立体モアレ10
パターン
Pattern
パターン1・
パターン2・
パターン3・
パターン4
二次元の立体モアレには色々なタイプの二次元格子を使うことができます。格子パターンの選択肢を全て網羅することはできませんが、ここでは遮光部と透過部の面積比が1対1という条件を付け、これを満たす4種類のパターンを実際に作り、立体モアレを表示してみました。
一つめのパターンを図10−1に示します。前回の立体モアレ9で使った市松模様を45度傾けたもので、同じだと言われればそうなのですが、位相や奥行きに変化をつける操作を加える際に扱い方が変わります。

図10−1 パターン1の二次元格子
作成した G1A と G1B のパターンは以下からダウンロードできます。画像データ上で p は20ドットとし、600 dpiの画像として印刷して 0.8467mm (30 lpi)になるようにしました。以下表示条件はこれまでと同じく、二枚の画像をOHPシートに印刷し、厚さ4mmの透明なアクリル板を挟んで、ライトボックスの上に重ねるものとします。
G1A, file name = "g1_a.gif"
G1B, file name = "g1_b.gif"
この条件での設計データを表10−1に示します。二枚の二次元格子は、ピッチが大きい方(G1A) を手前(上)に、小さい方(G1B) を奥(下)に置くとモアレ像は奥に形成され、逆にピッチが小さい方(G1B) を手前(上)に、大きい方(G1A) を奥(下)に置くとモアレ像は飛び出す位置に形成されます。ここでは前者をG1A → G1B で表し、後者をG1B → G1A で表します。
表10−1 設計データ (mm)
λ と D はG1A → G1B の場合
| p | w | λ | D |
| 0.8467 | 0.8194 | 25.4 | 81 |
表10−1にはG1A → G1B の時の λ と D を示しましたが、G1B → G1A なら大きさが等しい負の値になります。
実際に表示した立体モアレを写真10−1に示します。ぼけが大きく、コントラストもいまいちですが奥行きは確認できました。右(G1B → G1A)の方が左(G1A → G1B)より λ が大きく見えるのはパースペクティブのせいで、視点を遠ざけると両者の違いは減少します。
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| G1A → G1B | G1B → G1A |
写真10−1 パターン1の立体モアレ
二つめのパターンは図10−2に示すように、縦のピッチが横の半分になる市松模様です。ここでは px : py = 2:1 にしましたが、二次元格子の縦横のピッチは任意に選択することが可能です。

図10−2 パターン2の二次元格子
この例のように x ,y 両方向のピッチが異なるとき、λ と D も両方向で定義されることになりますが、これをλx , λy , Dx , Dy とすると、それぞれ下式が成り立ちます。ここでは Dx = Dy (= D ) としますが、これには px : wx = py : wy であれば良いことがわかります。

作成した G2A と G2B のパターンは以下からダウンロードできますが、使用条件は前記と同じです。また設計データを表10−2に示しましたが、py , wy , λy はそれぞれ px , wx , λx の半分なので省略しました。
G2A, file name = "g2_a.gif"
G2B, file name = "g2_b.gif"
表10−2 設計データ (mm)
λx と D はG2A → G2B の場合
| px | wx | λx | D |
| 0.8467 | 0.8194 | 25.4 | 81 |
先ほどと同じく G2B → G2A なら λ と D は大きさが等しい負の値になります。
実際に表示した立体モアレを写真10−2に示します。パターンと相似形のモアレが見え、奥行きも確認できました。パースペクティブのせいで右(G2B → G2A)の方が大きく見える点も同じです。
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| G2A → G2B | G2B → G2A |
写真10−2 パターン2の立体モアレ
図10−3に示すように正方形を対角線で分割し、遮光部と透過部にしたパターンです。これまでの矩形を使ったパターンは遮光部と透過部が同形で向きも同じでしたが、今回の三角形を使うパターンでは同形でも向きが異なり、遮光部と透過部が180度回転した関係にあります。つまり両者は平行移動で重なり合いません。

図10−3 パターン3の二次元格子
矩形の格子では、一方の格子の透過部がもう一方の格子の透過部とぴったり重なるとき、透過率がほぼ50%と最も明るく、遮光部とぴったり重なるとき透過率がほぼ0%と最も暗くなります。この結果透過率が0%〜50%の間で変化するモアレができるわけです。
一方平行移動で遮光部と透過部が重ならない格子では、一方の格子の透過部がもう一方の遮光部と重なる設計(図10−3)にすると、透過部とはぴったり重ならないため透過率が50%まで上がりません。こなためやや不明瞭なモアレになるかもしれません。
逆に一方の格子の透過部をもう一方の透過部と重なる設計にすると、今度は遮光部とぴったり重ならないため透過率が0%近くまで下がりませんが、これでははっきりコントラストが低下して良くないでしょう。ここでは図10−3で分かるように、前者の設計を採用しました。
作成した G3A と G3B のパターンは以下からダウンロードできます。設計データは表10−1と同じです。
G3A, file name = "g3_a.gif"
G3B, file name = "g3_b.gif"
実際に表示した立体モアレを写真10−3に示します。使用条件は前記と同じです。やや不明瞭ですがパターンと相似形のモアレが見え、奥行きも確認できました。
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| G3A → G3B | G3B → G3A |
写真10−3 パターン3の立体モアレ
図10−4に示すように正三角形を並べた二次元格子です。パターン3と同じく遮光部と透過部が180度回転した関係にあり、両者は平行移動で重なり合いません。コントラストが低下しないように、図10−3と同じくG4Aの透過部がG4Bの遮光部と重なる設計にしています。

図10−4 パターン4の二次元格子
このパターンはハニカム配列と同じ周期性なので、その意味でフォローしておく必要があると思います。x ,y の二方向でピッチ px と py を定義すべきか、60度ないし120度ずつ傾いた2軸ないし3軸について、それぞれ等しいピッチで並んだものと考えるべきか迷いますが、ここでは前者の立場を取ることにします。
作成した G4A と G4B のパターンは以下からダウンロードできます。px , wx , λx の設計データは表10−2と同じです。py , wy , λy はそれぞれ x 方向の値をルート3倍したものになります。
G4A, file name = "g4_a.gif"
G4B, file name = "g4_b.gif"
実際に前記と同じ使用条件で表示した立体モアレを写真10−4に示します。他のパターンと同じく奥行きも確認できました。
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| G4A → G4B | G4B → G4A |
写真10−4 パターン4の立体モアレ
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