立体モアレ8
組み合わせ
Combination
2D+立体モアレ×2
3Dの奥行き感を明瞭にするには、異なる奥行きにある像を同一画面に表示して、比較対称させることが効果的です。まずは奥行きのない2D像と立体モアレを重ねて表示してみます。
作成する立体モアレのイメージを図8−1に示します。Image面に2Dの文字を描き、上半分はその後方に立体モアレ MA を、下半分では手前に MB を配置します。これまでより複雑な画になるため、より鮮明な表示ができるレンチキュラーレンズを使い、格子を使う場合と比較します。

図8−1 作成する立体モアレ
MA と MB の設計値を表8−1に示します。これまでの立体モアレはモノクロで描いていましたが、ここでは MA を青、 MB を緑、2Dの文字は赤で描いて重なり具合を視認しやすくしました。
表8−1 設計値(mm)
p = 0.8467 (30 lpi)
| λ | w | D | color |
| MA | 12.7 | 0.7938 | 15d | blue |
| MB | -12.7 | 0.9071 | -15d | green |
作成した Image のパターンは以下からダウンロードできます。これまでと同様に600 dpiの画像として印刷すれば、30 lpiのレンチキュラーレンズと合わせて使うことができます。
Image, file name = "combi_1.gif"
作画のポイントはオクルージョン、すなわち前後関係を考慮した陰画処理です。Imageの一部を図8−2に示しましたが、文字とモアレの重なる部分で MA は文字の下に隠れ、 MB は文字の上に描かれていることがわかります。この前後関係は表示される立体モアレにそのまま反映されます。
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| 上半分の MA | 下半分の MB |
図8−2 Imageの陰画処理
実際にImageをスーパーファイン紙に印刷して、レンチキュラーレンズ(ピッチ30 lpi,厚さ1.35 mm,屈折率1.58)を重ねたものを写真8−1に示します。MA が文字の下に隠れ、MB に文字が隠れているのがはっきり分かります。視点を横に移動すると MA と MB は反対の方向に動きますが、2Dの文字は動きません。

写真8−1 レンチキュラーレンズで表示した立体モアレ
比較のためにImageを600 dpiの画像としてOHPシートに印刷し、ライトボックスの上にまずImageを置き、厚さ4mmの透明なアクリル板を重ねた上に、立体モアレ2のA=50%、ないし 立体モアレ3のA=20% のGrid Aを置いて立体モアレを表示し、観察したものを写真8−2に示します。
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| A = 50% | A = 20% |
写真8−2 Grid Aの開口率を変えた立体モアレ
2Dの文字は変わりませんが、A = 50%ではモアレ縞がぼけが大きく、MB が少し透けている感じがします。一方 A = 20%はモアレ縞もそこそこシャープで使えそうです。なお全体的にコントラストが弱く、暗い感じがするのは OHPシートの特徴で、市販のインクジェットプリンタで発色の良い OHP原稿を作るのは至難の業だと感じています。なおモアレ縞の奥行きを表8−2に示しますが、奥行きは写真8−2の方が大きく迫力はあります。
表8−2 モアレの奥行き(mm)
| MA | MB |
| 写真8−1、写真8−3のD | 12.8 | -12.8 |
| 写真8−2、写真8−4のD | 41 | -41 |
さらに奥行きを強調するため、2Dの奥と手前にそれぞれ立体モアレを配置し、奥行きの異なる3枚の画を重ねてみます。
作成する立体モアレのイメージを図8−3に示します。Image面に2Dの文字を描き、その後方に立体モアレ MA を、手前に MB を配置し、全てがオーバーラップするようにします。なお MA と MB が同形状のモアレでは視認性が良くないと考え、MA を横波のモアレにして区別し易くしました。なお λ と D の設計は表8−1と同じです。

図8−3 作成する立体モアレ
作成した Image のパターンは以下からダウンロードできます。使い方は先ほどと同じです。
Image, file name = "combi_2.gif"
陰画処理の様子を確認するため、Imageの一部を図8−4に示しました。先ほどより更に複雑な画になるので、表示倍率も図8−2の倍にしてあります。緑の格子 MB の下に赤い文字があり、更にその下に横波 MA が描かれていることがわかります。

図8−4 Imageの陰画処理
Imageをスーパーファイン紙に印刷して、レンチキュラーレンズ(ピッチ30 lpi,厚さ1.35 mm,屈折率1.58)を重ねたものを写真8−3に示します。MA は MB と文字の下に隠れ、文字はMB の下に隠れているのが分かります。視点を横に移動すると MA と MB は反対の方向に動きますが、2Dの文字は動きません。

写真8−3 レンチキュラーレンズで表示した立体モアレ
さらにGrid A に立体モアレ2のA=50% と、立体モアレ3のA=20% を使って表示した結果を写真8−4に示します。印刷と表示条件は写真8−2と同じです。
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| A = 50% | A = 20% |
写真8−4 Grid Aの開口率を変えた横波の立体モアレ
いずれも設計通りのモアレ縞ができています。画質については明らかにレンチキュラーレンズが勝っていますが、発色さえ良ければ開口率の小さな格子でも十分使えると思います。
2D+立体モアレ・
2D+立体モアレ×2