成パネルの「レンズの方向(E)」を「横ライン」にすることである。

図2−2 striperの操作画面
もちろんフォトフレームに入れる際にはレンチキュラーレンズを「横ライン」と平行になるようにし、レンズが横になるようにして観察する。図2−3のように見る角度を上下に振ることで画が切り替わってゆくが、@の方向に動かすとき切り替わる順番が画像ファイルの指定順に一致する。もしAの方向に動かしてチェンジングさせるのであれば、画像ファイルの指定順を逆にすればよい。

図2−3 画像が切り替わる方向
出来上がった合成イメージを写真2−6に掲げた。

写真2−6 striperで合成したチェンジング写真
前回同様 写真2−6をダウンロードし、240dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のチェンジング写真となるので、もし3Dフォトフレームをお持ちであれば試して見ていただければと思う。
デジカメであそぼ立体写真
こちらのソフトには「横ライン」の機能がない。そこで下ごしらえした画像を写真2−7のように90度回転し、あとは同じ要領で合成する。
写真2−7 トリミングして整えた四コマの写真を90度傾けて使う
元画像ファイルの指定方法はstriperと同様で、図2−3@の方向でチェンジングさせる順番に指定すればよい。
実際に写真2−7を元画像にして作ったレンチキュラー写真を以下に掲げる。

写真2−8 「デジカメであそぼ立体写真」で作成したチェンジング写真
これも写真2−6と同様にダウンロードし、240dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のチェンジング写真ができる。
ここでは静止物に基準点を置き、これが動かないように元画像を前処理する方法をとったが、例えば流し撮りの写真なら、追いかけた動く被写体に基準点を置くのもよいだろう。とにかく撮ったままの写真には不規則な視野の変化があるので、そのまま使うのはあまり感心しない。何らかの意図を持ってフレームを整える必要があるだろう。
立体写真、チェンジングとも最終的な写真の出来は印刷の品質に大きく左右される。写真用の光沢紙を使い、プリンターの最高品質で印刷することはもちろんだが、双方向印刷をオフにできる機種ではオフにして印刷すること。これだけでも随分違うようである。
プリンターの印刷ピッチとレンチキュラーレンズのピッチが僅かにずれることがあるため、出来れば印刷倍率を微調整したいが、残念ながら0.1%単位で倍率を調整できる印刷ソフトはあまり無いようである。大抵は1%単位かdpi単位で調整するが、1%もずらすとモアレだらけになって問題にならない。また1dpiが0.1%に相当するためには、元の画像を1000dpi相当にしなければならないが、データサイズが240dpiの16倍以上になるのではどうもスマートなやり方とは思えない。悩ましいところである。
ここで紹介したものを含めAction 4で撮影した素材と、それを使って作成したチェンジング写真をYahoo!フォトに公開した。必要ならそちらからダウンロードして自由に使っていただきたい。
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