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立体モアレ12

横波2

Transverse Wave 2

レンズアレイの場合プリンタについて


1.二次元でも横波

 立体モアレ4で作った横波を二次元の立体モアレに適用してみましょう。一次元の場合と異なり、縦にも周期性を持ったパターンでなければなりませんが、これは横波の元になるサイン波を並べることで実現することができます。実際に作成したパターンの一部を図12−1に示します。

 

図12−1 ピンホールアレイのパターン

 G5B はピンホールアレイ PA1 に対応するパターンです。正方格子状に並んだピンホールアレイを使うのであれば、ピッチ w のサインカーブを、同じ周期 w で縦に並べて描けば良いので簡単です。一方 G6B はピンホールアレイ PA2 に対応するパターンで、横に半周期( wx /2)位相がずれ、縦に半周期( wy /2)の間隔を隔てた二本のサイン波を、周期 wy で縦に繰り返して作成します。

 全体の G5BG6B の画像データは以下からダウンロードできます。これらを PA1 , PA2 と同じ倍率で印刷して使いますが、表示条件はこれまでと同じく、二枚の画像をOHPシートに印刷し、厚さ4mmの透明なアクリル板を挟んで、ライトボックスの上に重ねるものとします。この時の λD立体モアレ10の表10−1,表10−2と同じです。

G5B, file name = "g5_b.gif"
G6B, file name = "g6_b.gif"

 まず PA1 と G5B を組み合わせた結果を写真12−1に示します。PA1 を手前(上)に、G5B を奥(下)に置いたものを PA1 → G5B で表し、逆にG5B を手前(上)に、PA1 を奥(下)に置いたものを G5B → PA1 で表しています。

PA1 → G5BG5B → PA1
写真12−1 PA1 で表示した G5B の立体モアレ

 いずれも G5B のパターンを拡大したモアレが見え、奥行きもPA1 → G5B は奥に、G5B → PA1 は飛び出して見えることが確認できました。当然ながらこれらは立体モアレ4の横波と異なり、上下の視点移動に対してもモアレ像の位置が動きます。

 さらに PA2 と G6B を組み合わせた結果を写真12−2に示します。こちらも G6B のパターンを拡大したモアレが見え、奥行きも同様に確認できました。

PA2 → G6BG6B → PA2
写真12−2 PA2 で表示した G6B の立体モアレ





2,レンズアレイの場合

 前回使用したレンズアレイ光洋の360と630を使って同様の立体モアレを作ってみました。まず1mm角のレンズが正方格子状に並んだ630用には、G5B の画像サイズを2400×2400ドットに変えた LA5v (虚像)と、 w を広げた LA5r (実像)の二つのパターンを用意しました。

LA5v, file name = "la5v.gif"
LA5r, file name = "la5r.gif"

 これらを 515 dpiの画像としてスーパーファイン紙に印刷し、画像の上に厚さ1mmの透明アクリル板を置いてから 630を重ねました。表示した立体モアレを写真12−3に示します。どちらもパターンの拡大像が鮮明に表示されていることがわかります。

LA5vLA5r
写真12−3 レンズアレイ630で表示した横波の立体モアレ

 ハニカム状にレンズが並んだ360用には、G6B の画像サイズを2400×2400ドットに変えた LA6v (虚像)と、 w を広げた LA6r (実像)の二つのパターンを用意しました。

LA6v, file name = "la6v.gif"
LA6r, file name = "la6r.gif"

 これらを 507 dpiで印刷し、画像の上に厚さ1.4mmの透明アクリル板を重ね、その上に360を置いて表示しました。結果を写真12−4に示します。周辺部でややぼけていますが、焦点が合っている中心付近では綺麗な拡大像が見えています。手持ちのレンズアレイには厚さ斑や反りがあって、全体に焦点が合わせることが難しいようです。

LA1vLA1r
写真12−4 レンズアレイ360で表示した横波の立体モアレ





3.プリンタについて

 立体モアレで使うパターンの印刷では相対的な位置精度が重要で、1%もずれれば完全にアウト、0.5%でもはっきりわかってしまいます。インクジェットプリンタはこの精度が高いので、この実験には適していると思います。レーザープリンタも試してみましたが、像が歪んでしまっていけませんでした。

 インクジェットプリンタでは、プリントヘッドが動く(横)方向と紙送りの(縦)方向で精度に違いがあり、紙送り方向の精度が若干劣るようです。立体モアレ8まででは、精度の高い横方向をパターンの繰り返す方向にすれば良く、縦方向の精度が問題になることはほとんどありませんでしたが、二次元のモアレでは両方向に高い精度を必要とするので、紙送り方向にも精度が高いプリンタを使う必要があります。

 この実験で使っているプリンタはエプソンのPM-860PT,PM-A870、キヤノンのMP-960,PIXUS 900PDなどで、いずれも古いモデルですが、これらを使ってみた限りではキヤノンの二機種が紙送り方向の精度が優れているようです。エプソンの二機種でも紙に印刷する場合には目立った不具合がないのですが、OHPシートは滑るのか歪みを生じることが少なくありません。もともとエプソンの古い機種は紙送りが不安定で、複数枚をまとめてフィードしたりなど、給紙エラーを頻発する傾向がありましたから、紙送りのメカがいまいちなのかもしれません。ただこれはあくまで古い機種の話で、現行の機種では改善されているかもしれませんが。

 と言う訳で、ここで紹介している実験を試してみて、もしモアレ像が歪むようであったら、一度プリンタを変えてみることお勧めします。





二次元でも横波レンズアレイの場合プリンタについて

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